PCにコントローラを接続するだけでPS3向けタイトルがプレイ可能に、PC向け「PlayStation Now」2017年春にサービスローンチ決定
ソニー・インタラクティブエンタテインメント(以下、SIE)は、2017年春より「PlayStation Now」のPC向けサービスを国内にて開始すると発表した。「PlayStation Now」はPlayStation 4(以下、PS4)などで展開されているクラウド技術を利用したゲームのストリーミングサービスだ。プレイヤーは手元にゲームをダウンロードすることなく、180タイトル以上のPlayStation 3(以下、PS3)向けタイトルをプレイすることができる。
PC版のサービスはすでに海外で先行スタートしており、今回ようやく国内でも開始目処がたったかたちとなる。AUTOMATON編集部は、SIE主催によるプレス向けの「PlayStation™Now for PC アプリ」体験会に参加することができた。はたしてPC上ではどのようにPS3向けタイトルがプレイできるのか、その概要についてお伝えしよう。
基本情報
まず基本的な使用方法として、PCで「PlayStation Now」を利用するには、公式サイトから専用アプリをダウンロードする必要がある。その後はアプリを起動し、SENアカウントや必要情報を入力してログインすれば設定は完了する。アプリ自体はマウスでも操作することが可能だが、ゲームをプレイするにはワイヤレスの「DUALSHOCK 4」か「DUALSHOCK 3」をUSBケーブルで接続する必要がある(「DUALSHOCK 4」はDS4 USBワイヤレスアダプター接続も可能)。推奨スペックは低く設定されているので、それなりの性能があるPCならば基本的にはプレイ可能となるようだ。
OS: Windows 7 SP1/ 8.1/ 10
プロセッサ: 3.5GHz Intel Core i3/ 3.8GHz A RAM: 2GB以上
空き容量: 300MB以上
その他: サウンドカード、USBポート
PC版とPS4版の大きな違いとして、PS4版では個別のタイトルを期間限定でレンタルすることができるが、PC版では提供される全てのタイトルを自由に何度でも遊ぶことができる定額制サービスしか利用することはできない。定額サービスは1か月の利用権が2315円(税別)、3か月の利用権が5463円(税別)となる。また定額サービスでは、年齢認証の問題などもあり一部タイトル(たとえば『The Last of Us』など)が利用できないため、自分の遊びたいタイトルがあるかどうかはこちらから事前に調べておくといい。
利用可能サービスやラインナップに関して最初からケチをつける格好となってしまったが、アプリとして見てみるとPC上での「PlayStation Now」は非常にスマートだ。マウスでのメニューの閲覧は非常にスムーズで、SIE側が用意されたマシンであるため一概には言えないが、動作が重いという印象は一切なかった。
特に筆者が便利だと感じたのが、ゲームのプレイ画面をウィンドウズ化して自由にリサイズできる機能。プレイヤーはたとえば攻略サイトを開きながらRPGをプレイしたり、隅でゲームをしながら別の作業をするといったことも可能になる。このリサイズについても、体験会の限りでは、ゲームのFPSが落ちたりデスクトップ上の動作がカクついたりといったことはなく、非常にスムーズに行えた。
PC上でPS3ゲームをプレイする意味
実際のプレイレポートに入る前に、PC上でPS3ゲームをプレイする人々がどういった層で、どんなタイトルを遊ぶのかを考えてみたい。PS4でサービスに加入していてPC上でもPS3ゲームを遊ぶという人ももちろん存在すると思われるが、「PS3やPS4を持っていないので、ちょっとPC上でPSゲームを遊んでみたい」という人も、AUTOMATONの読者には多いのではないかと思う。となれば、他のプラットフォームでもリリースされているタイトルよりも、PSプラットフォーム上でしか遊べなかった独占タイトルのプレイ感覚が特に気になるところだろう。
AUTOMATONでは今回、『HEAVY RAIN −心の軋むとき−』と『みんなのGOLF 6』をプレイしてみた。結論から言うと、どちらも体験会の環境ではラグの存在が一切感じられず、以前PS3上でプレイした通りに遊ぶことが可能だった。
『HEAVY RAIN −心の軋むとき−』は「折り紙事件」の謎を追うPS3の代表的な3Dアドベンチャーゲームだ。プレイヤーは歯ブラシで歯を磨いたり、シェーバーで髭を剃ったりといったアクションを、絶妙な力加減の操作入力で成功させなければならない。体験会中、筆者はいくつかのアクションに挑戦してみたが、コントローラーのレバーをゆっくり押す動作で特に引っかかりや妙なラグを感じることはなかった。またオレンジジュースを振るといったアクションでは、コントローラーのモーションセンサーを利用する必要があるが、こちらにも特に問題は感じられなかった。『みんなのGOLF 6』は、ドライバーなどでボールを打つ際に、それなりにシビアなタイミング入力が必要となるゲームだが、『HEAVY RAIN −心の軋むとき−』と同様にラグなどの問題は感じられない。
もちろん、クラウド技術を利用している以上、程度の差はあれど「PlayStation Now」には理論上ラグの可能性が常につきまとうし、プレイするマシンやインターネットの環境によってPS4以上に動作状況は変化するはずだ。ただ体験会でプレイした限りでは、PCだからといって特別遅延が発生するといったことはなかったので、その点はある程度は安心してよいのではないかと思われる。また「PlayStation Now」の定額サービスでは、1週間に限り無料で試遊できるトライアル期間が設けられているので、FPSやSTGといったゲームで細かなラグの誤差を気にするプレイヤーは、それぞれ自身の環境でチェックしてみるとよいだろう。
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