換気しながらゲーム / Nov 2nd
Gamers' Geographic 日本語版ライター陣が一週間にプレイしたゲームについて、11月9日が日本電機工業会により「換気の日」と定められていると知り思わず窓を開けながら書くのが Now Gaming です。毎週土曜定期更新予定。ちなみに「いい空気(119)」の日だそうです。
Nobuki Yasuda – 戦斗開始!
『Torchilight 2』飽きました。
失敬。またしても不適切です。飽きたというには早すぎます。なぜならクリアしていないからです。ひとまずレベル42まで上げてひととおりスキルを解放して満足してしまった、というのが本音の一欠片です。
本 作は見ての通りのハック&スラッシュで、『Diablo』シリーズに慣れた人ならば簡単に馴染めるでしょう。特徴的なのはゲームスピード。『Diablo 3』がリリース当初ややゆったりとした調整だったのと好対照で、やたら視覚的にもゲームバランス的にもスピーディーです。
また、パワーレ ベリングがゲーム設計的に推奨されているではないかと思えるくらいに有効で、いわゆる寄生プレイをすることのメリットは大きく寄生されるデメリットは小さ くされています。ゲームの寿命を延ばすことばかり考えた設計がそこらじゅうに転がる昨今、無常感に近いなにかを感じさせてくれる内容です。
さ らに、セール直後ということもあってか海外勢がやたら親切なのも特筆すべき点です。いきなりフランクに話しかけてきて「クエストはどこまで進んでいる?」 「手伝ってやるよ」「ビルドはどんなんだ?」「アイテムこれはどうだ?タダでやるよ lol」です。Fから始まる言葉を投げかけられたケースは今のところ0、無言で kick が1。世界平和です。ゲームで。
ただ、ネット ワーク周りの設計はさすがにいかがなものかと思いました。port開放しなければろくに接続できないマッチング、していてもしばしば落ちる、そもそもなぜ Steamworksを使っていないのか、フレンドリストが「クリックすると"unfriend"と"block"がやたら目立つ」という"フレンドでな くするリスト"状態になっているなど、笑って済ますには厳しい部分がいくつかありました。まあ、それも Hack & Slash (とくに Hack )の一部と言われればそうなのですが。
『Torchilight 2』を事実上途中放棄した理由は言うまでもなく『Battlefield 4』にあります。そう……そんなに期待している作品ではなかったのです。しかし『BF4』はいわば祭です。祭事です。催です。あるいは舞台装置そのものです。
気 になったのがプレロードです。25GBものファイルが1時間たらずでダウンロード完了してしまう異常なサーバーパワー、よくよく考えてみればもう7600 円支払っていたという事実などにくわえ、「ゲーム開始時にプログレスバーを見ているのか戦場にいるのか」といった趣旨のあおり文句は感じ入るものがありま した。もう見ることはできませんしスクリーンショット撮影も忘れていたためご紹介できないのが無念ですが、あれだけでももう5000円分くらいは満足させ てもらった気がします。
まだ数日ほどしかプレイできていないので詳細については申し述べません。ただ、1つだけ気になるのがラグ問題です。 いわゆるネットコードがひどいのか、もっと別の問題があるのかはわかりませんが、とにかくラグいのです。最初偵察兵でスナイピングプレイを楽しむ予定だっ たのですが、ラグすぎて弾を当てられる気がしないのです。会心の偏差射撃も、スッとワープして避けられてしまいます。「狙撃の弾丸は敵兵に着弾するまで観 測されない」という量子的戦場が繰り広げられている、それが今の『BF4』です。とても楽しいです。ただし武器はカービンに持ち替えました。
それではみなさん戦場でお会いしましょう。C4と双眼鏡をかかえて偵察しています。
Okunokami Kuheiji –ゴホッゴホゴホッ……
換気の日を前に、Okunokami の周囲では風邪が大流行しています。まあ、ゾンビになるわけじゃないので大丈夫でしょう。
『Sid Meier’s Civilization Ⅴ』は、マルチプレイで同文明を使用できることに気づいてしまったため、ヴェネツィアで都市国家買収外交プレイに挑戦中です。金は正義……というわけでも ありません。ユニットを購入するときは、都市上に軍事ユニットがいないことが前提です。そのため1ターンに1体ずつしか出せない、つまりそのペースで兵力 の補充が間に合うようにしておく必要があります。足止め用の軍隊を置くなり、侵攻されないよう外交を心がけるなり、といった感じです。わがヴェネツィアの 財政は大半を他国との貿易によってまかなっており、また戦時における敵性国家の略奪から保護することも貿易ルート上困難なため、後者の外交戦略を選択しま した。大勝ちする確証もしくは制覇勝利のラストスパートでもないかぎり、ガンガン戦争することは避けるにかぎります。
あ、『Battlefield 4』買いました。BFシリーズはBF2ぶりですが、どこに敵がいるのかよくわからず死ぬというのは相変わらずでした。プレミアムなパックも購入したため、ゲーム2本分はプレイしなくては……といった感じです。
Dimitri Toichi – 罵倒フィールド
私も例に漏れず『Battlefield 4』 をプレイしています。筆者が初めてプレイしたBFシリーズは『Battlefirld 2』で、その後は『Battlefield: Bad Company 2』『Battlefirld 3』と続きます。筆者の中では『BF2』が Battlefield シリーズの原点であり、家庭用ゲーム機でのプレイをメインに想定された『Battlefield: Bad Company』以降の Battlefield には、システムや戦闘感に言葉では説明しづらい違和感を感じながらプレイしていました。ですが、『Battlefirld 4』をプレイしてみると、その違和感はあまり感じませんでした。単に筆者が次世代グラフィックスにようやく慣れただけなのかもしれませんが、やっと Frostbite エンジンにゲームが追いついたな、という感じがします。
発売直後の BF は(場合によっては発売直後でなくても)バグが多いということは皆様ご周知のことだと思います。今回もそうです。ping が12と表示されているサーバに join してみれば、3歩進んで2歩止まる独特のラグのなか戦場で戦い続ける63人の兵士たち。やけにロードが長いなと思い Alt+Tab でウィンドウを切り替えてみれば「動作を停止しました」のウィンドウメッセージ。通常運行といえるでしょう。使いづらかったサーバブラウザーはある程度改 良されています。
そうそう、筆者が『Battlefirld 4』のために Electronic Arts のゲームプラットフォームである Origin に久しぶりにログインしたところ、昨今のアカウント登録時によく見かける「秘密の質問」を設定してくださいというメッセージが表示されました。「初めて 飼ったペットの名前は?」「あなたの母親の旧姓は?」といった質問を設定するアレです。そのまま秘密の質問とその回答を入力したところ、以下のような警告 メッセージが表示されました。
4文字の名字をもつ日本人はそんなにいません。パッと思いつくは「久夛良木」くらいです。恐らく英語圏で設定された最低文字数をそのまま引き継いでいるので しょう。あちらでは Smith とか Bush など、4文字以上の姓が多いので問題ないのかもしれません(Jane Doe さんはどうするのでしょう)。ほかの秘密の質問には「お気に入りのペットの名前は?」「子供の頃、将来なりたかった職業は?」などがあります。これらも 「ミケ」「魚屋」といった回答を持つ方はどうすればいいのでしょう。まさか英語で入力することが推奨されているのでしょうか。EAJ の社員はどういった回答を入力しているか気になるところです。
UnFreeMan – デスレース(死ぬのは一般人)
前回の記事でまじめにトイポップの攻略を再開して以来、少し懐古熱が高まってしまって、何かめぼしいレトロPCゲームは無いものかと「GOG.com」を徘徊していたところ、思わず目に止まってしまったゲームがあったので早速購入してしまった。
1997年に発売された、ごくごく一部で有名な虐殺系カーアクション『Carmageddon』。知らない間にGOG.comで買えるようになっていた。
上 のスクリーンショットはロード画面のものだが、タイトルと画像から分かる通りこのゲームはレースゲームである。やや広めのフィールド内に設置されたチェッ クポイントを順番に通過し、制限時間内に規定の周回を完走するのが目的……だったはずなのだが、このゲームでそのようなアタリマエのレースをしていた人間 はおそらくいないだろう。どういうことかというと―――
こ のゲームのクリア条件は規定周回の達成以外に「すべての敵車の破壊」「フィールド上に存在する一般人をすべて轢殺」という2種類が設定されており 、一般人の轢殺にペナルティがないどころか賞金がもらえて制限時間まで延びる。そのうえクリア条件も満たせるとあってはまじめにコースを走れなどというの が無理な話である。『Carmageddon』シリーズはこの初代を含めて3作出たが、この基本ルールは最後まで変わらなかった。
もっと も、上の写真に「9/527 KILLS」などと出ているように、フィールドが広い上に轢くべき数も多い。たいていは全滅させる前に疲れてしまい、手っ取り早く敵車を破壊に向かうか チートコードを使ったのではないだろうか。私も本気で全滅させた回数は十指でわずかにあふれる程度だろう。
『Carmageddon』と同 年に、これまた非常に有名な問題作『POSTAL』が発売され、ひところ「洋ゲー=残虐=不謹慎」の方程式が出来上がっていた理由の大部分はこの2本だろ う。そういうわけで当時中学生だった私の記憶に強烈に残っているのがこのタイトルだ。まさに親の目を盗んで遊んだゲームだった。
先述したようにシリーズは3作出たが、一般人が2Dのビルボード処理で表現されたこの初代が、残虐さとチープさ、そしてバカっぽさをハイレベルに表現していて好きである。『2』もそれはそれでいいんだけど。3作目の『TDR2000』のことは忘れましょう。
GOG.comで買うとDOSBOXごとインストールしてくれてあまり手間がかからないのでおすすめ。下手にディスク版などを買ってしまうよりよほど起動が楽なはずだ。なにぶんオールド洋ゲーだけあっていろいろな意味で古くバタくさいが、たまには良いのではないだろうか。
ishigenn – エイリアン4の内容が全く思い出せない
10月頭に 掲載された「Now Gaming」にて、バージョン1.9が配信され次第『Brutal Doom』を取り上げたいとお伝えしましたが、リリース前に勢い余ってフルマラソンを完走してしまいました。1.9をプレイするつもりは今のとこありませ ん。訂正しお詫び申しあげます。ただ Mark IV 氏曰くバージョン2.0の登場は2014年後半から2015年初頭とのことで、
当分は急いでプレイする必要もなさそうです。
今月中旬までの案件があり『GTA V』を我慢するなどプレイ出来るゲームが限定されていた今週ですが、それでも思わず手を伸ばしてしまったのが『Stasis』です。南アフリカ産のポイント&クリック式アドベンチャーという時点で心くすぐられた同作ですが、体験版を遊んでみると思いのほかグラフィックや雰囲気作りが良く、パッと出のヒップスタープロジェクトではないことがよくわかります。
物 語は初代エイリアンやイベント・ホライゾンなど宇宙 SF ホラーの諸先輩方を崇拝しています。とある男性が長期スリープから孤独に目覚め、死体転がる艦内で妻と子を探し出し、宇宙艦を所有する大企業が秘密裏に 行っていた非人道的実験に辿り着くという内容です。美麗なビジュアルで描かれる心地よい不気味さは抜群で、ここ最近 Steam Greenlight などで乱発されているホラー ADV の中では群を抜いているでしょう。ログ機能やオートセーブなど基本的なオプションが無い点は今後に期待といったところ。
ちなみにエイリア ンって主人公リプリーが暴れまくるアクション映画の印象が強いですが、実は初代はエイリアンが1匹しか出て来ない純然たる SF ホラー映画でした。ジャンルに分け隔てなく「ホラーモノは2で路線変更、3で酷くなる」との考えを持つ筆者ですが、久々の貴重なニューカマーに心震わせて いる所存であります。