霜月ゲーミング / Nov 1st
Gamers’ Geographic 日本語版ライター陣が一週間にプレイしたゲームについて「ゲームをやらねば……」という強迫観念に苛まれながら執筆するのが[Now Gaming] です。毎週土曜定期更新予定。
Nobuki Yasuda – ゲーム週間
ゲーム飽きました。
失敬。まるで表現が正しくありませんでした。というか嘘です。
安田の生態を細かく観察している奇特な方がいらっしゃったらすでにバレているかもしれませんが、じつは私自身ここのところまともにゲームをしていま せんでした。というより、同じゲームばかりしていました。モンハン艦これPAYDAY2、こればかりです。同じゲームばかりしていると人間ダメになるとい う家訓を設定した身としては、この状況を打破する必要がありました。
そんなわけですので、今週は誇張抜きでゲームばかりしていました。生活に必要な行為と最低限の運動以外の時間をほぼすべてゲームに費やしました。こう書くと「それもどうなんだ」と我ながら顧みてしまいますが、それはそれ、これはこれ。
まず最初に手を付けたのが『Dead Island: Riptide』。先週末のSteam Deep Silver セールで買った一品です。Dimitri を含む4名ほどでプレイ。
前作から引き続きケリがやたら強い、とりあえずスタミナ管理しながら近接攻撃振り回せばゾンビなど恐れるに足らないなど、「よくよく考えたらゾン ビってあんまり強くなさそうなんじゃないか」という疑問に直接応えてくれる作品です。4人でゾンビを取り囲んで張り倒す様は、部位欠損や血飛沫などよりも はるかにスプラッターなものがありました。
ゲームの内容はほとんど変わっておらず、やや冗長。ストーリーも予想をまったく裏切ってくれない展開。まあ、前作を好きになれた方ならお薦めかもし れません。プレイ時間は10時間程度。ちなみに、FOV の変更にいちいちエディタを開かなければならない設計から20世紀を感じました。
次は『Saints Row 4』。『GTA V』をやるかどうか迷ったのですが、こちらも Deep Silver セール対象で33%オフだったので選択。ただし直後のウィークエンドディールで50%オフになり久々に心の闇と向き合うはめになりました。
本作はどうも評価が分かれているようですが、私は大変気に入りました。『3』と同じく、大切なネジをひとつひとつ丁寧に抜いていったような味わいが 好印象です。どれだけ元ネタがわかるかで面白さが変わるかもしれません。全部理解しきれたとはまったく思っていませんが、終盤の展開はさすがに笑いまし た。あと、『メタルギア』ネタは怒られないのでしょうか?
ゲームとしては相変わらずフリーローミングタイプ。ただし、『GTA』ライクというよりは文字通り縦横無尽にマップを移動できる、そして握力に依存 しない(=ジャンル: 握力ではない)という点ではどちらかといえば『PROTOTYPE』シリーズに似ています。「クルマに乗る必要がない」というのは悪くありません。
プレイしていてあまりストレスを感じず収集系要素やサブゲームもそこそこ楽しかったため、サイドミッションもすべて埋めてクリア。プレイ時間は25時間ほど。マルチはまだやっていません。
お次は『L.A.ノワール』。Xbox 360でプレイしました。
こちらもまさしく評価がばっくりと分かれるであろう内容です。フェイシャルアニメーションを起点に、キャラクターの細かな動きから「怪しさ」を見出すというコンセプトは非常に野心的で、かつ魅力的です。
ただ、散々指摘されているようにゲーム部分がきわめて単調です。『ヘビーレイン』ほどではありませんが、捜査・尋問・追跡・尾行・戦闘、いずれも冗長です。とくに捜査&尋問パート以外の作りがやや壊滅しており、ほぼ作業なのがつらいところ。
それでも一点突破の魅力があることは間違いありません。入り組んだ物語、”Noir”の名の通り表現された暗部、そして何よりも推理。『逆転裁判』 や『ダンガンロンパ』などの和製推理の「フラグを立てて矛盾を突きつける」形式ではなく、よりリアリスティックといいますか、「間違えてもいい」という身 も蓋もないゲーム設計は新しいものがあります。そしてそれにもきちんと理由があります。
ゲームが面白かったかどうか、と問われると私は答に窮します。ただ、隣に座っていた妻が食い入るように画面に見入っていました。つまるところ、そう いう作品なのです。これはこれで良いものです。プレイ時間は20~30時間ほど。DLC は付属してきた「裸の町」のみプレイ。
『METAL GEAR RISING REVENGEANCE』。 これまたいろいろと言われている作品ですが、まったく悪くありません。とくに指摘されがちなストーリーモードの短さはかけらほども気になりませんでした。 初プレイでクリアタイムは7時間ほどだったのですが、十分すぎます。この手のアクションゲームでは適切、もしくは長いくらいです。何事にも尺というものが あります。
ゲーム自体はプラチナゲームズ感満載というか、『ベヨネッタ』です。ただ、アクションパートにはわずかな不満が残ったことも事実です。1点ピック アップするならば、斬奪の表現。「引き抜いて潰す」の間が若干長く感じられました。あれがもう半分くらいだったらもっとさくさくと「攻撃して斬って斬奪し て」のテンポが良かったのではないでしょうか。
トータルとしては充分満足できました。ただ……ストーリーの骨子や各シーンの演出やセリフ回しについては……。いえ、ラスボスはよかったです。
そしてようやく手を付け始めました『The Typing of The Dead: Overkill』。こちらはまだ未クリアのため詳述は避けますが、最初の感触は悪くありません。英文入力は苦手な私でも、これも練習の機会と思えば楽しめます。どうやら今後のアップデートでマルチプレイなど様々な機能の追加が予定されているようで期待が高まります。
と、ここまではちゃんとクリアした/クリアする予定のもの。一方、残念ながら積んでしまう予感がしているタイトルがいくつかあります。
まず、『バイオハザード6』。 Xbox 360版でフレンドとプレイしているのですが、どうにも楽しめません。ゾンビに体術が効くというのは、小説『World War Z』でも対ゾンビ体術「ウナギと剣」が出てきたので驚くには値しませんし、『Riptide』でもケリが強力だったので、違和感はあまりありません。
ただ、なんといいますか、「どうしてこうなったのか」という印象が拭えないのです。『バイオハザード』シリーズは番外編のガンシューなども含めほと んどプレイしているのですが、どうも『6』は好きになれません。理由をいちいち上げていったらきりがないので詳述は避けます。ただともかく、エンディング までは到達できそうにありません。あと、プレイしているとなぜか気分が悪くなります。一種の3D酔いかもしれません。
次に、『九十九神』。 着想の素晴らしいタイトルなのですが、並行してプレイしていたのが裏目に出ました。単純に、次にどこに行って何をすればいいのかわからなくなってしまいま した。また、バトルパートのテンポが若干悪いことや、ワードのバリエーションがそれほど豊富でないことも拍車をかけます。
そして、『Papers,Please』。こちらは私の実力不足です。なにがなんだかわからなくなってしまいました。諜報部からピンクの警告が送られてくるたびに精神が削られていきます。そのうちまた攻略Wikiを熟読してこちらはリベンジしたいところです。
別件ですが、『艦隊これくしょん』はまさかの”金剛改ニ”実装で心が折れそうです。
以上、今週のゲームマラソンでした。合計プレイ時間は80時間ほど。少し疲れたので、週末は『ToD: OK』をゆっくりプレイしようと思います。
Okunokami Kuheiji – 脳筋
今更ながらですが、Steam のハロウィンセールで 『Left 4 Dead』買いました。とりあえず刀とか防火斧とかチェーンソーがあったので、とりあえず落ちているものを引っつかんで突っ込みます。アクション下手なく せにこういうことするからそのうち死にます。引くことは昔覚えましたが今は忘れています。なに、フォーマルなドンパチするときに思い出せばいいのです。
しかしゾンビに体術って効果ありそうに見えますが、どのような感染経路かもよくわからない、得体のしれない感染症の患者相手に近接武器で攻撃するのは狂気の沙汰だと思わなくもありません。
いくら腐っているとはいえ、動いているということはそこまでひどく腐っているわけでもないはずですし、人体って損傷を気にしなければそこそこ丈夫で すし、だいたい何したら動かなくなるのかわざわざ近づいて確認するなんて……いやいや、そんな細かいことを気にしてはいけません。相手はゾンビです。どれ だけ殴ろうと、誰からも何も文句を言われない、いやむしろ賞賛される人型のオブジェクトというのは良いものだと思います。進め!殴れ!蹴散らせ!
サーバもちょっといじってみようかなと思い、契約しているVPS で色々いじっています。スペックが問題なければ6人ぐらいでプレイできそうな感じです。
『The Elder Scrolls Ⅴ: Skyrim』も相変わらず継続中です。こちらは1時間でもそこそこ満足できるので、隙間をぬってプレイしています。Dawnguardのクエストは半ば あたり、Elder Scrollが云々……といったところで、久々のメインクエストに手をつけました。MODのほうはモーションの改善に手をつけたため、たまにおかしい箇所 を発見しては直し、またうろついて確認しています。こういった雑多なファイルをうまくカテゴライズしたり、構成を適切に組み立てることに喜びを見出すの は、コンピューターシステムに深く関わる者の宿命かもしれません。
Dimitri Toichi – ゲーム禅問答
『The Stanley Parable』をプレイしました。
どんなゲームなのかはDemoや詳しい説明で理解していただくとして、このゲームの主人公、WASD の移動としゃがみ、ドアを開けるかボタンを押すかくらいの行動しかできません。その行動にナレーター (Narrator) が意味を持たせ、物語 (Narrative) を作ります。もしくは作ろうとします。
ナラティブだと……?と気づいた貴方、目の付け所が Sharpshooter です。日本のゲーマーとしてはなんてホットな 話題でしょう。プレイヤーではなく、ナレーターがすべての物語を作ろうとするこのゲーム。おそらくそういう皮肉も含んでいるのでしょう。なにせタイトルの parable とは寓話という意味のようですから。ちなみに日本語のナラティブという言葉の使用法については、筆者やほか執筆者のあいだでも未だ模索中のところがあり、 現在は Fxxx や Sxxx の類義語として使っ
閑話休題。
惜しいのは、このゲームは Source Engine 製であるため、ナレーターの饒舌なセリフの subtitle が画面からすぐに消えてしまいます。字幕データもコンパイルされており、テキストエディタ等で開くこともできず、あとでゆっくり読むということもできませ ん。筆者もナレーターのセリフを半分くらいしか追えませんでした。
それでもこのゲームの皮肉と緩やかな説教は心地よく感じられます。このようなかたちで煽ってくるゲームは久しぶりです。14.99$ が適正価格かは微妙なところですが、ゲームについて0.8家言くらいは持っている自負のある方、プレイしてはいかがでしょうか。
UnFreeMan – たまには昔のゲームをしようか
最近、Wii U のFWアップデート(4.0.0J) でWiiモード時にWiiUゲームパッドに画面を表示することが出来るようになった。事前にTVモニタ側の設定を合わせておけば、起動時Bボタンの即時 Wii モード起動を使うことで、TVモニタレスでWiiのゲームを遊ぶことがついに可能になったのだ。ゲームパッドでの入力には非対応なので Wiiリモコンないしクラシックコントローラは必要だが、そのような不利は些細な事だ。なにせ―――
これでTVモニタに正対せずに『 トイポップ』が遊べてしまうのだから。
Wii U が発表されて以来、口を酸っぱくして言い続けてきた「Wiiのゲームを手元でプレイ」の要望が、ここに来て8割がた叶いつつあるが、その要望を出し続けた 理由の1つがこのゲームだ。私の幼少期にそのカラフルな世界と素晴らしい BGM を脳裏に焼き付けた思い出のタイトルである。
もっとも、その世界観とポップな BGM と相反するようにゲームシステムはマニアックでスパルタである。当時の私はこのゲームのルールがさっぱりわからず、ゲームコーナーで誰かがこのゲームをプ レイするのを今か今かと待ち続ける、店舗にとっては非常に迷惑なガキんちょであった。お店に入って最初にやることは100円玉がどっかに落ちてないか確認 することだったし。
そんな20年越しの悲願達成に向けて、もちろんカンペも用意してある。それがこの「ALL ABOUT NAMCO Vol.2」である。『トイポップ』の攻略記事もさることながら、「特定のスペシャルアイテムを出したいときの、スコアの状態とゴールに飛び込むべきタイ ムを列挙した早見表」が書いてあり、攻略の大いなる助けになっている。
この本の力をもってしても未だに15面が精一杯であるが、いつかは1コインでクリアしたい……そう思いながら、とうとうWiiのゲームハードとして の寿命が尽きる前に攻略することは出来なかった。もう秋葉原にあるゲームセンターのレトロコーナーで見かけることもほとんどなくなってしまったため、バー チャルコンソールでプレイせざるをえない。基板は高いし。
さて、Wii U ゲームパッドでWiiのゲームをプレイするとき、何気にWii リモコンをWii U ゲームパッドに向ければきちんと使えるようになっている。ある程度の距離が必要とはいえ、リモコン必須のゲームですらWii U ゲームパッドの画面で遊べてしまうのである。つまりこのゲームも遊ぶことが出来る。
いやこのゲームは大きなモニタで遊ぶべきだろ……という突っ込みがあるとは思う。実際やってみて私もそう思った。適材適所という言葉のとおりだ。
Wii U のバーチャルコンソールアーケードのタイトルはもうリリースされないのだろうか。VCA に積極的だったナムコタイトルも全て網羅されたわけではないし、何より私が『ティンクルピット』を自宅で遊びたい。関係各所になにとぞ VCA の新規配信を検討いただくよう、伏してお願い申しあげる。
ishigenn – 車を盗みます五
謎のウイルスに感染し1人アウトブレイクした先週末から、PCゲームをプレイするのが億劫になってしまいました。体調悪化ついでに気分が乗らなかっ たのか、Steam のハロウィーンセールも年末で良いかとスルーしてしまいましたが、終わった後になってやや後悔しています。『I Have No Mouth, and I Must Scream』と『The 7th Guest』はゲットしても良かったかも。Steam セールは何を買うかでは無く何が買えるかです。
吐瀉物の飛沫が部屋の中を跳ね返る中、病院帰りに購入した『Grand Theft Auto V』をベッドで 寝そべりながらプレイしています。本作の何が良いって、主人公サイドにもブッ飛んだロクデナシが揃っている点。過去の『GTA』主人公勢は生真面目さや後 ろめたい過去を持っているクール寄りな人物が多い印象でしたが、今作では「マイケル」に「トレバー」です。家族との不仲が原因で怒り狂う日々を送る父親マ イケルに、暴力と麻薬が愛し合って生まれたようなきかん坊トレバーは、明らかに過去作ではサイドキャラクターの立ち位置でした。逆に「フランクリン」は過 去作における主人公ポジション的な人物でしょうか。
トレバーは存在そのものがタブーのような人物で、踏み潰した脳ミソと突如お喋りを始める主人公はゲーム史で後にも先にも彼だけでしょう。そのインパ クトから界隈ではトレバーに注目が集まっているように思いますが、個人的にはダメ親父なマイケルもお気に入りです。ドン底からトップまで登りつめていくロ クデナシ版シンデレラストーリーが描かれてきた『GTA』シリーズにおいて、今作のマイケルは過去に仕事で大きな成功を収めながらも上手くいかない日々を 送る人物。なにかと右往左往する彼の姿は新鮮かつ愛おしく感じます。鬱憤を晴らすように感情を爆発させながらも、家族や友人にはぎこちなく愛情を求めてし まう、人間臭いキャラクターです。