ゲーミングサミット / Mar. 2nd


Gamers Geographic 日本語版ライター陣が一週間にプレイしたゲームについて紹介する本稿[Now Gaming] はおそらく 弊誌執筆陣の多くが BitSummit を見て回っているころに公開されているはずです。毎週土曜定期更新予定。

 


Nobuki Yasuda – 如くが如くが如く

 

『龍が如く』飽きました(1週間ぶり2度目)。

 

この中にニンジャが潜んでいます。
この中にニンジャが潜んでいます。

 

 

失敬。PSP『クロヒョウ2 龍が如く 阿修羅編』をプレイしているだけです。『維新!』クリアと、正月のセールで買った友人が崩しにかかってきたことの二正面作戦により通常価格2600円で DL 購入。2年も前のゲームにうまい具合に乗せられたというか、ややバカをみた気がしないでもありませんが、まあこれはこれで健全な市場というやつかもしれません。なお初代『クロヒョウ』は未プレイ。

バトルパートが良いと伝え聞いていましたが、なるほど納得の出来栄えです。本家とくらべて歯ごたえと真剣味があることは疑いようもありません。たや すく敗北を喫する一方で、ナンバリングタイトルお約束の「とりあえずジャストディフェンスすれば勝てる」以外にも勝ち筋が用意されており好印象です。

また、ときおり横槍がはいるものの原則的にタイマンとなる戦闘は、画面上のゲージのなさや部位破壊の概念などから伝説的キャラゲー&3D格ゲー『餓狼伝Breakblow』を連想するところ。勢いのあるシバきあい演出は、『如く』の微妙なリアルさとあいまり高い次元へ達しています。とくに味方とのツープラトン攻撃は必見といっても過言ではないくらいの危険さです。これだけでレーティング審査に引っかかりかねません。

一方、6章(シナリオちょうど真ん中あたり)の段階で「タイミングよくガード不可能必殺技を振れば勝てる」が半必勝法として確立してしまっており、若干残念な気がします。どうせ殺しにかかってくるならもう少しくらいシビアでもよかったでしょう。

また、これは悪しき伝統と言い切りますが、バトルパートでアクションとからんで QTE が発生するのはさすがにいかがなものでしょうか。シビアなキャッチや回避が入り乱れるなか、ぬるま湯のような猶予とテンポの入力を強いられることは苦痛以外のなにものでもありません。

カットシーン演出は、個人的には本家より好みです。ナンバリングタイトルでは「シリアスさを狙ったけどなんだかズレてしまって失笑せざるをえない」 な展開が毎回繰り広げられていますが、『クロヒョウ2』は根本がアンリアルな設定(地下闘技場で格闘家がバトル)ながらも、随所にはさまれる会話や見せ方 が堂に入っており、素直に「かっこいいな」と感じることができました。

ただ、ゲームと無関係なところで気になったのが喫煙描写。冒頭で「未成年者が喫煙している描写がありますが云々」といったエクスキューズが入ってい ますが、それが通ってしまうなら CERO なんていりません(そもそもの存在意義についての議論は避けます)。しかも本作のレーティングは D。さらに、ヤニは喰らうくせにキャバクラでは清涼飲料水しか飲みません。主人公”右京龍也”が妙にストイックなキャラだという設定ならば理解もできます が、そういった説明は一切なし。

いずれにせよ、『如く』伝統の名越イズムというよりは、それこそ『SPIKEOUT』 のようにシビア(でありうる)アクションと、なかばグロテスクの領域にすら踏み込み気味のグラフィックスは、及第点という線引を設けるには十分すぎます。 そろそろ穴を埋めた次回作を期待したいところです。せっかくですので、ついでにそろそろネタバレには寛容になっていただきたいですね。こんな(上掲)直撮 り写真なんて本当は載せたくないのです。

それにしても龍なのか豹なのか、どちらなのでしょう。ルチャと柔術をマスターすることで中国拳法が始まる格闘技術ツリーははたしてドラゴンなのかレオパルドなのか。

 

自分が気持ちよくなる魔法のビーム。
自分が気持ちよくなる魔法のビーム。

 

ああそうそう、 世紀末武闘会が3月22日に開かれるからというわけではありませんが、『北斗の拳 審判の双蒼星 拳豪列伝』始めました。キャラがボールになったり即死したりする例のアレです。

思い返せば3年か4年ほども”動画勢”を継続していたのです。ようやく脱出しました。2D格ゲーをプレイできない呪い、正確に236入力をできない 呪いを背負った身の上にあってはあまりにも膨大な学問です。とりあえず触って楽しいのでトレモ頑張ります。「おれの求める種籾はまだ遠い!」

 


Okunokami Kuheiji – 追放されました

 

ban

Banished』はじめました。『Age of Empires II』できれいな町並みを作って「ああ、敵いなかったらいいのになあ」が実現できる素敵なゲームです。

一言でいえば中世版シムシティですが、そこは中世。まがりなりにも現代のシムシティと違って、人がカジュアルに死にます。餓死凍死はあたりまえ、木 から落ちて死ぬわ難産で死ぬわ疫病で死ぬわと、なかなか生々しい感じになっています。攻めてくる敵はたしかに存在しませんが、過酷な自然がそれを上回る試 練を課してきます。まだ出たばかりということで手探りな部分も多いですが、そこも含めて楽しめるゲームです。

検索して出てくるサイト等でチュートリアルも日本語訳されています。ゲームのUI自体もシンプルにできており、英語のハードルもかなり低いものとなっています。ゲームの広告バナー等で「友達の村を略奪!」とか書いてあるのに正直うんざりしていたので、伸びてほしいタイトルです。

 

Age of Barbarian。
Age of Barbarian。

 

 

『Diablo III』も復帰のきざしを見せつつあり、眠れぬ夜に戻りつつあります。ACT3 のフィールドでバーバリアン 4 名が「Call of the Ancients」を同時に使用し総勢16 名の Barbarian が『Age of Empires』ばりの戦争を繰り広げるなど、くだらない方向に注力しております。

 


UnFreeMan – 生還

 

次のニュースです。

先週お伝えしておりました、Gamers Geographic 記者の不自 由人(フジ ヨシト)氏がPS4の大地から生還し、都内の病院にて治療を受けていることがわかりました。命に別条はないということです。

当局の事情聴取にも応じる姿勢を見せておりますが、発表によりますと氏の供述は

「死にまくった」

「カットシーンを飛ばしたらナックの体表示がバグって成長も回復もできなくなってチャプター最初からのリスタートを余儀なくされた」

「カメラ酷すぎ」

「ラスボスで演出上回避できないダウンの起き上がりにザコに攻撃を重ねられたと思ったら体力が7割消し飛んで死んだ」

「ラスボスのダウン演出ではステージ端で見えない壁に止められるようになっていたので、戦闘中もそうかと思ったら普通にリングアウトしてやり直させられた」

など、まるで要領を得るものではなく、当局は早急な事情聴取を断念し、氏の回復を待ってから再度事情を聴く方針です。

なお、当局の召喚に応じず京都方面に逃亡したGamers Geographicの安田氏ですが、当局はこれを何らかの事情を知るが故の逃亡とみなして憲兵隊を派遣、地元の猟友会と連携して、可及的速やかな安田氏の捕縛を目指す構えです。安田氏の今後の行動に注目されます。

 

たたかいは おわった
たたかいは おわった

 

 

では次のニュースです。先日世間を賑わせたクロヒョウの群れが――

 


FoL.ExE – はじめまして

 

今週より執筆者として参加させていただきますFoL.ExEと申します。

宇宙ストラテジーを中心に、注目しているゲームのプレビューやレビューをお送りいたしますので、今後ともよろしくお願いします。紹介いたしましたゲームに興味をもっていただけたならば、それにまさるものはありません。

 

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今週は、つい先日 Steam Early Access が始まった 『Drifter』 (ver.0.5)という宇宙貿易ゲームを遊んでおりました。見た目は3Dスペースフライトシムですが、稼働軸がX軸しかないためオブジェクトは全て平面 に配置されております。結果、TPSならではの見栄えを保ちつつ、操作系の簡略化で敷居を大きく下げたものとなっております。

2万星系からなる銀河系を股にかけ、貿易商や炭鉱夫、宇宙海賊を行うという、貿易ゲームとしてはありきたりな内容ですね。簡単な配達ミッションをこ なしつつ行く先々の星系ごとにある相場に合わせ商品を詰め込んでは売りさばき、すこしづつお金を貯めていくささやかな達成感は、ほどほどに中毒性がありつ いつい夜更かしをしてしまいました。

将来的には、遠くの星系まで旅を続けアーティフェクトや遺棄船を探索したり、区域ごとの派閥と信頼を深めたり、または信頼を失った派閥から追い回されたりするそうです。

 

多ければ、大きければそれで良しとする海の向こうの文化。
多ければ、大きければそれで良しとする海の向こうの文化。

 

名前が無い星系は自動生成されたもの。これが90%以上占める。
名前が無い星系は自動生成されたもの。これが90%以上占める。

 

ゲームのウリとして自動生成(Procedural)ミッションと謳っているのですが、現時点では定型文の行き先を近隣の星系にあてはめただけの内 容となっております。個人的には、そのランダム生成されたミッションに物語を自動生成してスペース生活体験を得られるようにしてほしいものです。

 

そのうち惑星のテクスチャも自動生成されるとのこと。
そのうち惑星のテクスチャも自動生成されるとのこと。

 

その点では、AIが操作する国家同士の戦争に介入し自分の都合のいいパワーバランスを作っていく 『Drox Operative』 (今週、steamで拡張版がリリース)や The Last Federation (4月発売予定) が、国家の興亡という物語をAI同士による相互作用で自動生成しておりますので一歩先に進んでいると言えるでしょう。

AIプレイヤーによってリプレイアビリティを持たせるゲームデザインが広まった今日びにおいて、自動生成という魔法の言葉も簡単には使えなくなったものだと思いました。