遊びじゃなくなったゲーミング Apr. 4th
Gamers Geographic 日本語版ライター陣が一週間にプレイしたゲームについて「なんかゲームが義務みたいになってない?」と自問自答しつつ振り返るのが[Now Gaming] です。毎週土曜定期更新予定。ちなみに4月26日はオンライン麻雀の日だそうです。初めて知りました。
Nobuki Yasuda – 終焉の街
『SimCity』飽きました。
失敬。Origin のセールで追加コンテンツ『Cities of Tomorrow』が半額になっていたので購入しただけです。
それにしてもひさびさの『SimCity』です。前回プレイしたのはいつだったでしょうか、1年ぶりくらい前だった気がします。光陰矢のごとし。「この1年間なにをやっていたのか」は続編やら追加コンテンツやらが出るたびに考えさせられることですが、『CoT』もご多分に漏れることはありませんでした。何をしていたんでしょうね本当に。
気を取り直して『CoT』を購入、ついでに飛行船セットと遊園地セットも購入、しめて2000円也。妻も一緒にプレイするので倍率ドンで4000円。……EAにいいようにもてあそばれているような気もしますが、まあ大人の遊びと考えたら高くはありません。そのはずです。
そう。『SimCity』は私が妻と一緒に遊べる数少ないゲームの1つなのです。そもそも私と違って真面目に社会人をしている彼女にとってゲームなんかに時間を割いていられないという非情な現実があるということを無視したとしても、今までまともに共同作業したことがあるのは『モンスターハンター4』・『どうぶつの森』シリーズなど各種任天堂作品・『メテオス』(ほぼ互角)くらい。ゲームという趣味を二人で共有できる機会はとても貴重なのです。
新要素に盛り上がりつつ(おもにメガタワーの外見)、パトカーを送ったり犯罪者を送り込まれたり労働力をゆずったりゆずられたりと1年前の繰り返しです。やはり楽しい。突っ込みどころも多々ある本作ではありますが、肩肘張らずにゆったりと遊ぶぶんにはちょうどいい塩梅です。あと、メガタワーを調整するたびに毎回ニンジャが飛び出してきそうな感覚に襲われます。こういう超高層タワーに黒赤基調色というのはある種のシンボルなのでしょうか。
プレイにより発生した問題は妻の睡眠時間が削られたこと。「もうこんな時間か、寝よう」という発言を30分おきに聞くこと数回。気づけば午前3時。あやうく私の無職独特の生活リズムに巻き込んでしまうところでした。次はかならず0時になったら私から終了しようと思います。そりゃあ後ろで継続されたらプレイやめられませんよね。気遣いがたりませんでした。
UnFreeMan – 来日
先日来日したオバマから箱を巻き上げる日々が続いている。
彼からせしめたこれだけの箱を
一気に開封したのがこの画像だ。
以上、私の今週のゲーム報告である。いや、わかっている。何も言うな。言わないでくれ。
FoL.ExE – エンドレスダンジョンという名前のエロゲーがあることを知った俺達は
Amplitude studiosの新作『Endless Legend』のアーリーアクセスが始まりました。長く、厳しい冬がすべての生命を奪おうとする惑星〈Auriga〉で生き残りをかけた、ファンタジー4Xターンベースストラテジー(以降:4X-TBS)です。
同社の宇宙4X-TBS『Endless Space』、そして現在開発中のローグライク+タワーディフェンス『Dungeon of the Endless』に登場する、古代種族エンドレスの故郷となる惑星が舞台となるため、シリーズのファンに期待されております。
このメーカーが作るゲームの特徴は、ゲーム力学が見えるほど洗練されたユーザーインタフェースにあります。今作もそれは変わらず、マウスオーバー時のポップアップを始め、ゲームに影響を及ぼす項目はすべてアイコンを交えた表現で概要がそえられています。フランスのメーカーゆえ、英語が母国語でないゲーマーが英語のゲームをプレイするときの苦痛を和らげるよう配慮したデザイン思想なのでしょう。結果、4X-TBSの魅力である複雑さをそのままに楽しみやすくしています。
特徴は戦闘です。自動処理タクティカルストラテジーというべき代物で、戦闘開始時にユニット位置を決め、ラウンド毎に攻撃対象を設定すると、あとはイニシアティヴ順に自動で攻撃します。
注目点は戦闘フィールドを生成するしくみです。戦闘が始まるとマップ画面にユニットが展開し、マップ画面の高低がそのまま戦闘フィールドの高低となります。高所を取ることで優位を得られるため、戦闘開始時の位置取りで高所を取れるようマップ画面の敵ユニットを攻撃する方向に気を使う必要があります。戦術パートの地形効果を戦略パートにうまく可視化できたシステムといえるでしょう。
あともう一つ特徴を上げると、季節の概念にあります。ゲームスタート時は〈夏季〉ですが、やがて〈冬季〉が訪れます。冬季の間はタイルから得られるリソースが減り、ユニットの移動力が半減するなど大きなペナルティが発生します。その冬季は回を増すごとに長くなり、いつしか、終わることがない冬としてプレイヤーを苦しめることとなります。プレイヤーは近隣国家との軍事競争・技術競争だけでなく、惑星Aurigaが強いる生存競争への準備を進めなくてはいけません。
4Xストラテジーは最適解、すなわち定石を見つけるゲームです。「定石が見つかった時、シングルゲームの余命が決まる」といっても過言ではありません。近年の4X-TBSはそのシングルプレイの寿命を、高度なAIや豪華なコンテンツで伸ばしていますが、その方法の一つとして、枯渇するリソースによるサバイバル要素を追加したのは面白い試みかと思います。
シリーズのファンだけでなく、4X-TBSファン、そしてこれから4X-TBSを始めようと思う方にもオススメしたいゲームです。興味がございましたらアーリーアクセスに参加してみてください。強固なコアシステム、素晴らしいアートワークと、アルファ版とは思えない出来栄えに満足いただけることでしょう。これが完成版に向けて、さらに面白くなるのですから、4X-TBSファン、シリーズのファンとして胸が高鳴ります。
なお、こちらのメーカーは、開発進捗を積極的に提示し、ゲームデザインやアートワークへの選択肢投票を設けることで、プレイヤーからのフィードバックをイベント化した〈GAMES2GETHER〉を実施しています。フォーラムに嘆願せずとも、このイベントを通じてゲーム開発へ意見を出すことができ、アーリーアクセス本来の意図である “ゲーム開発への協力” に参加する敷居を大きく下げたのは素晴らしいです。
アーリーアクセスに参加された方は、このGAMES2GETHERにも注目し、ゲームがもっと面白くなるよう意見を出してみてはいかがでしょうか。フィードバックすることで自分が面白いと感じるゲームになると、安堵感やメーカーへの信頼、そして達成感を得られるものです。その敷居を下げたGAMES2GETHERを、是非とも体験してみてください。