ゲーマー vs 花粉 / Apr. 3rd
Gamers Geographic 日本語版ライター陣が一週間にプレイしたゲームについて、飛散する花粉によるダメージを国内の林業へ向けることなく語るのが[Now Gaming] です。毎週土曜定期更新予定。ヒノキ文化は日本の宝です。
Nobuki Yasuda – 殺伐活劇
『朧村正』飽きました。
失敬。なんだかそろそろ『元禄怪奇譚』シリーズDLC 第3弾 がリリースされそうな予感がなんとなくしたからプレイしただけです。念押しですが、個人的な直感と期待でしかありません。なお、トレイラームービーの公開日は第1弾が昨年11月、第2弾が今年1月。
「あれだけ評判の良い DLC をプレイしていなかったのか」とお叱りをうけるところですが事情は至極単純。Wii 版をプレイ済みだったから Vita 版を買っていなかった、ただそれだけです。いくら”画面が綺麗”になったとはいえ、5年前にプレイし、しかもエンディングコンプリートした作品をいま一度買い直すだけの経済的余裕はありませんでした。
じゃあなぜ? というと、まず先ほどの第3弾 DLC 『七夜祟妖魔忍伝』の件がひとつ。もうひとつが、「持っていたことを忘れていた」です。いったいお前の頭の中では何が起こっているんだ? という方のために状況を整理・要約してお伝えします。
ある友人が PS3 をほしがっていました私は PS3 を2台持っていました彼は Vita TV を持っていました彼は Vita TV は不要と結論し一方の私はぜひとも欲しいと思いましたそこで PS3 と Vita TV の奇跡のトレードが成立しましたそしてその Vita TV には メディア版『朧村正』が入っていましたそして交換したはいいものの私は Vita TV をろくに起動していませんでした(フォーマットしただけ)。[説明終]
まあ、やりたいゲームがあったとしても 携帯機でやっていたので致し方ありません、と言い訳しておきましょう。
しかし、会話中なにかの流れで「そういえば『朧村正』のDLCやれよ」とうながされ、ふと気付き、Vita TV をテレビへつなぎ、無意味に配信・録画環境をととのえ、いざプレイ。いやあ楽しい。Wii でプレイしたときに持った良い印象は今回も変わりませんでした。ヴァニラウェアといえば直近『ドラゴンズクラウン』がありましたが、個人的には『朧村正』のほうが好みです。ちょっとあちらは画面が豪華すぎました。
さて、『元禄怪奇譚』の魅力は、本編と完全に独立した物語や、専用に書き起こされたグラフィックスだけではありません。むしろ本質はその絶妙な難度調整にあります。ようするに難しいのです。
そもそも本 DLC は本編をクリアしたプレイヤーへ向けた、いわばエンドコンテンツに属するもの。であれば高難度も至極当然ではあるのですが、(5年のブランクがあったとはいえ)それなりにプレイした私でもボス戦のたびにレベル上げとアイテム整理を要求されました。そのうえで、ボスの太刀筋を見切らねばなりません。ゴリ押し不能成分が本編より何倍も濃厚になっています。
『朧村正』のゲームシステム自体はそれほど複雑ではなく、タイトな入力を要求されたりもしません。しかし、多少大雑把な下地の上に構築されたシビアさというのは存外心地よく、2本連続で合計10時間ほどをほぼぶっ続けでプレイしてしまいました。課金商法と揶揄されがちな追加コンテンツ界隈ではありますが、『元禄怪奇譚』は文句なく500円の価値があると言い切れます。
さて、『七夜祟妖魔忍伝』に期待しつつ、お約束で締めたいと思います。「サントラはいつ出るの?」 (たぶん第4弾まで出てからですね)
Okunokami Kuheiji – まだやってます
『Diablo III: Reaper of Souls』を延々とプレイ中です。昼休みに Nephalem Rift を 2 周。家に帰ってからさらに 2 周~といった感じで、順調にプレイ時間を積みかさねています。UnFreeMan の Legendary ドロップ率が”Nerf”されているという噂を聞きつけ、確認のため共に Nephalem Rift へとおもむきましたが……これ以上は……私の口からは……たしかに ……たしかに、Nephalem Rift の Legendaryドロップ率は向上しています。すくなくとも私は。
実際のところ、ドロップのタイミングにかなりムラがあるのではないかと思っています。具体的にはここ数日まったく落ちないと思っていたらそのへんのただの箱から 2 個同時に Legendary が落ちる、Blood Shards のギャンブルで 同じ Legendary が 4 個も 5 個も連続で出てきて複雑な気分になるなどです。
ふと思いたって 全キャラのプレイ時間を合計してみたところ、560 時間でした。この 560 時間で何ができたかと考えましたが、別のゲームをやっていたとするのが妥当でしょう。来週になってもあいも変わらずも昼休みに Nephalem Rift を回っているはずです。目標の装備が手にはいるまで。もしくは Nephalem Rift が Nerf されるまで。
UnFreeMan – 賽の河原にて
延々と……それはもう、延々と『Diablo III: Reaper of Souls』をプレイしていた。通勤電車内での携帯ゲーム以外は、今週はほぼこのゲームだけに空き時間のすべてを注ぎ込んだと言っても過言ではない。間違いない。
それで、どのような成果――無論実生活ではなくゲーム的な意味で――を得られたかというと、これが、実に、全く、何の成果も得られなかったと言って良い。確かにパラゴンレベルは伸びたが……。
レベルは伸びたが装備更新という観点でいくと完全に停滞しており、とくにこの一週間は完全にドロップ運に見放され、本当に、全く、茶柱が立たなかった。そのくせ私のプレイに付き合った弊誌 Yasuda や Okunokami にはポロポロとレジェンダリが訪れるのである。みかねた Okunokami は私に拾ったレジェンダリをひとつ譲ってくれた。持つべきものは仲間である。
あまりにも装備更新ができないので気分転換に別キャラを育て始めた。 このまま Wizerd を触り続けても、おそらく賽の河原という単語ではもはや表現しきれない歯車的マインドを形成することになるだろう。ことによっては喜ばしくない悟りを開いてしまうかもしれない。さりとてこのゲームは続けたい。こういう時はプレイングを大きく変えるのが一番だ。願わくばまた「俺TUEEEEE」が出来る瞬間が訪れんことを。
FoL.ExE – ファウンデーションの後継者
Arcen Games新作『The Last Federation』(以降:TLF)が04/18にリリースされました。ちょうど同時期に宇宙進出した8国家の全面戦争を回避すべく、宇宙連合を設立し全国家を統一する宇宙ストラテジーです。
特徴は、滅亡した種族の最後の生き残りとなったプレイヤーが、AI国家同士のパワーバランスを調整すべく暗躍するという内容にあります。宇宙ゲームにあかるい方なら、Soldak EntertainmentからリリースされたアクションRPG『Drox Operative』が思い当たることでしょう。あちらはマウス操作のハクスラなのに対し、『TLF』は指示を与えてはじめて時間が動くため、より外交ストラテジーに純化しています。その恩恵は十分にあったようで、一筋縄ではいかない国家操作をゆっくり考えて楽しむことができます。
主役となるは当然プレイヤー… ではなく、個性豊かな異星人国家です。ユートピア思想のロボット国家、気分屋の女王が支配する昆虫国家、名誉を重んじる武将が率いた戦争国家。さらには、滅亡しそうになるとガス惑星を恒星化し星系ごと道連れにする科学国家や、衛星をぶつけて惑星を破壊する企業国家など。それら難癖ある国家との外交に頭を悩ませ、つい「「滅んでほしい」と心の底から願ってしまいます。もちろん、その願望を叶えるバイオテロやサボタージュなど各種妨害行為も行えますのでご安心ください。
Arcen Gamesは代表作『AI War』を始め、ユニークなストラテジーを作るスタジオとして知られています。今作は、公式フォーラムで開発者が「Arcen Gamesの集大成」とアピールするとおり、ユニークとされる過去作と比べても並べるものがない代物です。まだその全貌を把握できておりませんが、私は今後このゲームがArcen Games の代表作としてあげられることになると確信しています。
科学と外交、そして時には暴力を用い、無秩序という嵐に抵抗していく様は、アシモフ『ファウンデーション』をほうふつとさせます。しかし、この星系にいる8種族はすべて違う思考様式を持った異星人です。人間集団の行動を予測する〈心理歴史学〉は通用しません。この危機に、ファウンデーション設立者ハリ・セルダンならどう立ち向かったことでしょうか? その思いに馳せて胸が高鳴るハードSFファン、ストラテジーゲーマーの方におすすめしたいゲームです。