機械獣がかわいい『Generation Zero』。Nintendo Switch版も出る『Slay the Spire』は時間泥棒。プレイ中鳥肌立ちっぱなし『Return of the Obra Dinn』。今週のゲーミング
Now Gamingは毎週日曜日、各ライターがその週にプレイしたゲームについて、ゆるく書きちらすコーナーです。154回目です。
機械獣をペットにしたい
オープンワールドFPS『Generation Zero』のベータ版を少しプレイ。本編の序盤にあたる島に、何者かに襲われ迷い込んだ若者としてプレイします。住宅や車などから武器やアイテムを集めて装備を整えていく形で、ついさっきまで人がいた雰囲気ながら住民の気配はまったく無し。無造作に停められた車や炎上した戦車が謎を深め、この背景を探るのが目的のようです。
代わりに島を徘徊しているのは謎の機械獣。銃弾を十分に確保していれば戦ってもいいし、回避するのもあり。発煙筒で気を引くなどの戦略もあります。倒すと物資を入手でき、倒せなくても逃げ切れば経験値を獲得。キャラクターはスキルツリーにて強化可能です。ベータ版はプレイエリアが限定されながらもかなり広大で、マップを見ると全体ではさらに十数倍はある様子。そんな島で何度も機械獣に出会っていると次第に可愛く思えてくるのですが、意思疎通する術なく撃たれるのが悲しい。
by Taijiro Yamanaka
Down to the well
先日Steam版が配信された『ルフランの地下迷宮と魔女ノ旅団』をプレイ中。魔女ルフランが弟子のルカと共に井戸の下に広がる迷宮に挑みます。オールドスクールな3DダンジョンRPGに日本一ソフトウェアらしい味付けがふんだんにされた良作。配信直後は深刻な暗転バグがありましたが、アップデートにより十分に改善されたようです。
ダンジョンに潜り、街で装備を整え、さらにダンジョンの奥深くへ潜るというおなじみのループはやはり楽しいものでありますが、本作の場合、街に帰ってくるたび繰り広げられるストーリーがほんとうに良くてそれ目当てでダンジョンに潜っています。ストーリー展開はエログロで無慈悲で容赦なく、されどテキストは軽妙で伏線もたっぷり、キャラもちゃんとかわいい(ゲロとか吐くけど)などなど、日本一ソフトウェア特有の毒とエグみに満ちたとっても魅力的なお話です。さすがに『魔界戦記ディスガイア』ほどではないですが、さまざまなレア度とランダム二つ名を持つ装備を集め、合成で強化していくやり込み要素もちゃんとあります。ハクスラ感が高くて好感触。レジェンダリー装備の文字色もちゃんとオレンジ。うーん、わかってる。
by Takumi Kuriki
ゾクッとする演出に震える
今週も『Kenshi』……の傍らで『Stories Untold』をプレイしていました。今時珍しいコマンド入力式のテキストアドベンチャーゲームです。画面に映し出されるのは、一台の古いコンピューターとブラウン管テレビ。プレイヤーはそのテレビの中でゲーム内ゲームであるテキストアドベンチャーゲームをプレイすることになるのですが、予想外の演出に痺れました。ネタバレになるため詳しく書けないのが残念です……。
本作のすばらしいところは、テキストアドベンチャーゲーム本体にも工夫が凝らされている点でしょうか。画面が「状況説明」、「コマンドに対する反応」、「コマンド入力欄」の3つに分割されているのですが、これは良い仕組みだなと。一般的に同ジャンルのゲームではこれら全てが一つにまとまっており、コマンド入力の度にテキストがどんどん流れていってしまうのですよね。本作の場合、画面分割という手段でスクロールを抑止しているため、例えば部屋に何があったか再確認するためのコマンド入力が不要となる訳です。こういった細かい配慮も高評価に繋がっているのではと思いました。引き続き不可思議な物語を追いかけて、結末を見届けたいところです。
by Kouzou Suzuki
時間泥棒
Nintendo Switch版発売も決定したデッキ構築ローグライクRPG『Slay the Spire』をプレイしてみました。軽く遊ぶつもりが、気がつけば既にプレイ時間50時間越え……とんでもない沼でした。1プレイが30~40分で、プレイするたびに違う展開が待っていてワクワクします。そのおかげでゲームオーバーになっても「ええい、もう一回」を何度してしまった事か。ボードゲームの『ドミニオン』や、TCGの『マジック:ザ・ギャザリング』が好きな人ならば絶対にハマります。『トルネコの大冒険』が好きな人にもオススメ。
筆者は「灼熱の一撃」や「ランページ」「遺伝的アルゴリズム」など成長系カードが好きです。先日ついに実績「やった! ドーナツ!」を取得して「捕食」マストピックの呪縛から解放されました。このゲームは本当にさまざまなカードやデッキタイプがあるので、プレイスタイルはプレイヤーの数だけあると言っても過言ではありません。是非このゲームをプレイして、あなただけのデッキを作ってください。
by Naoya Ito
寒さの影響は否定しない
ついに出ました。『Papers, Please』を手がけたLucas Popeさんの新作『Return of the Obra Dinn』。60名の船員と積荷を載せたまま失踪した船の過去を、時をさかのぼり探っていく一人称のアドベンチャーゲームです。日本語にも対応。ただ過去の船を探索するのではなく、60名それぞれの名前と行方、そして死因などを記入していく、推理ものとなっております。しかしこのゲーム、難易度がなかなか高い。プレイヤーが過去を覗けるのは、あくまでそれぞれの船員が死んでしまった時の状況を再現する静止した1シーン。極めて断片的なセリフと状況となっており、彼らの服装や位置関係、そして言語などから推測していなければなりません。1シーンからあらゆる情報を読み取る必要があり、とんでもない集中力が必要なのです。
集中力がいるだけに、没入感も極めて高いです。序盤は謎が謎を呼ぶ展開に、画面に釘付け。船員の正体が少しずつわかってくると、重厚な物語の伏線や真相に興奮。プレイ中ずっと鳥肌が立ちっぱなしです。ゾクゾク感が続きます。まあ鳥肌が立っているのは、この休日ずっと半袖で過ごしている影響もあるかもしれませんが、とにかく『Return of the Obra Dinn』はアドベンチャーゲーム好きにとってたまらない一品となっております。これを基本的にひとりで作ったLucas Popeさん、やはり只者ではない。
by Minoru Umise