『スプラトゥーン2』に寂しさは似合わない。アプデ後の『No Man’s Sky』は楽しいけれど……。『Escape Goat 2』で頭を使う。今週のゲーミング
Now Gamingは毎週日曜日、各ライターがその週にプレイしたゲームについて、ゆるく書きちらすコーナーです。142回目です。暑い日が続きます。水分補給を忘れずに。
ワンコインでお手軽ドッグファイト
今週はフライトアクションゲーム『Vertical Strike Endless Challenge』のNintendo Switch版を少しプレイ。敵戦闘機を延々と撃ち落とす対空モードと、敵艦隊を沈めていく対艦モードのみとシンプルな作品。マップは殺風景で、498円という価格もあって過度な期待はしていなかったのですが、戦闘機の操作周りは本格的です。5ウェーブごとに敵エースが現れ、撃墜すればミサイルが補充される仕組み。無駄撃ちすると後で困るため、しっかりケツにつけてから撃ちたいところですが、敵機の動きもなかなか良く楽しい。
用途・性能の異なるミサイルがいくつか用意されており、ちょっとしたカスタマイズ要素もあります。価格なりに割り切った仕様ながら、焦点を絞ったこだわりを持つあたり実にインディーゲームらしい。アーケードライクにドッグファイトを楽しむだけなら「もう、これでいいや」と思える良い作品です。
by Taijiro Yamanaka
頭を使う方のヤギゲー
今週は『Escape Goat 2』をプレイしていました。紫色の毛を持ち、出来ることはジャンプと頭突きぐらいという至極普通なヤギが主人公のアクションパズルゲームです。舌を伸ばしてオブジェクトを引っ張る……なんて特殊な能力は使えません。ただのヤギなので。では、どうやって仕掛けで満載のステージをクリアしていくのかと言えば、途中で相棒となるネズミが大活躍してくれます。そう。このゲームはヤギゲーではなくネズミゲーなのです……。
通常はちょこまかと歩いて敵の注意をひいたり、スイッチを踏むくらいしか能がないネズミですが、ステージ内に置かれたアイテムを取ることで強力な力を行使することができるようになります。分身したり、ハンマーでブロックを叩き壊したり、あるいはその身を巨大なブロックへと変えて敵を倒したりと、主人公であるはずのヤギを遥かに超える異能ぶり。もはやどちらが主人公かも分かりません。そんな訳で、二人三脚というよりはネズミ様に助けて頂きながら、エンディング目指して地道に進めているのでありました。
by Kouzou Suzuki
祝!『スプラトゥーン2』1周年。祭りのあとは寂しい?
『スプラトゥーン2』が1周年を迎えた。イカvsタコのフェスに、私はイカで参戦。無事“えいえんのイカボーイ”となることが出来た。『スプラトゥーン2』は先日、2018年12月までとなるアップデート期間の延長を発表した。その時私が感じたのは、奇妙なことに一抹の“寂しさ”だった。もしかしたら、この最高に楽しいゲームのアップデートが、12月に終わってしまうのではないか?――という寂寥とした思いが脳裡をよぎったのだ。もちろんこれは終了の告知ではなく、延長の告知なので本来は喜ぶべきことなのだ。前作も度々アップデート期間を延長しているので、12月になればまた延長されるのかもしれない。しかし12月を思うとき、私の胸には寂しさが募るばかりだ。
近年“サービスとしてのゲーム”や“プラットフォームとしてのゲーム”というビジネスモデルが拡大しゲームの寿命が延びている。そんな中、いまも多くのプレイヤーを抱える『スプラトゥーン2』が、わざわざアップデート期間を告知すること自体に、違和感を覚えてしまう。来年に『スプラトゥーン3』が予定されているわけでもないのだから、アップデート期間の告知など、必要ないのではないだろうか。祭りのあとの寂しさなど『スプラトゥーン2』には似合わないと思うのだ。
by Masahiro Yonehara
2年前のあの夏の日のこと
『No Man’s Sky(ノーマンズスカイ)』のどデカイアップデートがきましたので、遊び直しています。アップデートが来るたびプレイはしていたのですが、今回ばかりは始めからやり直すことを選択しました。これは確かに別ゲーです。というのも、チュートリアル自体が丸々変化しています。初期のチュートリアルは跡形もない。スポーンした惑星が過酷だとやり直し必須であったり、不親切な導入は相変わらず継承されていますが、ちゃんと迷わないように導いてくれるガイドになっております。
リリース初期はひたすらアイテムの保持スロットの拡張のためだけに、宇宙を飛び回っていたわけですが、不便だったアイテムスロットも初期スロット数が拡大されており、バランスなども大きく手が入れられております。アップデートを重ねるごとにUIがごちゃごちゃしてきて、建築する時はストレスが先行したりなど、すべてが完全に良い方向に進んでいるわけではないですが、奥深さも遊びやすさも上がっており、独り立ちしたイメージです。少人数チームで、生き物から地形から気候からすべて自動生成された宇宙を飛び回るという野心的なゲームコンセプトは他のインディー作品にはないものです。
そうすると疑問が湧いてきます。なぜ2016年夏に焦ってゲームを出したのでしょうか。明らかに未完成だった時のものと今の成熟した『ノーマンズスカイ』を比較すると、喜びと惜しさが入り交じります。今このタイミングで発売されていれば、もっと高い評価が集まったと思います。わかってはいるのです。今いうことには意味がないと。あの経験があったからこそ、今の『ノーマンズスカイ』があるというのはわかってはいるのですが。大人の事情が絡んでいるのも、過去の“たられば”を言うのは無粋だともわかってはいるのですが、とにかく惜しい。とりあえず今は、いちプレイヤーとして宇宙の冒険を堪能することにします。
by Minoru Umise