60秒で世界がリセット『Minit』をプレイ。4月のPS Plusフリープレイ『HEAVY RAIN -心の軋むとき-』。モーションコミック・アドベンチャー『Metropolis: Lux Obscura』。今週のゲーミング
Now Gamingは毎週日曜日、各ライターがその週にプレイしたゲームについて、ゆるく書きちらすコーナーです。126回目です。プレイヤーと運営者の頭を悩ませるチートについて興味のある方はこちらをどうぞ。
※NSFW
今週は『Metropolis: Lux Obscura』のニンテンドースイッチ版をプレイ。ムショ帰りの男が裏社会に生きる様をモーションコミックで描くアドベンチャーゲームです。ゴロツキなどとのケンカの際はマッチ3パズルに移行するのが特徴で、その戦略やアップグレード要素など意外に奥深い。価格なりの短い作品ですが、モノトーンを基調としたアメコミのダークな雰囲気や、プレイヤーの選択によって異なる結末を迎える物語も良い。
本作では裏社会に翻弄される女性が多く登場し、流れで露骨にエロティックな展開になることも(上の画像は自主規制済)。それで海外では、Xbox Oneでゲーム画面を録画したらBANされた人がいたとか。Xbox Liveのソーシャル機能に自動アップされる設定が原因だったようです。結果的に処分は取り消されたそうですが、どういうレーティングのゲームをプレイしているのかは、時に意識しないとですね。
by Taijiro Yamanaka
同じ1分間を何度でも
今週は1-bitアドベンチャー『Minit』をプレイ。60秒で世界がリセットされるループ物です。最短ルートはどれなのか、どの順番でタスクをこなせば効率良く進められるのか。普通に遊んでいるだけなのに、自然とスピードランをしているような思考になります。2周目の「ニューゲーム+」では1日の生存時間が60秒から40秒に減るだけでなく、1度でもダメージを受けるとリセット。1周目で学んだことをフルに活かし、1秒も無駄にせず迅速にパズルを解いていくことになります。
1日1分でループするという大胆なアイデアを成立させているのは素直に凄いです。ちなみに1プレイの短さから、30秒で魔王を倒す『勇者30』というゲームが脳裏をよぎった方もいるのではないでしょうか。明確な違いとして『Minit』はステージクリア制ではなく、同じ世界の同じ60秒間を何十回、何百回と繰り返しながら少しずつ攻略していくゲームとなっております。
by Ryuki Ishii
気分が重いのは雨のせいではない
世の中の大半の親たちにとって、子供を喪う以上の絶望はないだろうと思っている。『HEAVY RAIN -心の軋むとき-』のPS3版が世に出た頃、私は本作に登場するのとちょうど同じぐらいの年齢の二人兄弟の子育ての最中だった。不幸な事故から家族がばらばらになり、連続殺人鬼に子供が誘拐される本作の物語は、当時の私にはかなりつらい体験だったことを憶えている。
今回PS4版がPS Plusの4月のフリープレイとなっているのを機会に、未プレイだったリマスター版をプレイしてみた。PS4版でも相変わらず、子育ては上達しない。主人公の子供は悩みがあるのか沈んでいるが、理由は話してくれない。父親は学校のことや友達のことなど気になるものの、どう訊ねてよいか適切な言葉がみつからない。しかし、公園でシーソーで遊ぶと子供が笑ってくれる。父親は、そんなことに幸福を感じ安堵する。Quantic Dreamが描く人間関係はリアルだ。登場人物たちは連続殺人鬼から子供の生命を守るため様々な決断を迫られるが、取り返しがつかないことも多い。多くの場合、結末は残酷だ。
本作はいわゆるポイント&クリック式のアドベンチャーを、巧みに現代風のゲームに仕上げている。物語主導のゲームが大作から姿を消しつつある昨今、本作ほどリッチなグラフィックで描かれたアドベンチャーゲームは、それだけで貴重だ。『Detroit: Become Human』のまえに、未体験の方は是非フリープレイを試していただきたい。
by Masahiro Yonehara