2010年発売の『Skate 3』、人気YouTuberがプレイして英国トップチャートに返り咲き

2010年5月にリリースされた『Skate 3』は発売からすでに4年以上が経過しているが、海外で人気のYouTuber「PewDiePie」がプレイしたところ、英国市場の売上トップチャートに返り咲くという興味深い現象が発生した。

『Skate 3』は今は亡きEA Black Boxスタジオによって開発された作品で、仮想の街Port Crvertonを自由にスケートボードで走りまわれるスポーツゲームだ。ビルの屋上から飛びおりるようなエクストリームプレイや、物理エンジンとラグドールによるふざけた挙動、突飛なカスタムマップの作成などが魅力となっており、国内でもニコニコ動画などに多数のプレイ映像が投稿されている。

MCVの報道によれば、そんな同作が2014年から英国市場のトップチャート40位以内に入りこむ状況がつづいている。そして今週のチャートでは、トップ20位にランクインした。MCVが流通データから調査したところ、同作のPS3版とXbox 360版の上半期売上は昨年比で32.9パーセント増加している。

4年前のゲームが再びトップチャートに返り咲くのは異常事態だが、その理由として考えられているのが海外のYouTuber「PewDiePie」だ。スウェーデン人のPewDiePieは今もっともゲーム実況系で人気のあるYouTuberの一人で、YouTubeチャンネルには3000万人以上の購読者が存在する。若干24歳ながら、2013年には400万ドル(約4億円)を稼いだことを本人が明らかにしていた。そんな彼が2014年1月から『Skate 3』の実況プレイ動画を8回にわたり投稿しており、これがきっかけとなり人気が再燃したとみられている。PewDiePieの投稿している『Skate 3』シリーズは各エピソードが800万回前後の視聴回数を記録しており、パート1は1250万回以上も視聴されている。

 

 

弊誌で以前ニコニコ動画の実況により売上が突如伸びた例を過去にお伝えした。今回の一件も同様で、YouTuberなどの人気実況者の影響力がどれほど大きいのかあらためて認識できる。4歳となった『Skate 3』の意外な再ブレイクにより、パブリッシャーのElectronic Artsは同作の増産を決定している。

Shuji Ishimoto
Shuji Ishimoto

初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。

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