海外の格闘ゲーム最新作、有料キャラクターDLCを購入していなくても”お試しプレイ”が可能に

米国のゲーム開発スタジオNetherRealm Studiosは、格闘ゲームシリーズ最新作『Mortal Kombat X』にて、キャラクターDLCを所持していなくとも、そのキャラクターを特定モードにてプレイできることを明らかにした。対応するのは、前作『Mortal Kombat(2011)』から続いて登場する「Tower Challenge」モードだ。プレイヤーは一切お金を支払うことなく、各キャラクターの挙動を試すことが可能となる。

 


『Mortal Kombat(2011)』の「Challenge Tower」モード
『Mortal Kombat(2011)』の「Challenge Tower」モード

今回の情報は、海外でゲームレビュー映像を中心に活動しているAngryJoeこと、Joe Vargas氏の取材により明らかとなった。本作のディレクターであり、シリーズを支え続けてきた男Ed Boon氏は、「Tower Challenge」モードに追加された新たなセクション"Living Towers"について紹介している。

前作から引き続き登場する「Tower Challenge」は、各階で特殊な条件下でCPUと対戦したりミニゲームをプレイし、塔の頂上を目指してゆくモードだ。本作では、"Living Tower"と呼ばれるセクションに、3種類のタワーが存在している。1つのタワーは1時間ごとに、もう1つのタワーは1日ごとにチャレンジ内容が変化する。さらに最後の1つである"Premire Tower"は、イベント形式で変化するタワーになるという。

さらにBoon氏は、「例えば、DLCキャラクターのJason Voorheesがやって来たら、JasonとしてプレイするJasonのタワーを所有することになる」と解説し、DLCを購入しなくとも「Tower Challenge」でプレイヤーに触れられることを明らかにしている。「もしJasonを購入していなくとも、タワーを利用することができるんだ。本当にクールだよ、プレイヤーにどんなキャラクターでどんなプレイ感覚なのかを与えることができる」。

 


See also: Turtle Rock新作『Evolve』のDLC展開に批判の声 キャラ8体を個別販売開発費が高騰している大作ゲームにおいて、有料のダウンロードコンテンツやサービスを展開することは、もはや当たり前となりつつある。一方で、ただ単にゲームコンテンツの一部を有料にし、ゲームプレイの幅を狭めたり、本来のデザインを汚してしまう開発スタジオが少なくない。特に対戦要素のあるゲームでは、フェアな対戦を不可能にする場合があり、安易な舵取りが命取りになることもある。先日リリースされた4v1の対戦シューター『Evolve』では、操作キャラクターである6人のハンターと2体のモンスターがDLC展開されており、発売初日から展開された大量のスキンDLCなどと共に、大きな批判を浴びた。逆に今回伝えられた『Mortal Kombat X』の仕様や、週間でキャラクターを無料で解放する『League of Legends』などは、購入せずともキャラクターの性能を試すことができる。開発費を回収しつつも、出来る限りフェアな対戦を実現しようとする手法の1つと言えるだろう。

2015年4月から各機種で順次リリース予定の『Mortal Kombat X』は、北米で根強い人気を持つ残虐格闘ゲーム『Mortal Kombat』シリーズの最新作だ。倒した敵にトドメを刺す「フェイタリティ」に加え、回線落ちの敵を爆破する「クイタリティ」など、昨今のゲーム事情にのっとったフィーチャーが追加されている。

 

Shuji Ishimoto
Shuji Ishimoto

初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。

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