『ファイアーエムブレム』最新作では“同性婚”に対応、主人公キャラクターが同じ性のキャラと結婚可能に
【UPDATE 2015/6/25 13:30】 AUTOMATON編集部では国内の任天堂本社より公式声明を受け取っている。以下、その全文となる。
国内で明日発売を迎えるシリーズ最新作『ファイアーエムブレムif』は、主人公キャラクターが同性のキャラクターと結婚できるという。Nintendo of Americaは海外メディアPolygonに対して明らかにした。海外メディアIGNなども同様の声明を受け取っている。
『ファイアーエムブレム』で同性婚が可能に
『ファイアーエムブレムif』は、インテリジェントシステムズが開発する人気シミュレーションRPGの最新作だ。白夜王国の王族として生まれ、暗夜王国にて育ってきた主人公が2つの国の戦いに巻き込まれる物語を描く。本作では「白夜王国版」と「暗夜王国版」の2種類のバージョンが発売されており、購入するバージョンによってプレイヤーが加入する勢力、ストーリーやミッション内容などが変化する。
Nintendo of Americaのスタッフによれば、白夜王国(Birthright)版では一人の女性キャラクターと同性婚することができ、暗夜王国(Conquest)版では一人の男性キャラクターと同性婚することができるという。どちらのバージョンも主人公キャラクターの性別は関係なく、男性同士であろうとも女性同士であろうとも結婚可能となる。また、後日DLCとしてリリースされる予定の「第3のシナリオ」を入手すれば、両バージョンの2人のキャラクターとも結婚ができるようになる。
任天堂と同性婚
任天堂と同性婚の因縁は、2012年に発売された前作『ファイアーエムブレム覚醒』から続くものだ。『覚醒』にも結婚システムは存在したものの、その対象は“異性の相手”に限定されており、同性愛をテーマとしたニュースサイト「Queerty」が同性婚も認めるべきだとの批判記事を掲載していた。また2014年には、『トモダチコレクション』にて同性婚ができないことをアメリカ在住の男性が批判し、Webページ上でキャンペーンすることもあった。特にPolygonやKotakuなど一部の海外ゲームメディアは性差別に対して敏感であり、多様な表現をする作品を好意的に取り扱う傾向がある。
ゲームに必ず同性婚を盛り込むべきかどうかはさておき、特にRPGでは同性婚に対応することも珍しくはない時代だ。海外のスタジオBioWareが手がける『Mass Effect』や『Dragon Age』シリーズでは同性とのラブロマンスが搭載されている。とはいえ、任天堂のような大手企業が手がける大作RPGが同性婚に対応するのは、恐らく国内では前例が無いといえるだろう(MMOであれば『ファイナルファンタジー14』では同性キャラクター同士がパートナーになれる「エターナルバンド」が存在する)。ゲーム以外に目を向けると、国内では2015年に、東京都渋谷区にて同性婚における両社をパートナーとして証明する条例が成立している。
Nintendo of Americaの代表者は、「我々はゲーム体験が社会全体の多様性を反映すべきだと信じています。同時に、シナリオやゲームプレイの性質など、我々は常に様々な要素を検討しながら各タイトルをデザインしています」と伝えいてる。「そして最後にもちろん、ゲームは楽しくプレイできるべきです。『ファイアーエムブレムif』は実に楽しくプレイできるゲームだと感じていますし、ファンが本作を気に入ってくれるよう望んでいます」と締めくくった。
【UPDATE 2015/6/24 15:10】: 同性婚コンテンツを盛り込んだ国内のゲーム事情、および同性婚に関するキャラクターの紹介について、本文を一部修正しました。