SFストラテジー最新作『XCOM 2』が正式発表、地形の自動生成はプレイ要素の拡張をもたらすか?


2K GamesとFiraxis Gamesは、SFストラテジーシリーズ最新作『XCOM 2』を正式発表した。リリースは2015年11月を予定、対応プラットフォームは現時点ではPCのみとされている。海外メディアIGNが独占報道したのち、2K Gamesが国内外でトレイラーやプレスリリースを配信した。

エイリアンが支配した地球を奪い返す

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ゲリラ活動でエリアン政権の地球を”侵略”するXCOM部隊

『XCOM』シリーズは1993年からPCを中心にリリースされてきた、エイリアンたちの侵略を阻止するターンベースストラテジーゲームだ。地球に密かに侵略しつつある地球外生命体と、それに対抗する人類の特殊部隊「XCOM」の戦いを描く。プレイヤーは基地を建設し、UFOを撃墜して宇宙人たちと戦闘、彼らのテクノロジーや物資を奪い、装備を強化してゆく。初期シリーズ作品の頃はマゾヒスティックと呼ばれていたほどの高い難易度、チャレンジングなゲームプレイ体験が硬派なプレイヤーたちを魅了してきた。

『XCOM 2』は、2012年に発売され高評価を獲得した『XCOM: Enemy Unknown』の続編にあたる。開発は『Civilization』シリーズで知られるFiraxisが引き続き担当。Feral InteractiveがMac版とLinux版の移植開発を担当する。”現時点では”PC向けに開発されているとの文言があり、今月開催されるE3 2015にてPlayStationやXbox、あるいはモバイル向けのリリースが発表される可能性も十分にありそうだ。

前作はマルチエンディングが採用されていたが、今作では20年後の地球が舞台であり、エイリアンたちが侵略に成功し人類を支配している。特殊部隊「XCOM」が防衛線を張ってエイリアンの侵略を防ぐのではなく、今作ではエイリアンの防衛線を特殊部隊「XCOM」がゲリラ活動で突破する構図となる。XCOM側の基地は新たに飛行空母「Avenger」へと変更。またエイリアンの傀儡政府である「ADVENT」も登場するが、これは先日から2K Gamesがティーザーイメージと共に公開していたキーワードと同じだ。

続編に求められるものは

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自動生成のマップでより緊張の糸が張り詰めるのか

前作『XCOM: Enemy Unknown』は、旧来の『XCOM』シリーズのリブートを見事成功させたタイトルだ。過去シリーズ作の難解な要素を上手くほぐし、現代のプレイヤーでも楽しめるようにしつつも、ピンと緊張の糸が常に張るような難易度に仕上げられている。マウス&キーボードでの操作が最適化されていない点や、カメラ視点が不安定な点など細かな不満もあったが、『XCOM 2』に求められるのはそういった部分の修正ではなく(もちろん修正はされるべきだが)、完璧に仕上げられた『XCOM: Enemy Unknown』と拡張版『Within』のゲームプレイをどのような新規要素で拡張するかだろう。焼き直しでは、『XCOM』の地獄のゲームプレイをふたたび突破しようとする司令官は少ないはずだ。そういう点では、ゲリラ戦法で戦う特殊部隊「XCOM」や、飛行空母「Avenger」といった設定が、ゲームプレイにそれほど大きな影響を与えるのかには疑問が残る。基地建設画面の見た目が変わったり、ミッション内容が多少変わる程度では、前作をクリアした司令官たちは納得しないだろう。

一方で、新たに盛り込まれるテクノロジーによって新自動生成されるマップは、『XCOM 2』に新たなゲームプレイをもたらすかもしれない。『XCOM: Enemy Unknown』ではマップのレイアウトが固定化されていたため、後半にもなると敵が湧くポイントや抑えておくべき拠点などを覚えてしまい、強化されすぎた隊員たちがお決まりの場所から簡単に敵を迎撃する姿がしばしば見られた。ランダム化されたマップでは周囲に未知のエリアが広がるため、常に高低差や侵入ルートなどに気を配らなければならないだろう。

このほか公式のModツールとSteam Workshopへの統合、ステルス的な戦略プレイ(といっても現時点ではカバーポジションと死体からのアイテム回収のみが紹介されている)、新たな敵や能力「Momentum」、前作から引き続き1v1のマルチプレイヤーの搭載が明らかにされている。