マイクロソフトは10月26日、アメリカ・ニューヨークでプレスイベントを開催し、Windows 10の次期大型アップデート「Windows 10 Creators Update」(以下、Creators Update)を発表した。2017年春に、PCはもちろんXbox OneやWindows 10 Mobileスマートフォンを含むすべてのWindows 10デバイスに無料提供される。その他に新型Surfaceなども発表されたが、ここではゲームに関連するトピックを取り上げよう。
Beam対応で簡単にライブ配信
今年8月にマイクロソフトはライブ配信プラットフォームBeamを買収したが、Creators UpdateによりWindows 10 PCおよびXbox OneはBeamでのライブ配信に標準対応する。その操作は非常に簡単で、Windows 10 PCではゲームバー(Windowsキー + G)から数クリックで即座に配信を開始できる。Beamで配信中のゲームはXboxアプリおよびXbox Oneダッシュボードのトレンドページに表示されるため、ユーザーはそこから直接配信を視聴しにいくこともできる。
Beamは、視聴者に配信中のゲームに参加してもらうことが可能なインタラクティブ機能が特徴だ。配信画面の下に設定するボタンを使用して、ちょっとしたコミュニケーションから、対応ゲームでは視聴者に直接参加してもらうこともできる。また配信映像やチャットの表示遅延が少ないことも、配信者と視聴者のリアルタイムのコミュニケーションを重視する同サービスならではだ。
なおBeamのCEO Matt Salsamendi氏によると、Beamアプリが12月に配信されるという。おそらくXbox One向けのアプリで、Beamでのライブ配信が12月からXbox One本体で視聴可能になるという意味だと思われる。
トーナメント作成機能に正式対応
現在プレビュー版として一部ユーザーに提供しているArena機能が、Creators UpdateによりWindows 10 PCおよびXbox Oneで本格稼働する。ArenaはXbox Live上で開催されるゲームのトーナメントやチャレンジにユーザーが参加できる機能で、ESLなどのe-Sports団体と提携したトーナメントが予定されている。
また、ユーザー自らがトーナメントを作成して公開することもできるようになる。どのようなトーナメント形式にするかやフレンドの招待、トーナメントの管理などの操作は、Windows 10 PCであれXbox Oneであれ非常に簡単なものになるという。
Xbox OneがDolby Atmosに対応
Xbox OneではBlu-rayディスク再生時の、Bitstreamパススルーを利用したDolby Atmos対応も実装予定だ。Dolby Atmosはオブジェクトベースのサラウンドフォーマットを採用しており、制作側が指定した音の三次元位置情報をもとにアンプ側でそれぞれの再生環境に合わせたレンダリングがおこなわれて出力される。
マイクロソフトのMike Ybarra氏によると、この機能はXbox One S本体だけではなくすべてのXbox One本体に提供されるという。またコンテンツ側が対応していれば、それが映像であれゲームであれDolby Atmosで出力可能とのことだ。
PCメーカー各社が対応VRヘッドセットを発売
Creators Updateに合わせて、HP・Dell・Lenovo・ASUS・Acerといったメーカーが対応VRヘッドセットを来年発売する。マイクロソフトはMR(Mixed Reality/複合現実)デバイスHoloLensを開発しているが、上記のメーカーから発売されるVRヘッドセットはMRにも対応可能だそうだ。またユーザーの前後・上下・左右の動きをインサイドアウト方式でヘッドセット単体で検出するため、使用するにあたり複雑な準備は必要ない。
これらのVRヘッドセットの価格は299ドルからとされており、比較的低価格で導入可能だ。今のところゲーム用途としての具体的な言及はないが、そのスペックやXbox One/Project Scorpioへの対応など続報に期待したい。