映画「ニューヨーク1997」の監督、似た設定を持つ『メタルギア』の小島監督を訴えなかった理由語る。「彼はいいやつだったから」
コナミの『メタルギア』シリーズでは様々な作品の面影を見ることができるが、とりわけ映画「ニューヨーク1997」から強い影響を受けていることで知られている。「ニューヨーク1997」に登場する主人公「スネーク・プリスキン」の名前や、主人公が単独潜入でテロリストたちと戦う設定、そして主人公の体内に時限爆弾が仕掛けられているサプライズなど、見れば見るほどインスピレーションを受けたと思わしき部分は多い。
この映画「ニューヨーク1997」にてメガホンを取ったジョン・カーペンター監督は、リュック・ベッソン監督が脚本を担当した映画「ロックアウト」に対し、「ニューヨーク1997」と酷似していると訴訟を起こし勝訴したばかりだ。「ロックアウト」は時代設定こそ2079年の近未来だが、刑務所の囚人たちが要人(大統領の娘)を人質に取る設定や、政府の監視下に置かれていた凄腕の元英雄(元CIA局員)が主役であるなど、様々な点で似ている。裁判の結果、「ニューヨーク1997」の権利を持つCanalPlus社には8万ユーロ(約1000万円)、そこからカーペンター監督には2万ユーロ(約260万円)が支払われる。
そしてこのCanalPlus社が、実は『METAL GEAR SOLID』も訴訟するつもりだったとカーペンター監督は映画業界メディアHollywod Reporterの取材のなかで語っている。なぜ訴えられなかったのかといえば、カーペンター監督は彼らがいいやつだったからと簡潔に返答している。
もちろんそれ以外の要因もあったことは想像に難くないが、あの『メタルギア』が訴えられる可能性もあったというのは興味深い話だ。もし訴訟されていた場合、現在まで続く『メタルギア』シリーズに大きな影響を与えていたのは間違いないだろう。『メタルギア』が様々な作品から影響を受けているという逸話はほかにもいくつかあり、パッケージが映画「ターミネーター」のカイル・リースの立ち姿に似ている点や、初期のビッグボスがショーン・コネリーそのままの顔であることなどが指摘されている。