親友改造ゲーム『がんばれ相棒』無料公開され、“悲鳴”続出するブーム到来。戦場を行き来して傷つく友に「改造」を重ねる罪悪感
無料ブラウザゲーム『がんばれ相棒』が4月22日に公開され、さっそくSNS上で話題となっている。ジレンマに苛まれることから、プレイヤーからは悲鳴も多く上がっている。

無料ブラウザゲーム『がんばれ相棒』が4月22日に公開され、さっそくSNS上で話題となっている。親友に兵器としての身体改造手術を施したり、出撃させたりを繰り返す残酷な設定が特徴のゲームで、ジレンマに苛まれることからプレイヤーからは悲鳴も上がっているのだ。
『がんばれ相棒』は、改造と出撃を繰り返す戦闘シミュレーションゲームだ。4月22日、unityroomにて無料公開された。舞台となるのは、人工知能が搭載された無人の機兵たちが人々を襲う世界。プレイヤーは女性科学技術者として、親友の少女アリサを戦場に送り出さねばならない。出撃すると戦闘は自動で行われリザルトメッセージのみが流れる仕組みだ。アリサはその被弾率に応じた確率で、ダメージを受けて帰ってくることもある。プレイヤーは帰投時にアリサが持ち帰る報酬金を用いてアリサを手術し、強化を重ねたり被弾部位の修復を行ったりすることとなる。

一度の出撃で得られる基本報酬は少なく、リスクの高いマップへ進むことで特別報酬を得られたりもするが、なかなか満足に強化を行うことはできない。ましてや、危険度の高い場所へ赴けば、必然的に大きな損傷を受けるおそれが高まる。そのため、修復と強化を兼ねるようなタイミングで該当の部位だけを改造するなどの工夫をするものの、アリサの被弾を完全になくすことは非常に難しいだろう。
また、改造を短いスパンで繰り返すとストレス値の方が上がっていくこともあり、プレイヤーは複数のジレンマによって板挟みとなる設計となっている:
・不本意ながら家族思いの親友を戦場に送り出さなければならない
・安全度を高めるため改造を施すにはお金が要るので出撃してもらうしかない
・被弾を減らすためには改造を繰り返し、どんどん人間の姿からかけ離れた異形に作り変えなければならない
・手術をすることで多少被弾率は減らせても、別のストレスをかける結果になる
なんとかクリアできても、アリサは手足などを一部失っている状態になることもあり、戦争は終結したかもしれないが多くのものを失ったという悲しみが残ったりする。仮に全マップでノーダメージのクリアができればハッピーエンドと言えるかもしれないが、可能性はきわめて低確率とみられる。

本作を手がけるのは、嗚呼タマ氏、Indigo Ingots氏、あきひら氏、みをつくし氏によるチーム。ゲームジャムイベント「unity1week」向けに開発された作品だ。unity1weekとは、1週間の開発期間でUnityを用い、特定のテーマに沿ってゲームを作成し投稿する、不定期に開催されているものだ。今回は4月14~20日を開発期間とし、テーマを「あい」として開催されている。
現在は、本テーマに向けて投稿された作品の評価期間にあたり、SNSでもゲームの感想やレビューが共有されているタイミングだ。本作についてはインフルエンサーのロッズ氏が紹介したポストなども大きな話題を呼んでおり、SNS上でブームとなっている様子。ユーザーからは「なぜこんな酷いことをさせるんですか?」「無傷のときの“安心してくれるかな”というメッセージが心に来る」「生き延びたのですべてが報われた気がしたけど、手足はなくなった」といった悲痛な感想が、過酷さを物語る戦績を画像とともに多数報告されている。とはいえ少ない報酬金の中で手術をやりくりする部分のシミュレーションとしての面白さも評価されており、それに加えて心を抉るようなダークな設定、それでいて可愛らしいピクセルアートなどのギャップを含め総合的に好評のようだ。

また、本作は改造と出撃の短いループを幾度か繰り返すことで、短時間で1周クリアすることができる。そのため、「親友に怪我をさせたり、改造したりするのは心苦しい……」と思いながらも、1周あたりの獲得報酬金額ランキングでの上位を目指してみたり、エンドレスモードでの最大身体改造を試してみたりと、周回プレイをしてしまうプレイヤーも続出している様子。アリサには菜月なこ氏によるボイスがついていることもあり、出撃のたびに声で語りかけてくる相棒にはますます心が抉られる。辛いと思いつつも、次の出撃から帰ってきたらどんなセリフが流れるか気になることもついつい本作を続けてしまう所以かもしれない。
『がんばれ相棒』は、PC(Webブラウザ)向けに無料にて配信中。