次なるヴァーチャル・リアリティは”匂い”と”温度” VRヘッドセットと併用する「VRマスク」が登場

ヴァーチャル・リアリティヘッドセットの登場により、すでに視覚と聴覚は現実世界から切り離されつつある。ではVRの次なる主舞台は、”嗅覚”と”触覚”になるのだろうか。米国の新興企業FEELREAL, Inc.は、VRマスク「FEELREAL」を開発している。このマスクは、既存のVRヘッドセットと併用する形で装着する。従来のVRヘッドセットには存在しなかった、”匂い”や”温度”を演出するVRデバイスである。

 


匂い、温度、風、水しぶき

 

Oculus RiftとFEELREAL
Oculus RiftとFEELREAL

「FEELREAL」は、ビデオゲームや3D映像向けに開発されているVRマスクである。VRヘッドセットの下部にマウントさせるような形で装着し、利用者の顔の下半分を覆うようにして利用する。両頬には冷風と熱風を排出する装置、さらに水が吹き出す装置が付いており、鼻の部分には匂いジェネレーター、口の部分にはマイクロフォンが位置している。バイブレーション機能も存在。またリチャージ式バッテリーを搭載しており、最大4時間の駆動が可能だ。重量がどの程度であるのかは、気になるところである。

「FEELREAL」の目玉機能は、匂いジェネレーターから噴出される香りだ。全7種類の”匂いカートリッジ”が販売されており、これを「FEELREAL」に搭載する仕組みで動作する。海、ジャングル、炎、草、花、鉄、火薬が存在しており、ビデオゲームや3D映像と連動して香りを放つ。

「FEELREAL」は、PCやモバイル向けに無料で提供されるアプリ「Feelreal Player」と連動しており、このプレイヤー上で再生することで、匂いやバイブレーションなどの効果を映像に合わせて発生させる仕組みである。たとえばドラゴンに炎を吹かれれば、火の香りと熱風、振動がそれに合わせて発生するわけである。

「Feelreal Player」を操作する際にプログラミングの知識は必要なく、プレイヤー上から触覚や匂いの効果を簡単に設定することができるようだ。なおゲーム開発者向けには、「SDK Feelreal Player」が製作中となっている。

現在「FEELREAL」は予約販売が開始されており、開発キットの価格は249.99ドル、2015年夏にリリース予定。ジャングル、海、炎、風と4種類のカートリッジが付属している。対応するVRヘッドセットはOculus Rift、サムスンのGear VR、ソニーのProject Morpheus、ZeissのVR oneが挙げられている。視覚と聴覚だけでは物足りなくなったという方は、一考してみてはいかがだろうか。

 

 

Shuji Ishimoto
Shuji Ishimoto

初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。

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