ValveとHTC、VRヘッドセット「Vive」の開発キットを認可デベロッパーに無償で提供へ

 

Valveのマーケティング部門担当者Doug Lombardi氏は、HTCと共同開発を進めているヴァーチャル・リアリティヘッドセット「Vive」の開発キットを、認可されたデベロッパーに無償で提供することを明らかにした。海外メディアArs Technicaの取材を通してコメントしている。

 


「Vive」、一部デベロッパーへ無償提供

 

See also: Valve、台湾のHTCと組みVRヘッドセット「Vive」を開発中ValveのLombardi氏によれば、すでに一部のデベロッパーに開発キットが提供されているという。現時点で名前が挙がっているのは、『Aaaaaa! For The Awesome』のOwlchemy Labs、『Surgeon Simulator』のBossa Studios、『The Room』のFireproof Games、『The Gallery』のCloudhead Gamesの4スタジオだ。開発キットはさらなるデベロッパーに提供される見込みで、「近日公開予定の新サイトを通して、さらなる情報とサインアップフォームが興味のあるすべてのデベロッパーに解放される。大小関係なくだ」とLmbardi氏は続ける。

さらにLmbardi氏によれば、”最低でも初回”は「Vive」の開発キットは無償で提供される。これらの開発キットは今春の終わりにもリリースされる。どの程度の量が無償で提供されるのか、対象となるスタジオがどのように認可されるのかは、明らかにされていない。

VRヘッドセットの中で、ValveとHTCの「Vive」だけが無償で提供されているわけではないだろう。Ouclus VRの「Oculus Rift」や、ソニーの「Project Morpheus」なども、一部の内部スタジオや信頼の置けるデベロッパーに無償で提供されている可能性は高い。

ただし、ValveにはPCゲーム配信プラットフォームSteamを介した巨大なデベロッパー網が存在しており、Lombardi氏の語るようにさまざまな種類のスタジオへ開発キットを提供することができる。実際に、Owlchemy LabsやBossa Studiosはインディーデベロッパーであり、Fireproof Gamesはスマートフォン向けゲームを開発してきた実績がある。Cloudhead Gamesは、Kickstarterを経てVRヘッドセット向けゲームを開発しているスタジオだ。

 

 

なお一般リリース時の価格については、海外メディアMCVの取材を通し、HTCの製品マーケティング部門の担当者Jeff Gattis氏が明らかにしている。「Vive」では価格が多少高くなっても”高品質な体験”を提供する見込みで、市場が成長するとともに価格帯は低下していくと伝えている。

See also: Valve、PCゲーマーへの答えは「Steam Link」 「Machines」や「Controller」と共に11月発売へ「Oculus Rift」や「Project Morpheus」などに続き登場したValveとHTCの「Vive」は、今月始めに開催されたGDC 2015にて発表された。片目解像度1200×1080と90fpsの高パフォーマンス、さらに「SteamVRベースステーション」と連動した広範囲の位置トラッキングが特徴だ。Valveはこの「Vive」とともに、「SteamOS」を搭載したリビング向けマシン「Steam Machines」と「Steam Controller」を現在開発しており、2015年末より順次展開される予定となっている。

 


初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。