モバイル向けアクション『スーパーマリオラン』の開発にUnityが採用。『ポケモンGO』に次ぐUnity製タイトル
【UPDATE 2016/11/2 20:15】 記事初版にて「任天堂の内製タイトルで外部エンジンが用いられた例はほぼないといってもいい」と記しておりましたが、正しくは「任天堂の内製タイトルでUnityやUnreal Engineといったゲームエンジンが用いられた例はあまりないといってもいい」の誤りでした。訂正しお詫び申し上げます。
ユニティ・テクノロジーズは、11月1日に開催された開発者向けイベント「UNITE Los Angeles」にて、任天堂のスマートデバイス向けアプリ『スーパーマリオラン』がUnityを使用して開発されていると発表した。
ななななんと、Super Mario Runも#madewithunity ! pic.twitter.com/Bg1R6jXh4V
— ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン (@unity_japan) November 1, 2016
『スーパーマリオラン』は12月にiOS向けに先行配信予定のモバイルゲームだ。キャッチフレーズは「片手で遊ぶ、新しいマリオ」。プレイヤーが操作しマリオを動かす必要があった従来のシリーズ作品とは異なり、走り続けるマリオをタップすることでジャンプさせ、ゴールへ導くことが目的となる。グラフィックはWii Uでリリースされた『New スーパーマリオブラザーズ U』を彷彿とさせるものであり、同様のエンジンが使われているかと思われたが、今作ではUnityが採用されていたようだ。
Unityといえば、世界中でゲーム開発を使われているゲームエンジンの1つだ。リッチな3Dグラフィックから2Dのピクセルアートまで幅広い表現が可能であり、スタジオの規模に問わずさまざまなスタジオがUnityを採用している。注目したいのは、モバイルゲームの開発とUnityの相性の良さだ。『白猫プロジェクト』や『テラバトル』といったネットワークを利用したゲームのみならず、無料のカジュアルゲームでもUnityが使用されている。『タップ・シーフ・ストーリー』を手がけた2Dファンタジスタ代表の渡辺雅央氏も、「情報の多さ」や「スケールのしやすさ」という点でUnityを愛用していていると語っていた。
任天堂はこれまでゲーム開発には自社エンジンを使用してきた過去を持つ。外部のデベロッパーによって開発された『デビルズサード』などはUnreal Engine 3が使用されているが、任天堂の内製タイトルでUnityやUnreal Engineといったゲームエンジンが用いられた例はあまりないといってもいい。ただ、ニンテンドー3DSやWii UがUnityに対応していたり、株式会社ポケモンとNiantic Labsが共同開発した『ポケモンGO』にはUnityが使用されていたり、過去のセミナーではUnityを教材として使用していたりと、任天堂と同エンジンの距離が特別離れていたわけでもない。そういった背景を考えると、モバイルゲームを開発する上で最適化が容易なUnityを採用するというのは、まっとうな選択だといえるだろう。
なお新型ハード「Nintendo Switch」ではUnityのほかにUnreal Engine 4がサポートされることも発表されている。近い未来、この流れに乗ってコンソール向けの任天堂内製タイトルに外部エンジンが使用される日がくる可能性もあるのかもしれない。