2015年発売の2D-RPG『Undertale』が老舗サイトのファン投票で「史上最高のゲーム」に輝く、「ゼルダ」「マリオ」「ポケモン」など数々の名作を抜き
海外のWebサイト「GameFAQs」が主催する「Best. Game. Ever. 20th Anniversary Edition(以下、Best. Game. Ever.)」にて、2015年にToby Fox氏よりリリースされた2D-RPG『Undertale』が優勝した。「Best. Game. Ever.」は、ファンの投票によって”史上最高のゲーム”を決定するというトーナメントイベントだ。『Undertale』は『ゼルダの伝説』や『スーパー・マリオ・ブラザーズ』、『ポケットモンスター』などの強敵を次々と打ち破り頂点に登りつめた。
「GameFAQs」は、1995年から20年間にわたり運営されてきた老舗のゲーム情報Webサイト。同サイトは2002年から「最高のキャラクター」や「最高の悪役」などのテーマに沿ったファン投票コンテストを毎年開催しており、今年のテーマは20周年ということで「史上最高のゲーム」となった。合計128本のゲームが1対1の投票対決を繰り返し、最終的に優勝したのが『Undertale』である。
『Undertale』は初戦で『Mass Effect 3』を打ち破ると、2回戦では『Fallout 3』、3回戦では『スーパーマリオワールド』、4回戦では『ポケットモンスター レッド/ブルー』を相手に順調勝ち進んでいった。準々決勝では『スーパーマリオ64』、準決勝では『大乱闘スマッシュブラザーズ』、そして決勝戦では『ゼルダの伝説 時のオカリナ』よりも多くの票を獲得し、ついに優勝を果たしている。今大会にはほかにも、『クロノトリガー』や『METALGEAR SOLID 3』、『バイオハザード4』など名だたる伝説級の作品が参加していた。
決勝戦の相手である『ゼルダの伝説 時のオカリナ』は、2009年度に開催された「Best. Game. Ever.」にて優勝した作品だ。今回の決勝戦では、『ゼルダの伝説 時のオカリナ』に6万5944票が入ったのに対し、『Undertale』は9万368票を獲得し、前回の優勝者を打ち破った。どの地域のユーザーが特に投票したのかというヒートマップも公開されており、『Undertale』はロシアや中央ヨーロッパにて根強い人気があることがうかがえる(赤: 『Undertale』、青: 『ゼルダの伝説 時のオカリナ』)。
不特定多数のゲーマーたちによって実施される投票対決コンテストということで、余興の感も強い「GameFAQs」の「Best. Game. Ever.」だが、それでも2015年にリリースされた作品が並み居る古典作品を打ち倒した事実は注目に値するだろう。『Undertale』はSteamでの売り上げ上位に常にランクインしており、すでに寄せられたレビュー数は発売から約3か月で2万件に到達しつつある。インディーゲームの枠を取り除いても、『Undertale』は2015年もっとも人気だったゲームの1つだ。
参考記事: “レトロ系”に終わらない愛の2DドットRPG『Undertale』レビュー、あなたが「現実」から「ビデオゲーム」へと帰るとき
ただし今回、突如彗星のごとく現れた新顔が優勝したためか、一部コミュニティからは『Undertale』の優勝に対して批判的な意見もでている状況だ。『Undertale』が本当に過去の名作を越えるタイトルなのかという疑問から、ゲイセクシャルのキャラクターが登場するなどいかにもSJW好みの作品だという言いがかりまで、海外メディアKotakuではその模様を伝えている。『Undertale』はJRPGや日本の作品から多大な影響を受けたタイトルであり、過去の作品から影響を受けているという点もあって、終わりの見えない不毛な議論が今後続くことになるだろう。