『METAL GEAR SOLID V: THE PHANTOM PAIN』オリジナルデザインPlayStation 4同梱版の本体デザインにスペルミスが見つかったことが、海外フォーラムで話題に上っている。投稿された写真からエラーを発見したファンは激怒しているが、後にプレミア価格が付くことを期待する声もあるようだ。また、PCパッケージ版の中身がSteamインストーラーだけだったと、まことしやかな話も注目を集めている。しかし、本作のPC版は本来ダウンロード販売に限定されている。小島プロダクション解体以降、メタルギア作品への愛は一部で憤怒の炎に姿を変え、その矛先を求め彷徨っているようだ。
ザ・フューリー!
事の発端はフォーラムサイトNeoGAFに投稿された限定デザインの本体写真。「DIAMOND DOGS」ロゴの隣にプリントされた注意事項だ。“DO NOT USE MOLYBDEUM LUBRICANT”(モリブデン潤滑油を使用しないでください)と表記されているが、正しくは“MOLYBDENUM”。“N”が抜けている。スペルミスを最初に発見したRedditユーザーは、「お前らがどう感じるかは知らないが、俺は激おこプンプン丸だ」と、ザ・フューリー(『METAL GEAR SOLID 3: SNAKE EATER』に登場する火炎放射器を持ったキャラクター。名前のとおりとても怒っている)よろしく憤怒の炎を露わにしている。
これに対するファンの反応は賛否両論で、「予約キャンセルしたし、メタルギア関連の商品全部売り払ってくるわ」「到底看過できない。もう死のう」などという常軌を逸した批判コメントから、「愛国者のAIが“n”を伏せているのではないか」「そんな目にも入らないような表記ミスごときでプンプンできるくらいお気楽な人生を歩んでみたかったぜ」といったニュートラルなものまでさまざまだ。中には、スペルミスがあった方がレアな存在としてより求められるという、プレミア価格を期待する肯定的な声もある。
この写真はもともと、8月29日にNeoGAFに立てられた“『METAL GEAR SOLID V: THE PHANTOM PAIN』限定PS4同梱版が欧州でも発売”というスレッドに投稿された複数の接写イメージの1枚で、撮影者本人を含めて、コメントの中にも誰一人としてスペルミスに気が付いたものはいなかったようだ。現在、販売元コナミデジタルエンタテインメントから公式の声明は出されていないが、次回生産分から修正される可能性が高いだろう。生産工程で生まれたデザイン上の欠陥や、製品パッケージのミスプリントを理由にプレミア価格が付けられる事例は過去に数多とあるため、今回のスペルミスも近い将来貴重なお宝として扱われるかもしれない。
PC版はダウンロード販売のみ
PCパッケージ版『METAL GEAR SOLID V: THE PHANTOM PAIN』におけるディスクの中身が、Steamインストーラーだけだったことが取り沙汰されている。海外メディアVG247によると、発売日を前にフライングゲットしたユーザーのTwitter投稿から発覚したとのことで、掲載された写真からはCDドライブの容量がたった8.78MBであることが確認できる。PCゲームのパッケージ販売では通常、インターネット接続なしでゲーム本編をインストールできるよう全てのファイルが記憶媒体に収録されるため、不親切であると一部で批判が集中している。
しかし、本作のPC版は本来Steamでのダウンロード販売に限られているため、投稿者が入手したパッケージ版が正規品ではない可能性が十分考えられる。また、ツイートに寄せられたコメントの中には、Steam上のゲームにとっては決して珍しいことではなく、過去に同様の販売手法が取られた作品が複数あるとの声もみられる。もしかしたら、一部の鍵屋がアクティベーションコードをアナログな手法で流通させているのかもしれない。
いずれにせよ、過剰とも受け取れる批判が目立つ今日この頃。小島プロダクションの解体にはじまり、ボックスアートから小島監督の名前が消された事案をきっかけに、一部のファンにはやり場のない憤懣が少なからず積もっているのだろう。メタルギアの遺伝子に宿った愛念の一部は、憤怒の炎となって批判の矛先を求め彷徨っているのかもしれない。激動の時代を駆け抜けたビッグボスの軌跡に、空白の1ページを補完する『METAL GEAR SOLID V: THE PHANTOM PAIN』は、いよいよ9月1日(国内では9月2日)に解き放たれる。