鉄道模型の箱庭でマルチプレイ対戦、経済ストラテジーゲーム『Trainotopia』Kickstarterキャンペーン実施中


アメリカのコンサルティング企業Bridge Business Intelligence Groupが、『Trainotopia』の開発資金を募るKickstarterキャンペーンを実施中だ。同作はマルチプレイがメインの経済ストラテジーゲーム。プレイヤーの分身である主人公は、祖父から遺された不思議な力を持つおもちゃの「鉄道模型」を用い、箱庭上で広大な鉄道ネットワークを築いてゆく。

『Trainotopia』にてプレイヤーは、列車を購入して箱庭上に線路や建築物を配置し、鉄道ネットワークを築いて富を得ることを目指す。まず物資や人を運んで利益を得るため、都市や工場などを線路で結ばなければならない。どの都市でどのような依頼が発生するかはわからないため、経済圏同士を効率のよい鉄道ネットワークで結び、どんな仕事も逃さないことが利益拡大につながる。ただし場所によっては山や川が位置しており、多大なコストをかけてトンネルや橋を設置するのか、迂回して費用を抑えるかを考える必要もある。

001山や川といった障害物だけでなく、本作ではリソースの流れにも意識しなければならない。たとえば材木を石炭工場に供給し、さらに木炭を回収して必要としている場所に輸送したり、あるいは製鉄工場で作った鉄を回収し、それを自動車工場へ運搬して、さらに自動車工場から車を街へと輸送したり。リソースの組み合わせは多種多様に用意されている。

またマップ上に点在する各都市は、プレイヤーの活動状況によって発展していく。ある都市で仕事をこなすようにし、プレイヤーの鉄道ネットワークの経済に組み込むことで、その都市も潤って大きく発展する。資金と相談しながら鉄道ネットワークを拡大し、将来的に地域全体の経済をどのように発展させていくのか。プレイヤーには現状と将来を見据えた決断が求められるというわけだ。

なお本作に登場する列車は鉄道模型という設定だが、ディテールにこだわってモデリングされており、初期の蒸気機関車からディーゼルや電気機関車まで、さまざまな種類が用意される。それぞれの列車にはNormal/Rare/Epic/Legendaryの4種類のスキンがあり、実績を解除したりDLCを購入して新たに入手することができる。Normal以外のスキンはSteamコミュニティマーケットで販売したり交換することが可能になる予定だ。また、鉄道にはスピードを強化するなどのアップグレード要素もあるという。

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冒頭で述べた通り、本作はマルチプレイがメインのゲームだ。ここまで説明したゲームの流れも、最大4人の対戦相手と競いながらおこなうことになる。広大な鉄道ネットワークを構築すれば多くの仕事を請け負うことが可能になり、その結果としてプレイヤー自身の会社の株価が上昇、対戦相手からの買収の脅威が下がる。Kickstarterキャンペーンページにゲームの勝利条件について具体的な記載はないが、企業間戦争という文言が出てくるため、対戦相手の会社を買収することが勝負を決する条件の一つになりそうだ。また仕事には入札システムが用意されており、対戦相手と競合した場合は入札に勝たないとその仕事を請け負うことができない。

本作はボードゲームから影響を受けた要素としてアクションカードシステムが導入されている。アクションカードはゲーム内通貨で購入することが可能で、さまざまな効果を持っている。たとえば列車のスピードを変えたり、対戦相手の生産活動を邪魔したり、あるいは対戦相手のカードを奪ったり。中にはレアカードも存在していて、火山の噴火を引き起こしてマップの地形を変えてしまうようなものも存在するそうだ。こういったアクションカードや入札システムなどによって、『Trainotopia』には対戦相手との駆け引き要素が生まれる。

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なお『Trainotopia』の世界には4つの勢力が存在しており、プレイヤーはいずれかの勢力に所属することになる。「Industrialists」は産業効率を最大化させることに重きを置く勢力だ。「Traders」は土地取引で大きな利益をあげている。「Imperialists」は広大な鉄道ネットワークを誰よりも速く構築する。そして「Rogues」は他人のカードを盗むなどアンフェアなプレイを好む。このようにそれぞれの勢力には特徴がある。

プレイヤーがいずれかの勢力に所属すると、上記したようなその勢力が求めるゲームプレイをすることによって評価を高めることができる。そして評価ポイントをためてレベルアップすると、アクションカードや列車のスキンなどのボーナスを獲得することができる仕組みだ。また所属勢力からは毎週さまざまな仕事を頼まれる。たとえば「7日以内に製鉄工場を10か所に建設してくれ」といった具合だ。

004マルチプレイが大きな特徴の本作だが、シングルプレイ用のゲームモードも3種類用意されている。まず「Campaign」モードでは複数のシナリオを追いながら、AIキャラクターを対戦相手にして収益と評価ポイントを稼ぐ。「Sandbox」モードには時間やミッションの概念は存在せず、思い向くままに鉄道世界を構築することができる。そして「Scenarios」モードは、ほかのプレイヤーが作成したシナリオをプレイして課題をクリアしていくモードになるという。

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本作のKickstarterキャンペーンはまだ始まったばかりだが、目標額77000ドルのところ本稿執筆時点で15人から320ドルが集まっているという状況で、あまり良い滑り出しとはいえない。経済ストラテジーゲームとしての目新しさはないが、鉄道模型へのこだわりや対戦要素を重視したマルチプレイといった独自の要素もあるため、このまま開発が頓挫してしまうのはもったいない。4路線が複雑に絡み合いつつアクションカードで足の引っ張り合いをするというゲームデザインがどのようなものになるのかは興味深く、実際にプレイしてみたいところだ。

本作は今月中にもSteam Greenlightに登録される予定で、本キャンペーンが成功したあかつきには2017年第2四半期に早期アクセスゲームとしてSteamで販売開始することを目指している(Kickstarter出資者への提供予定時期は5月としている)。また時期は不明だが、25ドル以上の出資者を対象にベータテストを実施するようだ。プラットフォームは明記されていないが、少なくともWindowsには対応するだろう。