Activisionのスケートボードゲーム『Tony Hawk’s Pro Skater 5』が、北米にて9月29日にローンチされた。本作は前作から8年ぶり、正統なナンバリングとしては13年ぶりとなる『Tony Hawk』シリーズの最新作である。2010年にElectronic Artsが『Skate 3』をリリースして以降、スケボーゲームは日照りの年が続いており、久々のジャンル最新作となったわけだが、海外では発売直後から残念な報告が相次いでいるようだ。
Day1パッチ、ディスクに収録された本編以上のサイズ
『Tony Hawk’s Pro Skater 5』は、2014年11月にその存在が明らかにされた。開発は『Tony Hawk Ride』や『Tony Hawk’s Pro Skater HD』を手がけてきたRobomodoが担当。ゲームエンジンにはUnreal Engine 3を採用しており、ゲームプレイはオールドスクールな原点を突きながらも、パワーアップなど新たな試みに挑戦している。シリーズでは初めてとなる次世代機向けタイトルでもある。
『Tony Hawk』は現在のスケボーゲームの礎を築いた存在だが、決して評価が常に高かったシリーズではなく、現在ではEAの『Skate』シリーズの続編を待ち望むファンの方が多いのは明白だ。しかし前述のとおり、『Skate 3』以降は同シリーズは沈黙を保っており、久々のスケボーゲームとしてファンたちは期待と不安を半分に『Tony Hawk’s Pro Skater 5』を待ち望んでいた。暗雲が立ち込めたのは発売直前。ディスクに収録されたデータ容量が4.6GBであるのに対し、7.7GBのDay1パッチが配信されることが明らかにされたのだ。
発売直後のユーザーたちの報告により、ディスク本編にはチュートリアルとパークエディターしか収録されておらず、パッチをインストールしなければゲーム本編がプレイできないことが明らかにされた。インターネット経由でデータをダウンロードしなければゲーム本編が遊べないのなら、デジタルダウンロード版とほぼ同じである。海外フォーラムNeoGAFのユーザーのなかには、「新しい形のDRMじゃないか?」と推測する者も居た。
多数のバグ報告
だが、その推測はどうやら外れのようだ。多数の海外メディアが、『Tony Hawk’s Pro Skater 5』のレビュー用ディスクが発売前に届かなかったことを明らかにしており、そしてその理由を示唆する記事を投稿している。海外メディアEurogamerは「『Tony Hawk’s Pro Skater 5』はちょっとばかしバグで滅茶苦茶だ」と銘打った動画を投稿。また海外メディアPolygonも、「『Tony Hawk’s Pro Skater 5』は胸が張り裂けるほど酷い」との動画を投稿した。NeoGAFの別のスレッドでも、愉快なgifイメージが大量に並んでいる。
動画に映っているのは、空中に飛び上がる操作キャラクターの身体やスケートボード、見ているだけで苛立ちそうな操作感、珍妙なアニメーションなど。壁や床をすり抜けるといった透過バグも相次いで発見されており、Polygonの動画は「とても酷い、壊れたゲーム、プレイすべきではない」との忠告までなされている。
Robomodoは『Tony Hawk’s Pro Skater HD』を手がけたスタジオだが、同作はリマスターHDタイトルでありながらオリジナルからコンテンツが一部カットされている、また物理演算が原作どおりに動作しないなど、往来のファンからは批判を浴びた作品だった。ナンバリングシリーズをかつて導いてきたデベロッパーNeversoftは、2014年7月に閉鎖。ゲームの名前にもあるプロスケーターTony Hawk氏は、海外メディアGameSpotのインタビューにて、Neversoftでシリーズに携わったスタッフが『5』の開発に参加していると伝えていた。
今回発売された『Tony Hawk’s Pro Skater 5』はPS4/Xbox One版のみであり、11月にはPS3/Xbox 360版の発売が控えている。現時点でPC版や日本語版のリリースは明らかにされていないが、海の向こうから本作がこちらへやって来ることはおそらくなさそうだ。