株式会社ネクソンは、Electronic Artsが2014年3月に発売したFPS『Titanfall』を新作PCオンラインゲームとして開発することを明らかにした。アジア地域にて展開される。ネクソンの代表取締役社長オーウェン・マホニー氏は、「ネクソンが培ってきた基本プレイ無料(Free-to-Play、F2P)のノウハウを活かし」と伝えており、F2Pが採用される見込みとなっている。
『Titanfall』は、かつて『Call of Duty』を生みだしたInfinity Wardの元メンバーたちよって設立されたRespawn Entertainmentが開発したマルチプレイヤーFPSだ。近未来を舞台に、ブーストとパルクールで高速移動する「パイロット」と、巨大な人型のメック「Titan」が入り交じる戦場が描かれる。すでに続編の開発が明らかにされており、前作の対象プラットフォームであったPC/Xbox Oneだけでなく、PlayStation 4向けにもリリースされる予定だ。
今回のF2P版がどのような仕様となるかは明らかにされていないが、使い切りでPerkのような効果を発揮する「バーンカード」と、そのカードをゲーム内クレジットでまとめて購入できる「ブラックマーケット」が『Titanfall』にはすでに存在している。武器やタイタンなどの存在も考慮すれば、マネタイズ対象としやすいコンテンツは豊富にあるといえるだろう。
※昨年公開されたPC/Xbox One版『Titanfall』のローンチトレイラーです
中国地方で展開されている『Call of Duty Online』や、ネクソンがアジア向けに運営する『Counter-Strike Online』など、既存IPを特定地域向けにF2Pで展開するのは、もはや珍しいことではなくなりつつある。発売から1年と少しが経過したばかりの『Titanfall』がF2P化するのはいささか展開が早い気もするが、すでに本家本元の『Titanfall』は予定されていたDLCのリリースを終え、昨年10月以降は目立ったアップデートも配信されていない。
ネクソンとEAの提携は今回が初めてではない。ネクソンは2012年からEAの『FIFA』シリーズを用いて、F2Pタイトル『FIFA Online 3』をアジア向けに展開している。なお同作の対象地域はシンガポール、インドネシア、ベトナム、タイ、マレーシア、中国であり、日本国内ではサービスは展開されていない。
ネクソンはこのほか、Valveの人気MOBA『Dota 2』のアジア展開、Splash Damage手がける『Dirty Bomb』の北米展開、Cliffy Bの新作『BlueStreak』のパブリッシングなどを担当しており、近年はいわゆるハードコアゲーマー向けのF2Pタイトルの取り扱いに着手している。