とあるゲーム開発者、Steamウィッシュリストを増やすべく「ティッシュ配り」を敢行。結果ウィッシュリスト数は増えずとも満足なメンタリティ

 

とある開発者がティッシュ配りを敢行したようだ。Steamウィッシュリストを増やすためにティッシュ配りをしたという。その結果と、そうした理由について話を訊いた。

ティッシュ配りを敢行したのは、ゲーム開発者のMYU氏だ。同氏は現在、企画/シナリオ/キャラデザ担当として『雑音系少年少女』を開発中。同作はマルチエンディング謎解きアドベンチャーで、人々のトラウマが牢獄となった迷宮都市”雑音スクランブルシティ”に閉じ込められた記憶喪失の少年少女が街から脱出を目指す作品だという。

同作は、Steamでは2024年発売予定。トラウマ x 迷宮都市 x 謎解きを題材として掲げ、かわいらしくもエグめの描写もうかがえ、なかなか野心的な作品になっていそうだ。一方で、小規模開発であることがうかがえ、宣伝もクリエイターらがおこなっているようだ。その一環として、秋葉原にてティッシュ配りをしたようである。


ティッシュ配りの結果はMYU氏自身で公開しており、その過程はnote記事を見ていただくとして、なぜこうした試みをしたのか、正直効果的にはどうだったのか。MYU氏に話を訊いた。

まず、なぜティッシュ配りをしたのか訊いてみた。同氏はさまざまな経験を積んできたがインディーゲーム開発は初めて。実績・知名度・そしてお金がないなかで、SNSで知名度を上げるために何をしようか考えていたそうだ。そして自分でできることをいろいろやろうと思い、ティッシュ配りをしようと決意したとのこと。なおティッシュ配りをするにあたっては警察へ申請しており、その申請を助けてくれた親戚に感謝しているそうだ。


実際にどのようにティッシュ配りはどのようにしたかは氏のnote記事を見ていただくとして、ウィッシュリストの増加はあったかというと、なかったそうだ。ティッシュは250あり、それを配ったところ、アクセス数が前日比で若干上がったのみであるそうだ。この結果については、納得しているという。

というのも、ティッシュ配りでウィッシュリストが増えるとはあまり思っていなかったそうだ。MYU氏は「こういうゲームがあるんだとかSteamアカウント持ってるし見てみようと思う人が10人に1人いるだけでも意味はあるかなと思っています」とコメント。また結果につながりそうと見立てやすい、打算的なことは必ずしも楽しくはないと語っている。非効率で効果が限定的に見えたとしても、自身にとってはティッシュ配りは楽しいことであったと強調した。やっている人が少ないので目立てるチャンスもあるとしつつ、「効果がないかもしれないけどやってみたいからやってみる」というマインドは、インディー開発者に共感してもらえるのではないかとも話した。

結果としてMYU氏は、ティッシュ配りに意義を見出しているようだ。結果コストはさほどかからず、書いたnote記事がなかなか読まれたこと、そして本インタビューをされたことも含めて、やった価値があったと振り返った。すでに次回のティッシュ配りの準備を進めているようである。


MYU氏のティッシュ配りは確かに同氏の言うように、Steamウィッシュリスト増やし「だけ」に限定すれば効果は薄いかもしれない。しかし単純に面白い実験であるし、筆者のようにそうした面白い実験をする人が生み出す創作物に興味をもつ人もいるだろう。宣伝にはいろんなかたちがあると気付かされる事例である。本インタビューをもって最終的にSteamウィッシュリスト数が増えれば幸いだ。最後にMYU氏に、自身のゲームについて紹介してもらったので、それをもって本稿を締めさせていただく。

雑音系少年少女は「トラウマ×迷宮都市×脱出ゲーム」がモチーフとなっている2D謎解きアドベンチャーゲームです。

舞台となるのは現代の日本、とは少し違う場所、「雑音スクランブルシティ」
そこに迷い込んだのは、記憶を失った6人の少年少女。
彼らはそれぞれに心に大きな痛みを抱え、乗り越えるべき過去を持っています。
この街にはキャラクターの過去のトラウマや思い出が「ノイズ」として隠されています。
ノイズの欠片を集め、組み合わせることで、彼らの過去と内面を知り、
謎を解く閃きを得たり、今まで行けなかった場所に行けるようになったりと、物語を進めるきっかけとなります。
進んだ先に、自身の人生をゆがめるノイズと向き合う瞬間が訪れます。
果たして、彼らの人生はノイズに塗りつぶされてしまうのか、それとも、ノイズを克服して脱出できるのか……!?
という様な作品で、マルチエンディング系のアドベンチャーやポイント&クリックの謎解きが好きな人は楽しめると思います!

今回は僕も初めての挑戦をいくつもしていて、キャラクターデザインだけではなく、ディレクター、プロデューサー、シナリオなど多岐にわたっています。
それぞれのキャラクターのトラウマや背景を細かく描写し、プレイヤーが彼らの痛みや成長を共感できるようなストーリーを作り上げました。
ノイズの欠片を集めることで謎を解き明かすプロセスを楽しんでもらえるよう、色んな工夫や仕掛けも仕込んでいます。
ビジュアルや音楽にもこだわり「雑音系少年少女」の世界に没入できるように作りこんでいます。
このゲームをプレイして、少年少女たちのノイズと繋がって物語を体感して頂ければと!
作品を作るだけでなく、知ってもらう努力も引き続きしていきたいと思いますし、開発進捗などは僕のXや「雑音系少年少女」のsteamコミュニティなどでお知らせしていきます。
雑音系少年少女はウィッシュリスト登録受付中となっておりますので、是非登録して続報お待ちください!
ボタン押して貰えると、めちゃくちゃ喜びますのでよろしくお願いします!!!
https://x.com/myu060309
https://store.steampowered.com/app/2507560/_/


国内外全般ニュースを担当。コミュニティが好きです。コミュニティが生み出す文化はもっと好きです。AUTOMATON編集長(Editor-in-chief)