『エースコンバット7』や『Rez Infinite』など、PlayStation Experience 2015にて発表されたバラエティ豊かなPlayStation VR対応タイトルを振り返る

PlayStation Experience 2015ではさまざまな作品が公開されたが、そのなかで、数多くのPlayStation VR対応タイトルが発表されたことも見逃せない。『エースコンバット7』や『Rez Infinite』など、VR対応タイトルを振り返る。

Sony Computer Entertainment(以下、SCE)は現地時間の12月5日・6日、ファンに向けたイベントPlayStation Experience 2015を開催した。そのなかで、『ファイナルファンタジーVII リメイク(FINAL FANTASY VII REMAKE)』や『アンチャーテッド4 海賊王と最後の秘宝』など人気タイトルの最新映像が公開され話題を独占したが、数多くのPlayStation VR対応タイトルが発表されたことも見逃せない。SCEは以前からVRコンテンツに力を入れており、今回のカンファレンスでも精力的な姿勢がうかがえる。そんなSCEから発表された、バラエティ豊かなVRタイトルをおさらいしよう。

 

エースコンバット7

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今回のVR対応タイトルとして一番目玉となったのは、PlayStation 4専用タイトルとして華々しく発表されたシリーズ最新作『エースコンバット7(Ace Combat 7)』だ。本作に携わっているバンダイナムコエンターテインメントの河野一聡氏は、戦闘機が大空を駆ける美しいデビュートレイラーはすべてリアルタイムレンダリングで描写されていること、あくまでVR“対応”タイトルであることをTwitterで強調している。発売時期などは未定であるが、20年続く人気フランチャイズ待望の続編ということで、シリーズファンもVRファンにも楽しみなタイトルになりそうだ。

 

Rez Infinite

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『エースコンバット7』に負けずとも劣らない熱気を見せるのが『Rez Infinite』だ。本作はDreamcast/PlayStation 2向けに発売された『Rez』をVRに対応しアレンジしたタイトルになっている。『Rez』は光の線で描かれたサイバーな三次元空間を舞台に、主人公が高速飛行をしながら敵を撃墜していくという一風変わったシューティングだ。ボタンを押すだけでリズミカルなサウンドが生まれ、視覚・聴覚・触覚のすべてを通じてその迫力を体感できる。1080p、60fps、3Dサウンド対応が噂されており、VRによってさらにディープな“トランス体験”ができるようになるだろう。

 

Modern Zombie Taxi Co.

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昨年のBitSummit 2014で大賞にあたる朱色賞を受賞した『Modern Zombie Taxi Co.』が、PlayStation VR対応タイトルとして発売される。本作は一般的なゾンビのホラーなイメージとはうってかわって、主人公がドライバーとなりポップでファンキーな町で乗客を乗せタクシーを乗り回すというものだ。公開されたトレイラーでは、乗せた乗客を投げ飛ばしたり引きずり回したりするシーンがあり、“カオス”なゲームになりそうな雰囲気を醸し出している。本作を開発するのは京都に拠点を構えるデベロッパーVITEI。過去には『STEELDIVER』シリーズを手がけている。

 

Eagle Flight

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Eagle Flight』はUbisoftから発売されるフライトアクションゲームだ。本作の舞台は人類が姿を消した50年後のパリ。プレイヤーはワシとなり、自然や動物たちが形成した豊かな遊び場を自由に飛びまわることができる。こちらはVR専用作品となっており、さまざまなミッションをクリアしていくシングルプレイと、最大6人でのマルチプレイが可能。Ubisoftは「『Eagle Flight』はVRに特化させたタイトルだ。UbisoftのVRの技術を最大限に使いつつも、直感的かつシンプルな操作で楽しめる素晴らしい作品になる。まさに飛んでいる感覚を感じられると思うよ。」と自信をのぞかせるトレイラーを見てもかなり没入感の高そうなタイトルになりそうだ。

 

100ft Robot Golf

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100ft Robot Golf』は巨大なロボットを動かしゴルフをするゴルフアクションゲームだ。ターンベースでありながら時間が自由に与えられ、好きに動くことができるようだ。ゴルフでよいスコアを叩き出すためには与えられた時間で、ビル、山、相手プレイヤーなど様々なものを破壊し、勝利をつかまなければならない。オンラインまたは分割画面で4人までのマルチプレイが可能で、グリーン、都市、山など全18ホール用意されている。公式サイトの記載によると、1人で遊ぶキャンペーンモードでは「90年代半ばのロボアニメーション」を彷彿とするロマンス、白熱、スリルを凝縮したストーリーが堪能できるという。ロボたちがアイアンで殴りあう混沌としたゴルフの様子は、トレイラーでチェックしてほしい。『Roundabout』を手がけたNo Goblinらしい作品といえるだろう。

 

Job Simulator

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オフィスのフロアを舞台に、とにかくやりたい放題暴れまくる、それが『Job Simulator』だ。トレイラーでは、ドーナツを食べコーヒーカップを投げ、ホッチキスの針をコピー機に向けて発射しまくるなど、とにかく無秩序なゲームであることが伝わってくる。たくさんのオブジェクトが存在する世界で、物理エンジンの動きを楽しむのが趣旨であるようだ。60FPSを維持、PSカメラやモーションコントローラーにも対応しており、VRも加えることでよりリアルな職務放棄体験ができるかもしれない。本作はSteamVRの最初のタイトルとして以前にアナウンスされており、そちらのリリースも期待したい。

 

Psychonauts: In the Rhombus of Ruin

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Psychonauts: In the Rhombus of Ruin』は『Psychonauts』シリーズのVR専用タイトルだ。『Psychonauts』は。『ゼルダの伝説』と『マリオ64』をかけあわせたような3Dアクションゲームで、2005年にDouble Fineから発売された。おぞましさとかわいらしさが入り乱れる独特な世界観と、絶妙な難易度でカルト的な人気を誇っていた。先日行われたThe Game Awardsでは続編である『Psychonauts 2』の構想を発表しクラウンドファンディングで開発資金を募っていた矢先であった。10年前のタイトルの新作が1周間にふたつ発表されファンは喜びに包まれている。詳細は明かされていないが、ストーリーは前作『Psychonauts』のエンディング直後から始まり、『Psychonauts 2』へとつながっていくものになるようだ。

今回のPlayStation Experience 2015では多種多様なVRタイトルが発表された。SCEの吉田修平氏は、PlayStation VRの使用をゲームに限定するつもりではないと過去に述べており、並々ならぬ野心を見せている。2016年はVRにとって大きな飛躍の年になるかもしれない。

Ayuo Kawase
Ayuo Kawase

国内外全般ニュースを担当。コミュニティが好きです。コミュニティが生み出す文化はもっと好きです。AUTOMATON編集長(Editor-in-chief)

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