精神病を患った女性が主人公、心の闇を覗く一人称視点ホラーアドベンチャーゲーム『The Town of Light』が2016年2月にリリースへ
イタリアのインディーデベロッパー「LKA.it」は、一人称視点のホラーアドベンチャーゲーム『The Town of Light』を2016年2月26日にリリースすると発表した。当初は2015年秋の発売が予定されていた同作だが、内部チームが目指しているストーリーやゲームをより確実に提供するため、さらなる開発に取り組むようだ。同作は今年7月に京都で開催された「BitSummit 2015」にも出典されており、プレイしたプレイヤーもいるのではないだろうか。なお本作は日本語字幕・吹き替えを収録した状態でのリリースが予定されている。
参考記事: 『The Town of Light』主人公は精神病患者、選択によって“病気”が変化。精神病院の闇をえぐりだすサイコホラーアドベンチャー
『The Town of Light』では、イタリアのフィレンツェに存在する「オスペダーレ・シキアトリコ・ディ・ヴォルテーラ」と呼ばれる精神病院をモデルにした廃墟が舞台となる。プレイヤーの分身である16歳の少女「レネー」は統合失調症を患っており、さらに自分がなぜこの廃墟にいるのか、自分がいったい何者なのかもわからない。レネーは廃墟と化した精神病院を探索し、自分の過去にいったいなにが起きたのかを突き止めることになる。
イタリアは1978年に「バザーリア法」と呼ばれる法律が制定され、精神病院への新規入院を禁じるなど、事実上の精神病院を廃止する方針を取っている。なぜそんな法律を制定したのかと言えば、それ以前のイタリアの精神病院は非常に劣悪な環境で、患者への暴力やロボトミー手術、不当な薬物投与などが後を絶たなかったからだ。ゲームの舞台のモデルとなった精神病院も、6000人以上の精神病患者を収容しており、「入れば二度と戻られない場所」と呼ばれた場所である。同病院は事故や事件が耐えず、1978年には閉鎖された。
ゲームプレイ面に特別珍しいメカニックは盛り込まれていないが、レネーは常に自身の心の声をささやいているため、プレイヤーは彼女の内面の悪夢や狂気と接しつつゲームを進めることになる。時おりレネーが男性職員に暴力を振るわれるカットシーンが挟まれるなど、ゲームは陰鬱で暗く、重い。精神病をテーマにした作品と言えば『Neverending Nightmare』を思い出すが、『The Town of Light』はよりリアルに精神病と過去にイタリアで起きた問題を描く内容となりそうである。
『The Town of Light』は2016年2月26日にリリース予定、対象プラットフォームはPC/Mac/Linux。VRヘッドセット「Oculus Rift」への対応も明らかにされている。