原発事故で廃墟と化した町「チェルノブイリ」や「プリピャチ」を探索するVRドキュメンタリー作品『Chernobyl VR Project』が開発中

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ポーランドのデベロッパーThe Farm 51は、現在VRタイトル『Chernobyl VR Project』を開発中だ。同作は1986年に原子力発電所の事故によって廃墟と化した町「チェルノブイリ」や「プリピャチ」をバーチャル空間内に再現したタイトルである。PCゲーマーなら「イディーカムニエ」と唱えつつ『S.T.A.L.K.E.R.』だと冗談を言うかもしれないが、本作はむしろ娯楽作品というよりもドキュメンタリー色が強い学習向けのタイトルとなっているようだ。

The Farm 51は『NecroVsioN』シリーズや『Painkiller: Hell& Damnation』を手がけてきたスタジオで、現在は最新作『Get Even』を開発している。この『Get Even』は撮影した写真素材などからゲーム空間を構築する最新技術「フォトグラメトリ」を採用しており、低コストでまるで実写のようなグラフィックへと到達することを目指している作品だ。そして今回の『Chernobyl VR Project』も、そんな「フォトグラメトリ」の技術(The Farm 51は同社の技術「Reality 51」と呼んでいる)をベースにしたプロジェクトとなっている。

新たに公開された『Chernobyl VR Project』のトレイラーでは、チェルノブイリ周辺を撮影して、その写真データをバーチャル空間へと落としこむ作業を見ることができる。The Farm 51の面々はガイドに釣れられて何日間も探索し、「Go Pro」を組んだ360度撮影可能な機材や空撮などを駆使して素材を集め続けたという。写真素材は数万点におよび、巨大な体育館を撮影するだけで3000枚は撮影したそうだ。

時おり挿入される3D空間の映像では、表面が剥がれ落ちた壁までもが緻密に再現されていることがよくわかる

こちらは過去に公開された『Get Even』のトレイラー。『Chernobyl VR Project』と同じく「フォトグラメトリ」の技術を採用している

『Chernobyl VR Project』は「Gear VR」や「Oculus Rift」、「Sony Morpheus」などに対応予定とのこと。原発事故が発生してから30年の節目を迎える2016年4月にリリースされる予定となっている。

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