批判集まる『Destiny』の「レッドブル」プロモーションを逆手に取る、『Dying Light』の「ただの水」キャンペーン

『Dying Light』の公式Twitterアカウントは、「ゲームマーケティングの最新トレンドに乗っかろう!」とのメッセージと共に、『Destiny』のプロモーションを逆手にとった「ただの水」キャンペーンのイメージを公開した。

『Destiny』はエネルギードリンク「レッドブル」とのプロモーション「Red Bull Quest」を展開し、レッドブルのコードを入手したプレイヤーにボーナス経験値ブーストと新規クエストへの早期アクセスを提供する。対象となる新規クエストは拡張パック「The Taken King」内に登場する複数のステージを舞台としたもので、一般ユーザーには1月1日に解禁される予定だが、レッドブルのコードを使用すれば9月15日から利用することが可能となる。

「The Taken King」の発売日は9月15日であり、発売日にこの新規クエストをプレイするにはレッドブルを購入しなければならない。約2か月半もの早期アクセス期間には、一部のファンから批判的な意見が集まっている状況だ。『Destiny』に関しては、この数日前に発表された「The Taken King」の39.99ドルという高価な価格設定や、その重複したコンテンツ内容へも大きな批判が巻き起こっており、BungieとActivisionのビジネスモデルや手法を疑問視するファンが増えつつある。

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30分間の50パーセントXPブーストと、拡張パックに登場する新規クエストへの早期アクセスが付属する「Red Bull Quest」キャンペーン

そんななか、ポーランドの開発会社Techlandが、今回の批判を浴びたマーケティング手法を逆手に取り、ゾンビサバイバルアクション『Dying Light』にて“ただの水”のキャンペーンを開始した。

水を飲めば武器を提供します

『Dying Light』の公式Twitterアカウントは、「ゲームマーケティングの最新トレンドに乗っかろう!」とのメッセージと共に、ただの水のキャンペーンのイメージを公開した。ユーザーはグラス一杯の水を飲む画像をハッシュタグ「#DrinkRightDyingLight」と共に投稿することで、「Weapon Docket」を入手することができる。「Weapon Docket」とは、ゲーム内でユニーク武器や高性能な武器をランダムで入手できるアイテムであり、予約特典や『Dying Lihgt』関連の映像およびイメージ、SNSなどにて公開されてきた。

公式Twitterアカウントは、「グラス一杯の水(何度でも消費できる)」を紹介し、「水がどうしてこれほど素晴らしいのか考えたことがありますか?自然的で、菜食主義的で、さらに砂糖を使用していません。美味しいし健康にもいい。さらにいいことに、基本的に無料です!」とイメージ内にて伝えている。今回のイメージは、『Destiny』とレッドブルのプロモーションにて公開されたイメージと瓜二つであり、そのメッセージからも批判を浴びた『Destiny』のキャンペーンを逆手に取っていることがわかる。

これに続きTechlandは、「#DrinkForDLC」のハッシュタグを公開し、ツイート数が増えれば『Dying Light』向けのDLCをリリースするキャンペーンを実施している。これらコンテンツは、すべてのプレイヤーに無料で提供されるという。

Techlandは『Dying Light』においてユーザーフレンドリーな姿勢を貫いており、当初は予約特典としていたマルチプレイヤーモード「Be The Zombie」を無料リリースに変更し、また発売後にModが使用不可になった際には即座に対応、さらにModツールをプレイヤーたちに無料公開している。同スタジオは『Dying Light』のサポートに今後注力してゆくことを明らかにしており、今後もユーザーたちの声に耳を傾けた動きを見せてくれるだろう。

Shuji Ishimoto
Shuji Ishimoto

初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。

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