「MSX1」実機でプレイ可能な作品『タロティカ・ブードゥー』がSteamでの配信目指す。レトロ風に終わらない怪作アドベンチャーゲーム
「TPM.CO SOFT WORKS」は、『タロティカ・ブードゥー』をSteam Greenlightに登録した。同作は京都のBitSummitや東京ゲームショウのインディーブースなどに近年出展され、ひそかに注目を集めてきたアドベンチャーゲームだ。現代の作品でありながら「MSX1」の実機上で動作するという酔狂なゲームが、Steamを通じて世界中のゲーマーたちにプレイしてもらうことを目指す。なおAUTOMATONでは、過去にIndie Pickにて紹介したこともある。
開発者の「TPM.CO SOFT WORKS」こと東郷 生志氏は、MSX専用パソコン雑誌「MSX・FUN」などで『まものクエスト』などの自作ゲームを投稿してきた人物だ。20年以上も「MSX1」上で動作するゲームを作り続けており、ここ数年で開発された作品の1つがアドベンチャーゲームの『タロティカ・ブードゥー』である。プレイヤーは旅客機が墜落しつつある古い館を訪れ、夕食を終えないと動かないという住人たちに料理を食べさせ、彼らを救出しなければならない。タッチ&ポイント式のアドベンチャーゲームと、アナログ(インタラクティブ)な戦闘要素が組み合わさった作品である。
一見するとへろへろのグラフィックで「またレトロ模倣系のゲームか……」と思うかもしれないが、『タロティカ・ブードゥー』は東郷氏のゲーム哲学が詰め込まれた作品だ。インタラクティブに動作する仕掛けに、カーソルキーの上下で滑らかに動く戦闘システム。「豪華なグラフィックやサウンドを排除しても面白いゲーム」を作り続けている東郷氏が手がけた同作は、見た目以上のやりごたえがある。またパラパラ漫画のようなアニメーションも特徴。
現在は説明文が簡易なため英語圏のSteamユーザーからは受けが悪いようだが、ぜひ世界中のプレイヤーにプレイしてどのような反応を示すのか聞きたいところだ。Steam Greenlightではユーザーからの投票が集まり注目を浴びると、ValveからSteamでの配信を認められる可能性がある。