奇妙なシカとシカがたわむれる。ただそれだけのオンラインマルチプレイヤー型シカゲー『The Enldless Forest』リメイク版が始動

Tale of Talesは、『The Endless Forest』のリメイク企画を進行中だ。同作は2005年に無料公開されたPCゲームで、Tale of Talesが開発したあの奇妙なシカのゲームと言えば思いだす人もいるかもしれない。現在はIndiegogoにてクラウドファンディングを実施しており、4万ユーロの獲得を目指している。

Tale of Talesは、『The Endless Forest』のリメイク企画を進行中だ。同作は2005年に無料公開されたPCゲームで、Tale of Talesが開発したあの奇妙なシカのゲームと言えば思いだす人もいるかもしれない。現在はIndiegogoにてクラウドファンディングを実施しており、4万ユーロの獲得を目指している。

『The Endless Forest』はオンラインマルチプレイヤー型の作品で、プレイヤーたちはシカとなって自然の中を思い思いに探索し、ほかのシカたちと交流することになる。戦闘やサバイバルといったゲーム的な要素・数値は一切存在しないが、プレイヤーはシカのアバターを通じて多種多様な動作(Motion)や感情表現(Emotion)をすることが可能。逆に本作にはテキストとボイスどちらのチャットシステムも存在しないため、プレイヤーは動作と表現を活用して他人とコミュニケーションを取る必要がある。

オリジナル版の映像。匂いを嗅いだり笑い転げたりと、シカに用意されている動作・感情表現は30種類以上。相手のシカの姿を一時的に変える魔法も使うことができる

一切のゲーム要素を排除しコミュニケーションにスポットを当てたという内容や、国籍関係なくプレイヤー同士で交流できるデザインが本作の魅力だ。以前はハロウィンなどの季節ごとにイベントも実施され、根強いコミュニティが『The Endless Forest』の奇妙な世界観とリラックスしたゲーム体験を楽しんでいた。また、チャットシステムを介さず他のプレイヤーと交流を図るというデザインは、2012年に発売された『風ノ旅ビト(Journey)』に似た部分も感じさせる。

Tale of Talesによれば、オリジナル版の『The Endless Forest』はゲームエンジンに「Quest3D」を使用しているが、リメイク版ではUnreal Engineを採用する予定であるとのこと。もし今回のIndiegogoのキャンペーンで4万ユーロが集まらなかった場合でも、できる限りの範囲でオリジナル版になんらかの新規コンテンツを追加することを考えているそうだ。そしてオリジナル版がそうであったように、リメイク版『The Endless Forest』も無料で公開される予定となっている。

クエストも目的もパズルも存在せず、ただシカとなり森や草原の中でほかのシカとたわむれる『The Endless Forest』。

Shuji Ishimoto
Shuji Ishimoto

初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。

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