Take-Two、もうひとつの「GTA Online」を作っていたMod開発者の自宅へ“私立探偵”を派遣する?Mod開発者が「家に来て開発を辞めるよう迫られた」と報告


Take-TwoとRockstar Gamesは、『Grand Theft Auto V』においてModはシングルプレイヤー内での使用に限り許可しており、マルチプレイヤー「GTA Online」に影響を与えるケースでは厳しく対処するスタンスだ。そのため海外では、「GTA Online」とは異なるMod使用可の新マルチプレイヤーモードを作ろうとするModプロジェクトがいくつか立ち上がっていたが、とあるMod開発者の家へTake-Twoが雇った“私立探偵”がやってきたという話が伝えられている。海外メディアEurogamerが報じている。

別の「GTA Online」、認めず

マルチプレイヤーMod「FiveM」は、「GTA Online」とは完全に別のマルチプレイヤーを制作するModプロジェクトだ。「GTA Online」から独立したサーバー上で、プレイヤーはカスタムマップやユーザー製のゲームモードを自由にプレイすることができるという構想で、今年前半から開発が進められていた。一方でTake-TwoとRockstar Games側は、「FiveM」が海賊行為を助長するコードを含んでいるとみて、同Modの開発者たちを今年8月にもRockstar Social ClubからBANしたことを明らかにしていた。

参考記事: 【UPDATE】もうひとつの「GTA Online」を作ろうとした『GTAV』のMod制作者たちがBANされる

この「FiveM」の開発者のひとりが海外フォーラムRedditに投稿したところによれば、Take-Twoにより派遣されたふたりの私立探偵が自宅を訪ねてきたのだという。このふたりから電話を渡された開発者は、電話の向こうから話しかけらた人物に「FiveM」Modの開発を停止するよう間接的に迫られ、法的手段も辞さないことを伝えられたと説明する。

パブリッシャーが私立探偵を雇ってMod開発者にModの開発中止を迫るというケースは、前代未聞だろう。『GTA』次回作のミッションに収録されそうなこの証言が正しいかどうかについては判断できないが、投稿と同時期に別のマルチプレイヤーMod「GTA: Multiplayer」の開発中止が発表されており、こちらも開発者によりTake-Twoよりコンタクトがあったことが明らかにされている。Take-Twoが新たなマルチプレイヤーを擁立するModを根絶しようと動いている可能性は高いようだ。

Modの開発で裁判へと発展した事例は少ないが、過去にはBlizzard Entertainmentが、e-Sportsタイトルである『StarCraft II』のマップハックModを開発していたハッカー達を訴訟したことがある。ただ「GTA Online」はエンターテイメント志向の強いタイトルであり、そういった作品のModでこのような事態に陥るとは、「FiveM」Modの開発者は夢にも思っていなかっただろう。

とはいえ「GTA Online」は「GTAマネー」というマイクロトランザクションを導入しており、Rockstarからすれば有料コンテンツを無料で二次配布されてしまう可能性がある「FiveM」や「GTA:Multiplayer」の存在は放っておけないはずだ。今年8月、「FiveM」Modの開発者たちをBANした際に、Rockstarは「FiveM」プロジェクトは海賊行為を助長するようデザインされたコードを含む非認可の別マルチプレイヤーサービスです。我々のサービス利用に関するかような規約違反へのポリシーは明白であり、関係者のSocial Clubアカウントは停止されました」と公式声明を残していた。Modを許可するかどうかの権利は、当然パブリッシャーとデベロッパーにある。