初代PlayStation非公式互換機「SuperStation one」正式発表。独自半導体FPGAを用いて互換性を実現、HDMIやVGAでの出力も可能

「SuperStation one」は、初代PlayStationのゲームをプレイできる非公式の互換機だ。FPGAを利用して、PS1向けゲームとの互換性を実現しているという。

香港Retro Remakeは1月26日、初代PlayStation互換機「SuperStation one」を正式発表した。通常価格は225ドル(約3万5000円)で、出荷時期は2025年第3四半期頃が見込まれている。

本製品は、初代PlayStation(以下、PS1)のゲームをプレイできる非公式の互換機だ。開発元は、独自の回路設計をおこなえる半導体FPGAにより、クラシックゲーム機の動作を再現できるMiSTer FPGA互換のMiSTER Piを手がけていることで知られる企業。本製品においてもFPGAを利用して、PS1向けゲームとの互換性を実現しているという。

「SuperStation one」は、PS oneをモチーフにした筐体デザインを採用。グレー・ブラック・トランスルーセントブルーの3色展開となる。本体手前側面には、コントローラー端子とメモリーカードスロットが2つずつ用意され、PS1向けに発売された当時のコントローラーおよびメモリーカードを使用可能。

本製品では、ユーザーが保有するPS1ゲームをプレイできる。別売りの「SuperDock」にCDドライブが搭載されており(上の画像参照)、リージョンフリーで動作。また、MicroSDカードやUSBドライブを通じて、ユーザーがバックアップしたROMファイルを読み込んでプレイすることも可能とのこと。なお、ゲームの互換性の精度や、追加的な機能の有無に関しては現時点で言及されていない。

このほか、MiSTer FPGA向けに開発された、ほかのゲーム機との互換性を実現するコアの導入にも対応。たとえば、NINTENDO64やセガサターンのゲームもプレイ可能になるとのこと。また、本製品はオープンソースであることもアピールされている。

搭載する映像出力端子の豊富さも、本製品の特徴のひとつと言えそうだ。HDMIだけでなくVGAやコンポーネント、コンポジット、DIN10の各端子が、本体奥と左右の側面に並ぶ。音声出力についても、光デジタルとアナログ両端子が用意されている。クラシックゲームファンの多様なプレイ環境に対応する狙いがあるのかもしれない。

FPGAを採用するゲーム互換機というと、PCエンジンDuo互換機「Analogue Duo」や、ゲームボーイ等互換機「Analogue Pocket」などを手がけるAnalogueが知られる。ソフトウェアエミュレーションではない、ハードウェアレベルでの高い互換性などで人気である。PS1互換機自体はすでに存在しているが、FPGAを用いた製品はまだ珍しく、本製品「SuperStation one」にはかねてより大きな注目が集まっていたようだ。

「SuperStation one」は、公式ストアにて現在予約受付中。Founders Editionと通常版が販売されており、Founders Editionは149.99ドル(約2万3000円・セール価格)で、2025年第3四半期までに出荷予定。通常版は179.99ドル(約2万8000円・セール価格)で、2025年第4四半期までに出荷予定となっている。両モデルの仕様に違いはなく、Founders Editionは先行販売の特別版という位置付けだ。

また、CDドライブを搭載する専用周辺機器「SuperDock」は価格未定ながら、40ドル(約6200円)以下になるだろうとのこと。「SuperStation one」と一緒に予約しておくことで、後日正式な価格が伝えられる。なお、こちらも同じ3色展開となり、予約した本体と同じ色が割り当てられるそうだ。このほか製品の詳細は公式サイトを確認してほしい。

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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