列車旅謎解きゲーム『サンセットヒルズ』“未完成品”との指摘受け「賛否両論」スタート。収録コンテンツに関する説明不足を開発元が謝罪


デベロッパーのCotton Gameは8月21日、謎解きアドベンチャーゲーム『サンセットヒルズ』を配信した。対応プラットフォームはPC(Steam)。

本作はSteamユーザーレビューにて、リリース直後は好評一色だったものの、その後徐々に不評レビューが増え始め、本稿執筆時点では「賛否両論」ステータスに。主に本作のボリュームおよび販売手法についての批判の声が多く、これを受けて開発元は8月24日に声明を発表した。


『サンセットヒルズ』は、物語主導の謎解きアドベンチャーゲームだ。舞台となるのは、擬人化された犬のような姿をした人々が暮らす、19世紀初頭のヨーロッパをモチーフにした戦後の世界。主人公のニコは、かつての戦友たちを訪ねて各都市を列車で旅をする。

本作はエピソード形式で展開され、章ごとに異なる街・旧友を訪ね、さまざまな謎解きをこなしながら物語を進めていく。謎解きは、簡単なものから頭を使うものまでバリエーション豊富に収録。攻略するうえでは、街の各地を訪れたり住民と交流したりするなかで得られる情報やアイテムが重要となり、アイテムに関しては組み合わせたり分解したりすることも可能だ。物証などをカメラで写真に収める要素も存在する。


本作は、PC(Steam)向けに8月21日に配信開始。ユーザーレビューは、リリース後最初の100件ほどまでは好評率がかなり高かったが、やがて不評レビューが増え始め、本稿執筆時点では約260件の内の51%が好評とする「賛否両論」ステータスとなっている。絵本風の手描きビジュアルなどは好評ながら、不評レビューを見てみると「未完成品」といった趣旨の指摘が多い。

実は本作は全5章で構成される予定となっているが、製品に収録されているのは最初の2章のみ。残りの3章はDLCとして来年以降に販売される。ただ、こうした情報は本作の公式WeiboKickstarterページには掲載されたが、現状Steamストアページ上では説明されていない。また、Weiboへの掲載タイミングが発売当日であるなどし、消費者を騙している・価格に見合わないなどとして、ユーザーから不評レビューが投じられている状況だ。

こうした批判の声を受けて開発元Cotton Gameは8月24日、公式Weiboを通じて声明を発表。製品には2章分のコンテンツしか収録されていないことを事前に説明せず、皆に不快な思いをさせてしまったとして謝罪した。そして、プレイヤーの声に耳を傾け、今後何らかの調整をおこなうと約束した。


本作は1話完結型で展開されるため、明らかに物語の途中で第2章を終えるという格好ではない。ただ、各章の中では次の目的地や会う旧友が示唆され、エンディング後にはまだ続きがあることが示される。2章分のボリューム(公称8時間程度)が価格(定価2000円)に見合うかどうかは、個人の価値観によるところが大きいだろうが、結果としては先述したように多くの不評を買ってしまった。

製品には全5章の内の2章分のみが収録されていることを、あらかじめストアページにて説明していたら、ユーザーの反応は異なっていたかもしれない。続く3章以降が有償DLCではなくアップデートにて追加される予定だったなら、価格への不満の声も上がらなかっただろうが、これについては開発元の予算などの事情があるのだろう。開発元は今後何かしらの対応をおこなうとしており、注目されるところだ。

『サンセットヒルズ』は、PC(Steam)向けに配信中。体験版も配信されている。10月3日には、日本語テキストが正式実装される予定だ。また、本作のNintendo Switch/PS5/PS4/Xbox/iOS/Android版が今後配信予定となっている。