英国女王が築いた宇宙大英帝国が舞台 。ヴィクトリア朝SFストラテジー『Sunless Skies』がアナウンス

Failbetter Gamesは、イギリスのゲームイベントEGX 2016にて、『Sunless Sea』の続編『Sunless Skies』を発表した。現在は製作の早期段階で、2017年2月にKickstarterによるクラウドファンディングを開始する予定だ。

Failbetter Gamesは、イギリスのゲームイベントEGX 2016にて、『Sunless Sea』の続編『Sunless Skies』を発表した。現在は製作の早期段階で、2017年2月にKickstarterによるクラウドファンディングを開始する予定だ。

Failbetter Gamesは過去作『Fallen London』『Sunless Sea』にて堕落したヴィクトリア王朝での物語を描いてきた。今回発表された『Sunless Skies』は、ヴィクトリア王朝ロンドンをまた異なる姿で描きつつ、『Sunless Sea』の要素を引き継いだ作品となる。

前作『Sunless Sea』はマップのランダム生成やパーマデス(死んだら復活せず最初からやり直しとなるシステム)などローグライクなゲーム性を取り入れた作品。冒険をしながら行く先々で物語が繰り広げられることから『FTL: Faster Than Light』と比較されることも多い。

ただし物語や舞台設定はまったく異なり、プレイヤーは蒸気船の船長として、船の燃料・耐久度、乗組員の食料などのリソースマネジメントを行いながら暗闇に包まれた海原を航海。スチームパンク・ゴシックな世界観とクトゥルフ神話がミックスした海と島々を舞台に、乗組員や島に暮らす人々のドラマが語られていく。航海中に命を落とすと復活できず、はじめからやり直しになるが、資産の一部や能力を次の船長として引き継ぐことができる。何人もの船長として死を繰り返し、少しづつノウハウを蓄えていくゲームだ。

前作『Sunless Sea』で本拠地となるFallen London
前作『Sunless Sea』で本拠地となるFallen London

今年10月11日には『Sunless Sea』の拡張コンテンツ「Zubmariner」がリリースされる。拡張コンテンツとして、サブマリンならぬ「Zubmarine」が導入され、暗闇に覆われた海原の奥深くへと潜りこんでいく。海底の世界は自動生成され、また未知の怪物や宝がプレイヤーを待ち受ける。

 

スチームパンクと宇宙SFの融合か

そんな『Sunless Sea』の続編となる『Sunless Skies』。まだ製作が本格化する前であり、Failbetter Gamesがアナウンスした内容によると、アートコンセプト、ストーリー案を出しつつ、前作からどの要素を引き継ぎ、進化させるか議論している段階とのこと。

『Sunless Sea』のように豊富な物語、ヴィクトリア王朝の世界観が中心になるのは変わらず。英国女王がロンドンを捨て、宇宙という未開地であらたな大英帝国を築き上げる。『Sunless Skies』の世界においては、星たちがこの広い宇宙の原理・法則の制定者であり、同時に採決者・実行者でもある。しかし世界は変革の時期にさしかかり、星たちが死につつあるという。

Failbetter Gamesは、本作の製作にあたり影響を受けた作家として、H. G. WellsやC. S. Lewis、そして惑星冒険もので有名なLeigh Brackettを挙げた。そのほか、アール・ヌーヴォーのアート、宇宙SF映画の「イベント・ホライゾン」、汽車の3つを並べている。過去作のゴシックな世界観に宇宙SF要素を加えた、新しい試みとなりそうだ。また、この並びの中では「汽車」という単語が気になるところ。「銀河鉄道999」のような列車型の宇宙船で旅をするのかもしれない。

本作がKickstarterでのクラウドファンディングに成功すれば、前作同様、早期アクセスを利用した本格的な開発段階に移行する。正式リリース時にはWindows/Mac/Linuxに対応予定。大海原から宇宙へ。あらたなヴィクトリア王朝の世界に飛び立つ日を待ちたい。

Ryuki Ishii
Ryuki Ishii

元・日本版AUTOMATON編集者、英語版AUTOMATON(AUTOMATON WEST)責任者(~2023年5月まで)

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