Ubisoftは7月18日、『スター・ウォーズ 無法者たち』の新たなゲームプレイ映像を、海外メディアIGNを通じて公開。それを視聴したファンから、本作の品質について不安視する声が寄せられているようだ。海外メディアPC Gamerが報じている。
本作は、「スター・ウォーズ」をもとにしたオープンワールド・アクションアドベンチャーゲームだ。開発は、『The Division(ディビジョン)』シリーズなどで知られるMassive Entertainmentが担当。映画「スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲」と「スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還」の中間にあたる時期の銀河系を舞台に、盗賊である主人公ケイ・ヴェスたちが成り上がるチャンスを探し求める姿が描かれる。
今回公開されたのは、『スター・ウォーズ 無法者たち』の約10分にわたるゲームプレイ映像だ。舞台となるのは惑星タトゥイーン。映像冒頭では主人公ケイが、商売人であるジャワのサンドクローラーを訪れる。自らの宇宙船に搭載するタレットを入手することが目的だ。これに対しジャワは、サルラックの2番目の口にある歯との交換を持ちかけ、ケイはサルラックの捜索に向かう。
サルラックは、蟻地獄のような大穴の底で口を開けている、映画にも登場した巨大クリーチャーだ。ケイは、スピーダーに乗って砂漠地帯を探索するなかで、幸運にもサルラックの死骸を発見する。ただ、その歯は闇市場で高値で取引されていることもあってか、盗賊の先客が存在。ケイは、サルラックの体内で歯を入手するも、盗賊に奪われてしまう。
映像後半では、ケイはサルラックの歯を取り戻すために盗賊の拠点へと乗り込む。そして敵と激しい銃撃戦を繰り広げながら歯を奪還し、拠点から脱出。その後ジャワのサンドクローラーへと戻ってクエストを完了させ、宇宙船のレーザータレットがアンロックされる流れとなっている。
このゲームプレイ映像に対しては、好意的に受け止める声が数多く寄せられている一方で、不安視するような意見も少なくない。ゲームプレイの内容自体はおおむね好評ながら、主にビジュアル・パフォーマンス面への不満の声が聞かれるのだ。当該動画のコメント欄やRedditでは、たとえば爆弾が爆発するエフェクトや、サルラックの体内を歩く際に揺れる液体のアニメーションなどの不自然さ、安定しないフレームレート、一部環境のテクスチャ解像度の低さなどが指摘。また、戦闘中の敵のAIがあまり賢くないのではとの意見もみられる。
本件を報じる海外メディアPC Gamerは、こうした反響を受けてか当該動画に対しては、約8000件の高評価に対し約1万3000件もの低評価が投じられていると報告。YouTubeでは、通常は低評価数は非表示となっているが、おそらく推測値を表示させるブラウザ拡張機能を利用して確認したのだろう。本稿執筆時点では、高評価が約8500件、低評価が約1万5000件となっている。なお、同拡張機能が算出する低評価推測値は必ずしも正確ではないため、参考程度に受け止めたい(関連記事)。
今年6月に公開されたゲームプレイ初公開映像(上に掲載)は好評であったことから、今回の新たな動画の公開を受け、本作の品質がダウングレード(劣化)したのではないかという意見も一部に聞かれる。そうした本作を不安視する声は投資家の耳にも届いているようで、ちょうど昨日7月18日に開催されたUbisoftの2024〜2025会計年度第1四半期の業績発表における会見では、本作の発売を延期する可能性について問う質問が飛んだという。
その質問に対し同社CFOのFrederick Duguet氏は、本作はすでに開発完了しており、予定どおり8月30日に発売するとコメント。また、複数の惑星の探索を楽しめるオープンワールドの奥深さを伝える、非常に高品質なコンテンツについて今後も披露するとし、それによって高いクオリティの作品を届けられることを示せるだろうとも述べた。同社CEOのYves Guillemot氏も、本作のゲーム世界や体験の品質は非常に高いとし、みな気に入るだろうと自信を語ったとのこと。
今回公開されたゲームプレイ映像には「開発中」を示す表記がないことから、製品版相当のゲーム内容が披露されたものと考えられる。映像に対しては、先述したような不安視する意見がある一方で、それを過剰な批判であるという見方をするファンも少なくない様子。ともあれ、開発完了後であっても、大型タイトルにおいては発売日やそれ以降に改善パッチが配信されることも珍しくない。開発元Massive Entertainmentの対応が今後注目されそうだ。
『スター・ウォーズ 無法者たち』は、PC(Ubisoft Store)/PS5/Xbox Series X|S向けに8月30日発売予定だ。