『Just Cause 3』が一部地域でフライング配信される。欧州スクエニ、ダウンロードしたユーザーを締め出すどころかパッチでサポートへ


スクウェア・エニックスは12月1日に『Just Cause 3』を欧米向けに発売する。南国の島を舞台に破壊と混乱の限りを尽くすアクションゲーム『Just Cause』シリーズ最新作だ。本作は日本国内でも2016年に1月に発売を予定している。海外版と比べ規制がされていないことや、日本語と英語の音声の切り替えを搭載することが既に発表されており、日本国内ユーザーからの期待も高い。

 

先がけての配信

そんな発売を控える『Just Cause 3』の周囲が騒々しくなっている。発売前にもかかわらず、ゲーム本編が一部地域に誤って配信されたことがきっかけだ。スクウェア・エニックス・ヨーロッパのコミュニケーションマネージャーであるPetra Opelova氏は公式ブログで『Just Cause 3』が事前に配信されてしまったことを認めた。しかし意外であったのは、ダウンロードしたユーザーを処分したり咎めたりせず、それらのユーザーのためにパッチを配信すると公表したことだ。

“こんにちは、一部地域で既に『Just Cause 3』ができる状態であったことがわかりました。たくさんのユーザーが、発売よりも少し先に冒険に出ているみたいですね。しかし、そのゲームはまだパッチがあてられてないバージョンです。ゲームプレイを改善するパッチを今から24時間以内に配信します。見逃さないようにしてくださいね!”

通常、メーカーが誤ってフライング配信などを行った場合は、ユーザーに注意を喚起したり謝罪をしたりすることが多い。しかしスクウェア・エニックス・ヨーロッパはそのどちらもせず、むしろフライングユーザーのために発売前のパッチ配信を行うと述べた。redditでは「地域によって配信時期が平等ではない以上、良いサポートとは言えない」と懐疑的なユーザーもいる一方で、「ダウンロードをしたユーザーもちゃんとお金を払っているので然るべきサポートを受けるべきだし、評価できる」と好意的な評価をするユーザーも多い。

ただ配信されたのは発売初日にリリースされるDay Oneパッチで、カメラ、バグ、物理エンジンと多岐にわたるゲームプレイの改善を含んだアップデートだったようだ。スクエニは単なる善意からではなく、ユーザーたちが古いバージョンに触れて悪い評判が広まらないよう迅速なパッチ対応をした、という見方もできるかもしれない。『Just Cause 3』は2012年から約3年ものあいだ開発が続けられ、シリーズ初のPC/次世代機向けタイトルでもあるなど開発コストは積み重なっており、今回の対応にはスクウェア・エニックスの『Just Cause 3』に対する意識のあらわれでもあると言える。