ソニーは英国のゲーム開発スタジオ「Evolution Studios」を閉鎖したと発表した。「Evolution Studios」は2014年10月にリリースされたPS4向けレーシングゲーム『DriveClub』の開発を担当していたスタジオとして知られる。昨年3月にはレイオフが実施され、現地メディアの報道では55人がスタジオを去ったとも伝えられていたが、それから1年が経ちスタジオ自体が消滅することとなった。
ソニーはEurogamerやGamespotなどの海外メディアに対し公式声明を発表。「Evolution Studios」の有能なスタッフを失うリスクがあるものの、他スタジオがすでに進行しているプロジェクトへリソースを集中するため、やむを得ず閉鎖を決断したと説明している。「Evolution Studios」の元スタッフたちに関しては、出来る限りほかのプロジェクトへと再配置するよう尽力しているという。
1999年に設立された「Evolution Studios」は、PlayStation 2向けのレーシングシリーズ『World Rally Championship(WRC)』や初代『MotorStorm』を世に送り出し、のち2007年にソニーによって買収された。最後の作品となった『DriveClub』は、当初PlayStation 4のローンチタイトルとして開発されていたものの、発売が1年ほど延期。リリース時にはサーバーへのログイン問題や、雨天表現が実装されていない点、またPlayStation+ユーザー向けの無料版が用意されていないことがユーザーから批判を浴びていた。
一方で「Evolution Studios」はその後も継続的なアップデートを続けており、2014年12月のアップデートによる各種要素の充実のほか、昨年10月にはスピンオフの『DriveClub Bikes』も配信。今年に入ってもDLCがリリースされていた。オンライン上でフレンドたちとカジュアルにプレイできるレースゲームへ成長する可能性もあった作品だけに、スタートダッシュに失敗したことが悔やまれる。なお2015年10月にはVRヘッドセット「PlayStation VR」に対応した技術デモが展示されていたが、こちらのプロジェクトに関する続報は今回明らかにされていない。