『サイレントヒル2』原作ディレクター、リメイク版を褒めつつ「肩越し視点化」を喜ぶ。“当時の限界”はカメラワークにあった

コナミデジタルエンタテインメントは10月8日、『SILENT HILL 2(サイレントヒル2)』リメイク版を発売した。発売に際して、オリジナル版のディレクターであった坪山雅史氏がリメイク版の変化について喜ぶ反応を示している。

コナミデジタルエンタテインメントは10月8日、 PS5/PC(Steam)向けに 『SILENT HILL 2(サイレントヒル2)』リメイク版を発売した。本作発売に際して、オリジナル版のディレクターであった坪山雅史氏がリメイク版の変化について喜ぶ反応を示している。特に「カメラワークの変更」は、同氏にとって印象深い変化のようだ。

本作は、2001年にPS2向けに発売されたサイコロジカルホラーゲーム『SILENT HILL 2』のリメイク版だ。舞台となるのは、霧の街サイレントヒル。亡き妻からの手紙を受け取ったジェイムスは、2人の思い出の地であるこの街で彷徨い、現実とは思えない世界へと迷い込むこととなる。リメイク版の開発を手がけるのは、ホラーゲーム『Layers of Fear』シリーズや『The Medium』などを手がけたポーランドのスタジオBloober Teamだ。


本作はデジタルデラックス版の特典として10月6日から先行プレイが可能となっており、先行プレイ時点から好評を獲得。Steamユーザーレビューにて本稿執筆時点で約4500件96%が好評とする「圧倒的好評」ステータスを得ている。

好調な滑り出しを見せている本作について、原作であるPS2版『SILENT HILL 2』のディレクターである坪山雅史氏の反応が話題となっている。同氏はリメイク版のプロモーションについてはほんのり不満を述べつつも、リメイクに際して変更が加わったカメラワークなども含めてゲーム部分について喜びの声を伝えている。


坪山氏は、別のポストでリメイク版のグラフィックを「正当な進化(legitimate evolution)」だと褒めたほか、変更が入ったカメラワークにも言及。俯瞰視点で進行する原作版と違い、リメイク版は肩越しのTPS視点へと変更されている。同氏によれば、当時のカメラワークには「正直なところ満足していなかった」という。処理負荷による奥行制限や角度制限など技術的な制限がかかっていたそうで、当時の限界であったとのこと。一方で同氏は、「リメイク版の肩越し視点は、確実に臨場感が増します。」とコメント。臨場感の増したリメイク版をプレイしてみたくなったとも伝えている。

なお坪山氏は先行プレイが開始された10月6日に、リメイク版の開発元Bloober Teamのポストに対し「good job!!!」とねぎらいの言葉をかけている。また、リメイク版にポジティブなレビューが集まっていると報じたポストには「サイレントヒルが現代に復活した!」と反応するなど、リメイク版の好調を喜んでいる様子だ。なおカメラワークの変更についてはSteamユーザーレビューでも高評価を集めている要素となっている。 


ちなみに坪山氏は、リメイク版のプロモーションについては苦言もこぼしている。特に特典である「ミラのマスク」「ピラミッドヘッドのマスク」といったジェイムスの頭着せ替え装備については、世界観に沿わず、スクショや動画として広まってしまうことから複雑な想いもあるようだ。

とはいえリメイク版でのゲームプレイ部分の変化については、原作のディレクターである坪山氏が直々に喜びの声を寄せた格好だ。“当時の限界”であったという俯瞰視点について開発者として満足いかなかったことなども明かされており、興味深いコメントと言える。発売後もリメイク版には好評が寄せられており、開発者お墨付きのリメイクは引き続き好調な滑り出しを見せている様子だ。

『SILENT HILL 2(サイレントヒル2)』リメイク版はPS5/PC(Steam)向けに発売中。なお本作コンソール版は、1年間のPS5時限独占が予定されている。

Daijiro Akiyama
Daijiro Akiyama

ゲームをすることと、ゲームの話をしたり聞いたりすることが同じぐらい大好きです。

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