戦火に巻き込まれる兄妹の絆を「2.5D」で描くADV『Silence』11月15日Steamなどで配信へ、日本語にも対応
ドイツに拠点を構えるパブリッシャーDaedalic Entertainment(以下、Daedalic)は、11月15日(日本時間11月16日)にSteam/GOG/Humble Storeにてアドベンチャーゲーム『Silence』をリリースすると発表した。『Silence』の舞台となるのは戦火が広がる極北の地。主人公である「ノア」は愛する妹「レニー」とふたりで防空壕にて身を潜めていた。しかし無慈悲にも激しい空襲が防空壕を襲い、ふたりは意識を失ってしまう。目が覚めたノアは周囲の異変を感じ取り、行方の見えないレニーを探すうちに、おとぎ話の国「サイレンス」へと辿り着く。しかしおとぎ話の世界にも現実世界とはまた異なる戦争が迫っていた。
『Silence』の特徴は、2Dを背景に3Dキャラが動く「2.5D」とも表現できるビジュアルだろう。こうした手法はアドベンチャーゲームでは1990年代から取り入れられているが、本作の2Dは特に描き込まれており、3Dと見間違えるほどの立体感となっている。一部のオブジェクトは実際に3Dのものもあるようだ(カットシーンはすべて3Dで進行)。横スクロールのアドベンチャーゲームながら、多様なカメラワークで迫力のある映像が楽しめる。システムはシンプルなポイントアンドクリックであり、オブジェクトをクリックすることで物語が進んでいく。スペースキーを押せば調べられるポイントが表示されるといったヒント機能も実装されている。
開発と販売を担当するDaedalicは、『Deponia』シリーズを代表に数々のアドベンチャーゲームを開発してきた実績を持つ。『Silence』は『The Whispered World』の間接的な続編であるものの、前作とはやや毛色の異なるビジュアルだ。「リアル調のグラフィック」「ファンタジー色の強い2D背景」「シリアスな雰囲気」があり、Daedalicの作品のなかでも名作と名高い『Memoria』を彷彿とさせるタイトルとして期待されている。
Daedalicのテキストアドベンチャーゲームは、評価は高いものの全編英語ということで手を出しにくかった日本のユーザーも多いだろう。『Silence』は日本語字幕が用意されており、言語の壁に苦しまずプレイできるのが嬉しい。Daedalicは近年日本を意識した展開を続けており、ターン制RPG『Blackguards』シリーズやバイキングとして集落を運営するシミュレーション『Valhalla Hills』などには日本語ローカライズを施してきた。一方で、テキストの多いポイントアンドクリック形式のアドベンチャーゲームでは、ローカライズは行われてこなかった。
『Silence』はDaedalicの真打ちともいえる横スクロールのアドベンチャーゲームを公式に日本語で楽しめる初の作品ともいえる。Steamストアではデモが配信されているので、気になる方は美しくも緊張感のある世界に触れてみてほしい。