米労働組合SAG-AFTRAがゲーム声優のストライキを近日予定、18か月の交渉の末に待遇改善なければ決行

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米国の労働組合SAG-AFTRAは、ゲーム業界で活躍する声優および俳優の待遇改善を訴えるインタラクティブメディア協定ストライキを、今月21日にも実施する構えであることを明らかにした。協定の見直しは2015年2月からおよそ18か月にわたって交渉されてきたが、いまだに対象の大手各社は待遇改善を受け入れていない。昨年10月には、組合にストライキの実行権限を与えるための承認投票が過半数の賛成票により可決された。現在SAG-AFTRAは最終交渉に入っており、決裂した場合はストライキを実施する予定だ。

 

声の実行力

SAG-AFTRA(Screen Actors Guild‐American Federation of Television and Radio Artistsの略)は、映画・テレビ・ゲーム業界に携わる俳優や声優、ジャーナリスト、ラジオ番組のパーソナリティを代表するアメリカの労働組合。2012年の発足以来、およそ16万人が加入している。エンターテイメント分野の中でも特に急成長を続けるゲーム業界は、いまや莫大な経済効果を生み出しており、破竹の勢いで拡大していく市場規模はもはや宝の山といえる。今回のストライキのきっかけになったインタラクティブメディア協定は、20年以上も前に締結されたものだ。技術革新と共に負担が増すゲーム声優や俳優、モーションキャプチャー担当アーティストに対する待遇の改善を求めて、組合は長きに渡って大手各社との交渉を続けてきた。

旧英語版スネークのDavid Hayter氏も参加
旧英語版スネークのDavid Hayter氏も参加

協定の締結先には、Activision PublishingやElectronic Arts Production、Disney Character Voices、Take 2 Interactive Software、WB Gamesなど、ゲーム作品の演出に俳優や声優を雇用する多くのパブリッシャーが名を連ねている。昨年10月、96.5パーセントの賛成で可決されたインタラクティブメディア協定ストライキ承認投票は、組合メンバーがただちにストライキを実行することを意味しているわけではなく、同組合にストライキ実行を発表する権限を与えるというものだった。その際、『Deus Ex』シリーズの主人公Adam Jensenを演じるElias Toufexis氏や、『バイオハザード』シリーズのウェスカー役を務めるD.C. Douglas氏、『Mass Effect』シリーズのFemshep役で知られるJennifer Hale氏といった、多くの著名人が諸手を挙げて支持していた。

SAG-AFTRAは組合メンバーへの通知書(リンク先はPDF)の中で、次のような声明を発している。「ストライキ態勢にある労働者たちは、まだゲーム業界がプロのパフォーマーを起用し始めたばかりだった20年以上前に作られた規約のもとでいまだに働き続けています。以来ゲームはより没入感あふれる映画のような体験を提供できるまでに進化しており、もはや消費される金額の観点からテレビや劇場映画に引けを取りません。いまこそ成長を遂げた業界がプロのパフォーマーに対して、組合が築き上げ世代を超えて守り抜いてきた慣例と水準に基づいた相応の対価を支払う時なのです」。なお、今回のストライキが決行されれば、2015年2月17日以降に制作を開始した全ての該当作品を対象に、声の演出やモーションキャプチャーに携わる全ての組合メンバーが、待遇が改善されるまで労働を放棄することになる。

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カナダ育ちの脳筋女子ゲーマー。塾講師、ホステス、ニュースサイト編集者を経て、現在はフリーライター。下ネタと社会問題に光を当てるのが仕事です。洋ゲーならジャンルを問わず何でもプレイしますが、ヒゲとマッチョが出てくる作品にくびったけ。Steamでカワイイ絵文字を集めるのにハマっています。趣味は葉巻とウォッカと映画鑑賞。ネコ好き。