一般人を虐殺する不道徳ゲームの帝王「初代ポスタル」がHDリマスターでよみがえる、PC/PS4で『Postal Redux』が今春発売へ

米国のゲーム開発スタジオ「Running With Scissors」は、1997年に発売された初代『Postal』のHDリマスター版『Postal Redux』を正式発表した。

米国のゲーム開発スタジオ「Running With Scissors」は、1997年に発売された初代『Postal』のHDリマスター版『Postal Redux』を正式発表した。2016年春にWindows/Mac(Steam)およびPlayStation 4向けにリリース予定。『Postal』シリーズの作品が家庭用コンソールに登場するのは今回が初となる。

『Postal』シリーズとは、1997年からRunning With Scissorsが手がけてきたアクションゲームシリーズだ。シリーズ一貫して”不道徳”で”ブラック”な内容が満載となっているのが特徴。3部作のなかでもっとも評価が高い一人称視点アクションの『Postal 2』は、「並ぶのが面倒なので頭をシャベルでぶん殴る」など、現実世界にもある面倒なストレスを誇張し、それを暴力的手段で解決できるゲーム内容で人気を博した。続編の『Postal 3』はロシアのAkellaスタジオと協力し三人称視点アクションとして開発されたが、自由度が減少し一本道な残虐TPSとなったことで、従来のファンの大半からは低い評価を与えられている。

一方で、初代『Postal』はこの続編2作とはガラリと異なる、見下ろし視点の2Dアクションシューターとなっている。頭のイカれた主人公「ポスタル・デュード」は、銃を片手に町なかの一般人や警察をとにかく虐殺してゆく。ユーモアがある続編と比較すると、より不気味な雰囲気で描かれているサイコスリラー作品だ。ここ最近で言えば、Destructive Creationsが手がけた2015年6月発売の『Hatred』は、この初代『Postal』から多大な影響を受けている。

『Postal Redux』ではオリジナルの残忍なビジュアルをパワーアップしつつ、新規モードとなる「ランページモード」が追加されている。ランページモードはスコアアタック形式のプレイが楽しめるモードで、プレイヤーには各レベルごとに成績に準じたグレードが与えられる。

2011年にリリースされた『Postal 3』でデュードも笑えないほどの失敗を犯したRunninng With Scissorsだが、昨年4月には『Postal 2』のまさかの続編「Paradise Lost」をリリースするなど、まだまだ不道徳ゲームの帝王『Postal』への情熱は尽きていないようだ。『Postal Redux』が世間からどういう反応を受けるか眺めつつ、今後も『Postal』シリーズの新たなコンテンツや作品が登場することに期待したい。

Shuji Ishimoto
Shuji Ishimoto

初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。

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