『英雄伝説 黎の軌跡』Steam版に、パフォーマンス向上系大改修アプデ配信。国産ゲーム最適化・移植のスペシャリストが手がける

開発者のDuranteことPeter Thoman氏は10月16日、RPG『英雄伝説 黎の軌跡』のPC(Steam)版向けに最新パッチを配信したと発表した。

開発者のDuranteことPeter Thoman氏は10月16日、RPG『英雄伝説 黎の軌跡』のPC(Steam)版向けに最新パッチを配信したと発表した。およそ1年3か月ぶりのパッチ配信であり、多数の機能追加や修正が実施されている。

Durante氏は、ModderとしてPCゲームの改善Modを手がけてきたことで知られる人物だ。2019年にPH3 Gamesを設立して事業化し、本作ではPC向け移植を正式に担当。パッチ開発もおこなっている。

『英雄伝説 黎の軌跡』は、日本ファルコムが手がけたRPGだ。多民族国家カルバード共和国を舞台とし、探偵から交渉人、賞金稼ぎまで何でもこなす裏解決屋(スプリガン)である主人公のもとに、とある奇妙な依頼が舞い込んだことをきっかけに、やがて国を震撼させる事態へとつながる物語が展開される。フィールドバトルからコマンド型バトルへとシームレスに移行するバトルシステムや、街中で入手した小ネタを交渉材料にして有利な状況を作り出すトピックシステムなどが特徴となっている。

本作は、PS4向けに2021年に発売され、その後PS5やNintendo Switch、そしてPC(Steam)向けに移植。PH3 Gamesが移植開発を担当したPC版では、21:9ウルトラワイドモニター対応や、最大360fps対応、キーボード&マウス操作の追加、多彩なグラフィックオプションの追加などが実施。Steamのユーザーレビューにて、本稿執筆時点で約970件のうち91%が好評とする「非常に好評」ステータスを獲得している。

今回PC(Steam)版向けに配信されたパッチ1.4.0では、まずDLSS・XeSS・TAAといったアップスケーリングおよびアンチエイリアス技術の設定が追加。続編『英雄伝説 黎の軌跡II -CRIMSON SiN-』にて導入されていた技術を取り入れた格好で、ビジュアルの品質を維持したままより高いパフォーマンスで動作することが期待される。

このほか、カラー精度設定には、カラー精度のわずかな低下を引き換えにレンダリングパフォーマンスを優先するオプションが追加。高品質ポストプロセスの設定も追加されている。また、使用コントローラーのボタンアイコンに自動的に対応するようになったほか、DualSense/DUALSHOCKコントローラーのタッチパッドへのボタン設定対応なども実施。不具合の修正も多数おこなわれており、詳しくはパッチノートを確認してほしい。

ちなみに、PH3 Gamesを率いるDurante氏は、最適化が不十分なままリリースされたPC版『ダークソウル』向けに、高解像度化や高フレームレート対応、各種設定の追加などを実現するMod「DSFix」を手がけたことなどで知られる。その後、メーカーから直接依頼を受けてPC向け移植版のパフォーマンス改善に取り組むことが増えていった(関連記事)。特に日本ファルコム作品とは縁が深く、本作を含む多くのタイトルでいちから移植開発を任されている。

『英雄伝説 黎の軌跡』は、PC(Steam)およびNintendo Switch/PS5/PS4向けに発売中だ。

【UPDATE 2025/10/16 14:19】
一部の画像が他作品のものとなっていた点を修正

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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