“FPSの父”こと『DOOM』開発者のゲームスタジオ、勝手に「閉鎖扱い」されて反論。まだ終わってない
Romero Gamesは7月7日、X上で声明を発表。同スタジオについては「閉鎖疑惑」が浮上しており、それを直接否定する声明となっている。

デベロッパーのRomero Gamesは7月7日、公式Xにて同スタジオは「閉鎖していない」との声明を発表した。未発表だった新作FPSのパブリッシャーを失ったという発表から発生した、同スタジオが「閉鎖されたのではないか」とする憶測に公式に回答したかたちだ。
Romero Gamesは、id Softwareの共同設立者であり、『DOOM』や『Quake』の生みの親であるJohn Romero氏とBrenda Romero氏の夫妻によって設立されたスタジオ。これまで『DOOM』のパッチエピソードである『SIGIL』や、その続編の『SIGIL II』をリリースしてきた。
Romero Gamesは7月3日、公式Xにて同スタジオが手がけていた新作FPSが、他スタジオの複数タイトルと同様にパブリッシャーによる資金提供を取り消されたと発表した。ちょうど7月2日にはマイクロソフトの大規模レイオフと、それによる複数タイトルの開発中止、スタジオの閉鎖などがアナウンスされたばかり(関連記事)。マイクロソフトのレイオフと同時期に発表されたこともあり、レイオフと新作開発中止が関係しているとの見方が寄せられていた。
さらにRomero Gamesに在籍していたテクニカルアーティストのLeslie Stowe氏はLinkedinにて、マイクロソフトのレイオフの影響を受け「スタッフ全員が解雇される」と投稿。開発中止と、在籍スタッフによる“証言”もあり、Romero Gamesが閉鎖されるのではないかという憶測が立っていた。
そんな中同スタジオは7月7日に公式Xを更新。不正確な報告に対し、事実を明確にするためとして、噂の真偽を明らかにした。まず、新作タイトルについては開発を中止したことについては真実であるとのこと。資金提供を中止したパブリッシャーについては機密保持契約のため明かせないとしつつ、すでに明かされている情報から推測できるかもしれない、と明言を避けた。Romero Gamesのシニアプロデューサー、Emily Winter氏は自身の投稿で、「マイクロソフトのレイオフの影響を受けている」と述べており、各メディアも実質的にマイクロソフトがパブリッシャーとして報じているかたちだ。
一方で、同スタジオはスタッフの雇用状況についてもコメント。「資金提供の中止のため、スタッフ構成を見直す必要がある」と、レイオフの可能性を示唆しつつ、Romero Gamesは現時点では閉鎖されておらず、そうならないよう全力を尽くし、チームと今後の対応を議論していると発表。それ以外の情報は事実と異なるとして「閉鎖疑惑」を直接否定した。
なお開発中止となったタイトルについては、現在複数のパブリッシャーから、新作タイトルについて支援が申し出されているようで、その機会を検討しているとのこと。現時点では開発中止とアナウンスされているものの、まだ希望は潰えていないようである。