ヒット中ローグライト・スロット『CloverPit』を無断コピーした「偽モバイル版」が早々に出現。本家開発元も注意喚起
Panik Arcadeは9月29日、ローグライト・スロットマシンゲーム『CloverPit』に関して、本作を無断コピーしたiOS向けアプリが配信されているとして注意喚起した。

デベロッパーのPanik Arcadeは9月29日、先日リリースしたローグライト・スロットマシンゲーム『CloverPit』に関して、本作を無断コピーしたアプリがiOS向けに配信されているとして注意喚起した。
本作は、スロットマシンで借金を返済するホラー要素のあるローグライトゲームだ。プレイヤーは独房内でスロットマシンをプレイし、各ラウンドの目標金額を稼ぐことを目指す。ラウンド間にはさまざまな効果を持つアイテムを入手でき、そのシナジーを活かすことで報酬がインフレしていくが、借金を返済できないと死が待っている。

『CloverPit』は、PC(Steam)向けに先日9月27日に配信開始。開発元は本作について「『Balatro』と『Buckshot Roulette』が合体したような悪の産物」と表現しており、まさにそれらの人気作にも通じるインフレの爽快感と生死を賭けた緊張感の組み合わせなどが評価され、本稿執筆時点でSteamのユーザーレビューでは約3500件のうち91%が好評とする「非常に好評」ステータスを獲得。また同時接続プレイヤー数は、これまでのピーク時に約2万1000人に達しており、かなりの人気となっている(関連記事)。
そんな本作について、「偽アプリ」が登場したという。開発元Panik Arcadeは9月29日、何者かが『CloverPit』を盗み、iOS版としてApp Storeにて販売しているとSNSに投稿。そして、同アプリはPanik Arcadeが手がけたものではなく、またまともにプレイできる代物ではないとして、購入しないようファンに注意喚起した。
その偽アプリは、CIGDEM ALPTEKINなるデベロッパーが9月27日にリリースした『CloverPit Game』だ。800円の有料アプリとして販売され、ゲーム内のコインが課金要素とされていた模様。App Storeのストアページを確認すると、スクリーンショットなどは本家『CloverPit』のものがそのまま使用されている。
Panik Arcadeによると、偽アプリ『CloverPit Game』はApp Storeの販売ランキングの上位に入っていたという。日本でも、筆者が確認した時点では「エンターテインメント」カテゴリにて2位にランクインしていた。App Storeのユーザーレビュー内容からは、『CloverPit』というゲームが人気だと知ってApp Storeで検索し、『CloverPit Game』が正式なモバイル版であると誤認して購入したユーザーが多かったことがうかがえる。

一方でユーザーレビューによると、偽アプリ『CloverPit Game』はバグが多く、またやたらと課金を要求してくる仕様に改変されていたようで、多数の低評価が投じられた。なお、本家『CloverPit』には課金要素は存在しない。また、アイテムの種類が『CloverPit』の体験版時点のものと同じとの指摘もあり、どうやら『CloverPit Game』は体験版を無断コピーしたため、本家との同日配信が可能だったのかもしれない。
なお、Panik Arcadeはこの偽アプリについてAppleにも報告したようで、本稿執筆時点ではApp Storeから削除されており、もう購入できない状態となっている。もし販売時に購入していた場合は、Appleサポートに返金をリクエストすると良いだろう。
あるゲームが大きな人気を得ると、そのコンセプトを真似たゲームが相次いで制作されることはよく見られる。そんな中で、今回のように大胆にも本家を無断コピーする事例も時折発生しており、過去にはたとえばインディー開発者asaha氏の絵探しゲーム『Heartreasure』(関連記事)や、Steelkrill Studioのサバイバルホラーゲーム『The Backrooms 1998』(関連記事)などが被害に遭った。
『CloverPit』は、PC(Steam)向けに配信中だ。本作は、現時点ではSteam版のみのリリースとなっている。