Steamで再リリースされたばかりの『バイオプロトタイプ』、なぜかまたも配信停止。開発元もユーザーも困惑

Emprom Gameが手がけたローグライト・アクションゲーム『バイオプロトタイプ』について、先日1月20日にPC(Steam)向けに配信開始されるも、1月24日に突如販売停止された。

デベロッパーのEmprom Gameが手がけたローグライト・アクションゲーム『バイオプロトタイプ』について、先日1月20日にPC(Steam)向けに配信開始されるも、1月24日に突如販売停止。Steamからストアページごと削除されたことが明らかになった。

実は本作は、前販売元の不祥事によって一度Steamから取り下げられた経緯がある。今回2度目の配信停止となり、ユーザーから困惑の声が寄せられている。


『バイオプロトタイプ』は、『Vampire Survivors』などの流れを汲む、いわゆるサバイバー系のアクションゲームだ。実験体である奇妙な生物を主人公として多数の敵の群れと戦い、主人公は体の「器官」によるアップグレードが可能。器官を主人公の脳に接続することで、新たな攻撃アクションを追加することができ、攻撃の発動条件を指定する器官と組み合わせて、主人公を強化していくこととなる。

本作は、PC(Steam)向けに2022年12月に早期アクセス配信が開始され、2023年4月に正式リリース。中毒性の高いゲームプレイなどが評価され、多数のプレイヤーと高い評価を獲得した(関連記事)。これまでに19万本を売り上げているという。しかし、その後2024年6月になって突如配信停止され、ストアページはSteamから削除された。

当時販売元を務めていたBD Gamesのほかの多数の作品も一斉に配信停止されており、「BD GamesがSteamからBANされた」ことが原因であった模様。同社は、Steamキーを無料配布するイベントをコミュニティ内で定期的に実施し、キー提供者に好評レビューを要求していたと指摘されており、これがSteamの開発者向け規約に違反する行為だとして処分され、取扱タイトルも影響を受けたようだ(関連記事)。

その後、本作の開発元Emprom GameはBD Gamesと袂を分かち、自主販売に移行。まずは、開発中ながら同じくSteamストアページが削除された続編『Bio Prototype 2』を、『バイオウィーバー』に改題して昨年11月16日に配信。そして今年1月20日に『バイオプロトタイプ』を再リリースしたが、1月24日になって『バイオプロトタイプ』はふたたび配信停止され、Steamからストアページが削除されてしまった。

これは開発元にとって寝耳に水の出来事だったようで、理由も分からないとしてSteamのサポートに問い合わせているところだとコメントしている。なお関連は不明ながら、同時期にはほかのいくつかのゲームも配信停止された。そのうちのひとつであるシューティングゲーム『ストライクバスター』は、同じくBD Gamesが販売元だった当時にも配信停止を経験している。ただ、同社の元取扱タイトルが一律に配信停止されているわけではないため、偶然かもしれない。

また、ローグライクオートバトルゲーム『マジックブックオートバトラー』も同時期に配信停止。発表によると、販売元の都合により一時的に配信停止になったとのこと。具体的な理由は明らかにされていないが、何らかの問題が発生しているようで、解決のためSteam側とコミュニケーションをとっているところだと案内されている。

今回、ほぼ同じタイミングで10本ほどのタイトルが配信停止されたが、一見タイトル同士の関連性は見受けられず、一体何が起こったのか奇妙な状況である。『バイオプロトタイプ』のSteamストアページは削除されたが、コミュニティページはまだ利用可能となっており、掲示板では2度目の配信停止に困惑する声が聞かれる。配信停止の背景や配信再開の見込みなど、開発元からの今後の説明が待たれる。

なお『バイオプロトタイプ』は、PC(Epic Gamesストア)では現在も配信中だ。

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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