SIE、人気シューター『レジスタンス』シリーズ新作の開発提案を却下していた。かつてInsomniac Gamesがアイデアを練るもお蔵入りに
PlayStationプラットフォームで展開されているFPS/TPS『RESISTANCE(レジスタンス)』シリーズは、新作のリリースが10年以上途絶えた状態にある。開発元Insomniac Gamesは、かつて最新作『RESISTANCE 4』について販売元のSIEに提案したが、実現しなかったという。同スタジオ設立者でCEOを務めるTed Price氏が明らかにしている。
『RESISTANCE』シリーズは、1950年代の架空の世界を舞台に、キメラと呼ばれるエイリアンによる地球侵略に立ち向かうFPS/TPSだ。第1作目の『RESISTANCE 〜人類没落の日〜』はPS3のローンチタイトルとして2006年に発売され、その後2011年発売の『RESISTANCE 3』までの三部作が展開。また、携帯ゲーム機向けのスピンオフも制作された。
『RESISTANCE』シリーズは高い人気を獲得し、当時PlayStationプラットフォームを代表する作品のひとつとなった。ただ、2012年にPS Vita向けに発売された『RESISTANCE −アメリカ最後の抵抗−』を最後に、10年以上新作リリースが途絶えた状態にある。もっとも、開発元のInsomniac Gamesでは新作開発に向けて取り組んでいた時期があったそうだ。
Insomniac GamesのCEO Ted Price氏は2月8日、YouTubeチャンネルKinda Funny Gamesの番組に出演した。その中で司会者から、同スタジオは2019年にSIEに買収され傘下入りしたが、それ以前はさまざまなパブリッシャーに新作のアイデアを提案していたことだろうとし、当時承認を得られていればと思うお気に入りのエピソードはあるかと質問。これに対しPrice氏は、結果的に開発されることのなかった『RESISTANCE 4』を挙げた。
『RESISTANCE 4』についてPrice氏は、当時開発チームはシリーズの物語を拡張する素晴らしいコンセプトを持っていたと述べる。具体的にどのような作品を目指していたかは明らかにされなかったが、実世界をベースに異なる歴史を描く『RESISTANCE』シリーズでは、キメラがどこへ向かい何をするのか、どのようなことでも起こりうるとコメント。開発チームは、キメラの起源について描くことも検討し、背景となる物語を練っていたという。
そしてInsomniac Gamesは、『RESISTANCE 4』のアイデアを(SIEに)提案したとのこと。しかし、時期や市場機会の問題により却下されたそうだ。これはいつ頃の話であったのかは明かされなかったが、Price氏は2012年に、Insomniac Gamesが今後『RESISTANCE』シリーズに携わることはないと表明していたことから、『RESISTANCE 3』の発売後すぐの出来事だったのかもしれない。ちなみに当時は、のちに発売される『The Last of Us』や『Grand Theft Auto V』『BioShock Infinite』などが発表済みという時期だった。
なおInsomniac Gamesはその後、かねてより手がけていた『ラチェット&クランク』シリーズのほか、『Sunset Overdrive』や『Fuse』などのオリジナル作品を制作。そして『Marvel’s Spider-Man』の開発を担当したのちにPlayStation Studiosの一員となり、現在は『Marvel’s Wolverine』を開発中だ。一方で、同スタジオを30年以上にわたり率いてきたTed Price氏は先日、今年3月いっぱいでゲーム業界から引退することを発表している(関連記事)。