ファン作成のHD化プロジェクト「Resident Evil 4 HD Project」は、2014年にSteamダウンロード販売で発売されたPC用『Biohazard 4 Ultimate HD Edition』をさらに精細に描くテクスチャ改善Modだ。現在、全体の半分程度が完了しており、制作者サイトではすでに完成している序盤部分(レオンとアシュリーがサラザールの城に到着するまでの村パート)がダウンロードできる。公開されているオリジナル版との比較画像を見れば、テクスチャの精細度の違いは一目瞭然である。
『Biohazard 4 Ultimate HD Edition』のさらなるHD化を目指してゲーム全体のグラフィック改善に取り組んでいるのはたった2人のバイオファン。制作者であるアメリカ中西部出身のChris氏とスペイン在住のAlbert氏によると、「決して暇な時間を持て余しているわけではなく、純粋に『Resident Evil 4』が好きで可能な限り最高のビジュアル体験を求めたかった」とのこと。『Biohazard 4 Ultimate HD Edition』が発売された時、大半のテクスチャが未改善だったことに気が付いたと、プロジェクトを始動した動機を語っている。また、Albert氏は2007年にWindows版がリリースされた際にも、グラフィックを向上させるテクスチャパックの制作に取り組んでいた。
プロジェクトの半分程度がすでに完了しており、現在はゲーム後半の“ゲリラガナードの島”パートに着手していることを、8月1日の更新で明かしている。それによると、島パートではすでに配布されている村パート同様、ほとんどのテクスチャを完全に作り直す必要があるとのこと。基本的な作業内容は、全てのテクスチャのオリジナル解像度を8倍から16倍へ拡大することだが、ものによっては開発資料として使用された実在のモデルを基に一から描き直しているという。
アステカ族に伝わる生贄の儀式をモチーフにした壁画がその一例で、オリジナル版の描画スタイルが少々稚拙なために、そのままHD化しても不気味さにいまいち磨きがかからない。そのため、壁画自体を手作業で描き直したとのこと。今回の場合は、アステカ文明の資料がネットで容易に入手できるが、開発者が使用したと思われる実在のソースが見つけられない、もしくはネットで拾える画像の解像度が低すぎてテクスチャのモデルとして利用できないケースも多々あり、たびたびスクラッチからの再構築を余儀なくされると説明している。
また、現在は環境オブジェクトのテクスチャに専念しているとのことだが、アイテムや武器、敵・NPC・プレイアブルキャラクター、マーセナリーズをはじめとした追加モードにも随時とりかかる予定で、最終的には全コンテンツのHDリマスターを目指している。気になる推奨スペックだが、制作者の環境でリリース済みの序盤をテストしたところ最大470MBのVRAMを使用したとの報告があり、最終的に上記の要素を含めた全てのコンテンツをHD化しても1GBの容量で事足りるのではないかと概算されている。プロジェクトの進行に沿ってアップデートするとのこと。
『バイオハザード4(英題: Resident Evil4)』は、2005年にカプコンからニンテンドーゲームキューブ向けに発売されたサバイバルホラーシリーズ第6作。CESA GAME AWARDS(現日本ゲーム大賞)優秀賞をはじめ複数の栄冠に輝き、同年にPlayStation 2版、2007年にWindows/Wii版、2011年に本作のHDリマスターが収録されたPlayStation 3/Xbox 360向け『バイオハザード リバイバルセレクション』が発売されている。また、2008年以降にはiOS版など、携帯端末バージョンも登場した。そして2014年、PC向けHDリマスター『Biohazard 4 Ultimate HD Edition』がSteamのダンロード販売限定でリリースされた。