Rebellion Developments(以下、Rebellion)は、GRIN Gamestudio(以下、GRIN)のアクションゲーム『Woolfe』のIPを取得したと発表した。『Woolfe』は童話「赤ずきんちゃん」をテーマにした2D/3Dアクションゲームだ。斧を振り回す赤ずきんちゃんの乱暴な姿や、ダークファンタジーな世界観が話題となったが、後に開発・販売のGRINが破産したことが今年8月に明らかになった。GRINの設立メンバーWim Wouters氏はブログでスタジオ閉鎖に関して本心を吐露していた。
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リワード提供へ、続編の可能性も模索
Rebellionはスナイパーアクションゲーム『Sniper Elite』の開発として知られているが、海外では『Evil Genius』や『Ground Control』シリーズなど、諸事情で取り扱われなくなった、あるいは販売継続が難しくなった過去作品の再販売も手がけている。ただしRebellionもKickstarter出の作品を再販売するのは初めてで、支援者に丁重な対応をしているようだ。
Rebellionは、GRINが破産し「切手代も買えない」状態になり対応できなくなっていた各種リワードを、ユーザーがKickstarterへ投じた額どおりに送付するとしている。アートブックやパッケージ版、ポスターにオリジナルサウンドトラックなどを、年末前後に発送する予定だという。
なお『Woolfe』のアップデートが今後も続くかどうかに関しては、『Woolfe』がUnreal Engine 3を採用しているのに対しRebellionは内製エンジンの「Asura」を使用しているため、明言は避けられている。また、『Woolfe』リリース当初に予定されていた続編『Woolfe Volume 2』の開発に関しても、現時点では未定だという。Rebellionは『Woolfe』のIPに加えアセットも取得しているが、前述したように取り扱っているゲームエンジンが異なる問題がある。アップデート開発、そして続編ともに、今後可能性を探っていくことになる。
冒頭で述べたように、『Woolfe』の開発元であったGRINはすでに破産している。Wim Wouters氏は当時ブログで「私達は自分の“子供(Woolfe)”が成功しないなんて思えなかったんだ」とその心情を吐露し、ほかのパブリッシャーがIPとアセットを買ってくれないかと語りかけていた。海外メディアEurogamerの取材に応じたRebellionの設立メンバーJason Kingsley氏は、Wouters氏がIPを持続させようと献身的に動いていたことが、今回の買収につながったと語る。「彼の立ち振る舞いは我々を前進させ入札させる要因となった。もし彼が“やめてくれ、そんな手で俺の子供に触れるな”と言っていたら、おそらく退いていただろう」。
RebellionからGRINへと支払われた額は明らかにされていないが、Kingsley氏は「大金ではないよ、でも意味のあるお金だ……。途方もない額ではないが、競争相手はかなりいたんだ。予想していたよりもいくらか多く支払ったよ」と語っている。