ナメクジ猫サバイバル『Rain World』Steam同接「1万人突破」、今になって過去最大の盛り上がり。新大型DLC到来で飛躍的に高まる人気
Akupara Gamesは3月29日、VIDEOCULTの手がける『Rain World』の大規模DLC「The Watcher」を発売した。Steamでは同時接続プレイヤー数が1万人を超え、過去最大の盛況となっている。

パブリッシャーのAkupara Gamesは3月29日、VIDEOCULTの手がける『Rain World』の大規模DLC「Rain World: The Watcher」(以下、The Watcher)を発売した。対応プラットフォームはPC(Steam/Epic gamesストア/GOG.com)。発売を受けて、Steamでは同時接続プレイヤー数が1万人を超え、過去最大の盛況となっている。
『Rain World』は、文明崩壊後の世界を舞台としたアクションアドベンチャーゲームだ。プレイヤーはナメクジ猫となり、はぐれた家族を探すために過酷な環境を生き抜いていく。本作の世界には奇妙な生物が多く生息しており、食物連鎖の概念が存在する。ナメクジ猫は生態系の頂点に立つわけではなく、捕食される危険と隣り合わせのなか、自らも他の生物を捕食しながら飢えをしのぐ必要がある。また、世界を飲み込む豪雨が発生することもあり、手遅れになる前に安全な場所へと避難するのだ。
本作は2017年にPC/PS4版がリリースされ、その後Nintendo SwitchやPS5、Xbox Series X|Sなどにも移植。高い評価を獲得し、2023年1月には初の大規模DLC「Rain World: Downpour」(以下、Downpour)を発売。ファンにより4年以上開発が続けられていた大規模Modを基にしたこのDLCでは、数千にも及ぶ新マップと新たなストーリー、新プレイアブルキャラクターとなる5種類のナメクジ猫などが追加。さらに新モードとしてチャレンジモードおよびサファリモードも実装されるなど大ボリュームのDLCとなっており、本編同様高い評価を獲得している(関連記事)。
そして今回発売されたDLC「The Watcher」は、「Downpour」につづく第2弾の大規模DLCだ。未知の生物が闊歩する、これまでとはまったく異なる荒野を舞台に、孤独な迷子のナメクジ猫のThe Watcherが歪んだ世界を生き抜こうと奮闘する。The Watcherは「Nightcat」とも呼ばれる紺色のナメクジ猫であり、もともとはアリーナモードでのみ使用可能なキャラクターだったが、今回のDLCで独自の物語が用意された。

「The Watcher」の発売を受けて、Steamでは『Rain World』の同時接続プレイヤー数が急上昇。これまでの最大記録は2023年1月の「Downpour」発売時の記録である約4800人だったが、その倍となる1万人以上のプレイヤー数を記録した(SteamDB)。本編発売から約8年を経てユーザー層を拡大してきた本作だが、「The Watcher」の登場を機に再びプレイを始めるユーザーや新規プレイヤーが集っているようだ。
一方で、「The Watcher」のSteamユーザーレビューは本稿執筆時点で約1200件中68%が好評とする「賛否両論」ステータスとなっており、本編や「Downpour」が獲得している「非常に好評」ステータスと比較すると、やや厳しい評価となっている。レビューでは主に本編を最初にプレイしたときの感覚を思い出させる高い難易度や、美しいビジュアル、説明が少なく想像の余地がある物語が高く評価されている。一方でエリア間をつなぐ「テレポート」システムによるつぎはぎ感のあるゲームプレイや、物語の説明の少なさが逆に不満点として挙げられている。本編とはまた違った雰囲気やゲームプレイを受け入れられるかどうかが、評価の分かれ目となっているようだ。

本作を手がけるVIDEOCULTは、Joar Jakobsson氏とJames Primate氏によって設立されたインディースタジオだ。同スタジオは現在、『Rain World』のほかに、戦闘要素を前面に押し出したレースバトルゲーム『Airframe Ultra』を開発中だ。なお「The Watcher」に関してJames氏は、今後も複数のアップデートおよびコンソール版のリリースを予定していることを明かしている。指摘されたような課題点が今後のアップデートで改善されるかどうかも注目されるところだろう。
さまざまな意見があるものの、過去最大の盛況を迎えた本作。なお、SteamではDLCの発売を記念し、4月12日まで「The Watcher」が10%オフの税込1530円で販売されている。興味があるプレイヤーは、この機会にプレイしてみるのもいいだろう。

『Rain World』本編はPC(Steam/Epic gamesストア/GOG.com)/PS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One/Nintendo Switch向けに発売中。「Rain World: The Watcher」はPC(Steam/Epic gamesストア/GOG.com)向けに発売中で、コンソール版の発売時期は未定。なおSteamではDLCの発売を記念して、4月12日までは「The Watcher」が10%オフとなる税込1530円で購入可能だ。そして『Rain World』も65%オフとなる税込980円で、「Downpour」も30%オフとなる税込1190円で購入可能だが、こちらは4月6日までと早めに終了するため注意されたい。